特定健診物語③
医師会の対応
国民健康保険の加入者の特定健診は市町村が行う。横浜市に住んでいる国保加入者にとっては横浜市が保険者である。
市町村は自前の保健所だけで住民の特定健診を行う事はできないので、基本健診と同じく、医師会にアウトソーシングすることを前提に検討中である。
市町村にとっても、健診データをオンラインでもらえるほうが都合がよい。基本健診と同じく紙での報告書では、職員が入力しなければならない。
基本健診では、健診を受けさせる事が目的であったが、特定健診では、その結果に基づき保健指導を行い、メタボを減らして見せなければならず、データをデジタルで管理していなければならないのだ。
一方、医師会にとっては、従来紙で報告していた基本健診を、電子媒体に変換するにはそのためのハード・ソフトが必要となる。
電子カルテを使用している若手医師からみれば大したことでなくても、パソコンを触りなれていない医者からすれば、基本健診から特定健診への最大の変更点は電子化だと写る。
紙での報告も認めるか、あくまで電子媒体での提出か、市町村と医師会は相対峙したまま、期限を迎えた。
そのさまは、秀吉と家康が対峙した小牧・長久手の戦いと同じ。先に動いたほうが負けることは両者ともよく承知しているのだ。
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