ノイローゼ完治の実践技術、15.他の療法との比較
18目次
14.神経症的素質を持った人の生きる道等
16.あとがきと著者住所
他の療法との比較研究
自動車メーカーは、売れる車、よりよい車をつくるため、他のメーカーが新車を売りだすと、購入し
て分解調査するそうです。実際、外国のメーカーが分解調査しているのを、テレビで見たことがありま
す。
ノイローゼの治療法 に関しても、他の方法にも興味を持ち、比較検討するのは大切なことだと思いま
す。まず最初に、森田療法について考えてみましょう。私は生活の発見会にもいたのでよくわかるつも
りです。
私が思うに、森田療法は一つ一つの症状に対しての、具体的な対処法が弱い。例えば、手洗いが止め
られないなどの症状に対しての、具体的な対処法を示してくれない。
また、あるがままが真髄であると、講師の方に言われたことがあるが、しかし、あるがままでは受動
的すぎる。いますべきことをしてあるがままになれといわれても、いますべきことが精神の集中を必要
としない時などは、なかなか症状は消えずよくならない。
精神集中の強い行動ほど、早く症状を消滅させるということについて、森田療法の先生方は気づいていないのか教えていない。
またあるがままでは、はからいや症状をきっちりたちきるのが難しい。治らずに治るのだとよくいわ
れるが、その行き方は自然に症状を忘れるという行き方であるから、逆に自分で気づかないうちに、いつのまにかとらわれていたり、はからっていたりする時もあり、症状に対しての対応がおくれる。
切り替え精神集中法では、心の法則にもとづいてきちんと実践すれば、段階的にきっちり治るべきして
治るのである。
行動療法については、私は著書からしか知らないが、思うに行動療法は性格改善法ではなく行動改善
法である。神経症的性格の人は、その強迫行為は治っても性格は変化していないから、また転移して違
った形で症状としてあらわれる可能性は強い。行動療法は性格改善力は弱い。
精神分析は、先天的な強迫神経症には治療効果は弱かった。精神分析は環境に強い原因のある神経症
、つまり後天的な神経症に対してよい方法であると考えてよい。
私の実践した心の切り替え精神集中法には次のような特徴や利点があります。
1切り替え精神集中で、はからいをきっちりと断ち切ることができる。
2症状が出た時に、切り替え精神集中で速く確実に消滅させることができる。
3いつでも、どこでも実践できるので、環境に影響されずに能動的に自ら安定した精神状態をつくるこ
とができる。
4感情に関心を向けながら、具体的な行為や行動をするので、継続的実践が確実に行える
5法則に照らし合わせて、確かめたり反省したりしてより確実に治すことができる。
6法則にしたがって、段階的に治し成長することができる。
森田療法や行動療法などで治らなかった人も是非ためしてみて下さい。
*「ノイローゼ完治の実践技術」は、全都道府県の精神保健センターに3冊から5冊くらいづつ寄贈しましたので、各精神保健センターでも読むことができると思います。(青森県だけ所在地がみつからなかったので送付してありません。)