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「アンソロジー 隠す」 ★★ | |
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女性作家11人による、“隠す”を共通テーマに据えたアンソロジー。 永嶋恵美さんの「あとがき」によると、女性作家の集まり“アミの会(仮)”によるアンソロジーの3冊目だそうです。 (1冊目は「捨てる」、2冊目は「毒薬協奏曲」とか) 一口に「隠す」と言っても、隠し方、隠すもの、隠されたものは様々です。 それ以上に、その作家らしい「隠す」が描かれているところが楽しい。 柴田よしき「理由」は刑事事件。 松尾由美「誰にも言えない」の真相は心温まるもの。 福田和代「撫桜亭綺譚」で隠されていたものは極めてブラック。 大崎 梢「バースデーブーケをあなたに」は、大崎さんらしくユーモラスで温かなストーリィ。 近藤史恵「甘い生活」は、結末にシビアさあり。 本書中、一番印象に残り、私が好きな篇は、永嶋恵美「自宅警備員の憂鬱」。 不登校・ヒキコモリ女子高生の、自宅内での推理、行動ぶりが楽しめます。 柴田よしき「理由」 永嶋恵美 「自宅警備員の憂鬱」 松尾由美 「誰にも言えない」 福田和代 「撫桜亭奇譚」 新津きよみ「骨になるまで」 光原百合 「アリババと四十の死体&まだ折れてない剣」 大崎 梢 「バースデーブーケをあなたに」 近藤史恵 「甘い生活」 松村比呂美「水彩画」 加納朋子 「少年少女秘密基地」 篠田真由美「心残り」 |