日本列島・全国郷土玩具の旅

----鹿児島県篇・第4回----

---- KAGOSHIMA(4)----






この記事は1993年時点の資料ですので、以後の現状については変動があるかもしれませんので、その点をご了承ください。
鹿児島神宮の諸玩具
 この県を代表する郷土玩具に「鹿児島神宮の諸玩具」があり、かなり高齢の宮地武二さんが作っています。(現時点での確認はできていませんが)
 これらの諸玩は、9種類すべて木製品です。
「鯛車」:これは祭神の彦火火出見命(ひこほほでみのみこと)にまつわる神話で、山幸彦の釣針をのみこんだ鯛・赤女魚(あかめ)に模して作られたものです。旧3月10日は、命が海から戻って来られたという日で「藤祭り」といって、以前はこの日の露店で売られていました。現在は神社で授与しています。
「化粧箱」:板は釘を使わず糊で接着し、上から和紙で補強、彩色してあります。
この箱は、彦火火出見命の御后(きさき)の豊玉姫命が、お輿入れのときの調度品を入れた箱をかたどったものとされています。
その他、「シタタキ・タロジョ」「羽子板」「初鼓(ポンパチ)」「竹刀」
「はじき猿」「笛太鼓(ふえてこ):笛と太鼓が一緒になっている」「弓矢」があります。
この諸玩具がいつ頃から作られいたかは不明ですが、宮地家初代の八郎が農業のかたわら作り始め、二代目・新助、三代目が武二さんになるので、明治の頃には作られていたと思われます。
 なお、これらの玩具は、常時、鹿児島神宮で授与されています。
製作者:宮地武二:姶良郡隼人町内山田985-1
鹿児島神宮社務所:姶良郡隼人町内2496..TEL: 0995-42-0020
■中段掲載の香箱と鯛車は、以前に鹿児島神宮で授与されていた古いものです。
初鼓(ポンパチ)
 これは正月の初午(はつうま)、今はその日に最も近い日曜日に、鈴懸馬(すずかけうま)を五色の布で飾り、首に鈴、鞍に御幣と初鼓をつけ、馬を踊らせる祭りがあります。その初鼓を小型化したもので、祭礼当日に露店で売られます。この日は宮地さんはじめ5、6人が製作して当日に限って売られています。
「厄(わざわい)をさる」という縁起から、の絵が多く描かれています。
■鹿児島神宮の土鈴と鳩笛
「土鈴」:これも先の初鼓と同じように、鈴懸馬の首に下げた鈴に似せて作られたものです。「魔除けの土鈴」として、家の軒に下げられます。
「土鈴」:同社が八幡宮でもあるので、それにちなんだ神の使いである鳩を笛にしたものです。現在のものとは違った形のものですが、大正2年刊の「うないの友」6巻・郷土玩具版画集にも載っているとのことで、かなり古くから作られていたようです。

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(2000.1.23号)