日本列島・全国郷土玩具の旅

----沖縄県篇・第1回----

---- OKINAWA(1)----


■沖縄県の郷土玩具ガイド■(掲載されていないもの、廃絶品を含みます)
代表的な郷土玩具:
  チンチン馬グヮー。シシメーサー。ウーメン(紙びな)。沖縄張り子。
  アダン葉細工。ハーリーふね。山原船。クバ船。フータン。ヤカジ。

沖縄県には、日本のどの地方にっも見られない異国情緒あふれる郷土玩具がたくさんあります。
沖縄には地元の人の手作りによる木製作品や、木の実細工など、ここに収録したもの以外に、まだまだ一般には知られていない多くの作品があると思われます。
当地の民芸店や土産店を調べれば、さらに新たな発見があるでしょう。

施設
沖縄県立博物館  那覇市首里大中町1-1:TEL: 0988-84-2243
沖縄物産センター  那覇市松尾1-1-2JAVYビル4F:TEL: 098-864-0555

参考情報リンク
沖縄県の(公式)ホームページ

沖縄の「観光・文化・物産」

WWW-OKINAWA:沖縄のWWW一覧 & 沖縄検索エンジン




今回、収録掲載した作品は、アダン葉細工を除く諸玩具は、すべて古倉さん一家の作品です。
明治37年生まれの古倉(こくら)保文さんは、たいへんな郷土玩具マニアで、自宅には数千点の玩具が飾ってあるそうです。
昭和27年頃までは、久米の大通りで時計屋を開いていましたが、沖縄の廃絶玩具の復活にのり出して、ついに郷土玩具製作に転職してしまいました。
戦争で荒廃した郷土の伝統を復活した功績により、平成3年には那覇市指定無形文化財の第1号の指定を受けられました。
現在は、長女の宮本和子さん、妹の東幸子さん、そして二代目の保憲さんが、製作にたずさわっていられます。

チンチン馬グヮー
 木製の箱車の上に張り子製の馬が乗っています。これは、沖縄の王朝の風俗であり、恒例の競馬に馬場へおもむく王と馬の晴れ姿をうつした、沖縄の代表的な郷土玩具です。
 この箱を動かすと、車軸につけられたツメが、箱の裏に仕込まれた針金の弦を弾きピンピンと音がします。それと同時に馬の首が上下に動く「からくり玩具」です。

シシメーサー
 シシメーサーとは獅子を舞わせる人という意味です。
 この玩具もチンチン馬と同じ仕掛けで、針金の弦が鳴って、獅子が赤い大きな口を開きます。
 民俗行事の獅子舞から作られたものです。腹に巻かれた五色の輪は、招福の縁起物です。

沖縄張り子
【ウッチリクブサー】:起き上がり小法師のことで、この女だるまは、他の地方のものとは違って、中国の美女の顔だちになっています。
【カラシシ】:(唐獅子)。シシメーサーの獅子だけを玩具にした張り子。
【ウルマシシ】:同じく張り子の獅子。
ウーメン(紙びな)とウーメンバーク(ひな箱)
 ウーメンバークは「梅箱」の字があてられています。この箱の中にウーメンが入っています。この紙雛は、白い紙を折りたたんで琉球まげ風に作り、それを人形の顔にして色紙や模様を描いた紙の着物を着せて、一対になっています。
その他にも、極楽に住むという空想の鳥「ガロービンガ」や、闘鶏わ象った「タウチー」「チャーマ」、「牛アーシ(闘牛)」シュリ人形、子供人形、祝い女、舞う人、など多数の張り子製の風俗人形が作られています。
以上の諸玩具の製作者・古倉家:
       古倉保文:那覇市小禄
1-30-8..TEL: 098-857-0492
アダン葉細工
 アダンは沖縄ではどこにでもある熱帯地方の常緑樹ですが、この木の葉で作った細工ものです。
 面白いのはハブグヮーで、ハブは蛇のハブ、グヮーは小さいという意味があります。葉を裂いて筒状に編んだもので、このハブの口に指を差し込んで尾を引くと、指が抜けなくなります。そっとゆるめて指を引くと抜けるという変わった玩具です。
 アダン葉細工には、「馬グヮー」「カジマヤー(風車)」「星形」などがあります。
 この細工は、土地の老人で作ってくれる人もいるそうです。
製作者:宮城且事「八州民芸」:那覇市楚辺1-3-7..TEL: 098-834-0757


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(2000.2.6号)