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弁護士河原崎弘

有責配偶者の再度の離婚請求裁判

相談
先月、判決がありました。私は、離婚を求めたのですが、有責配偶者と認定され、請求棄却の判決がありました。
私は、妻と別れるための裁判をしていたのです。妻から、「夫は不貞をしている」と、離婚を拒絶されていました。弁護士から、判決には既判力があり、再度、同じ裁判はできないと聞いています。
私は、年収1200万円、子供は12歳で、妻が育てています。生活費(婚姻費用)は月30万円支払っています。私は、再度、離婚訴訟をしても、認められないのでしょうか。

回答
人事訴訟法 25条は、「人事訴訟の判決が確定 した後は、原告は、当該人事訴訟において請求又は請求の原因を変更することにより主張 することができた事実に基づいて同一の身分関係についての人事に関する訴えを提起する ことができない」と定めています(失権的効力、失権効)。
これは、判決の基となった裁判の口頭弁論終結時までの事情を基に再度の訴え提起を許さないのであって、その後の事情に基づく訴え提起は認められます。特に、配偶者の生活を維持するに十分な財産分与の提供があるとか、子供が成人したなどの事情があれば、有責配偶者の再度の請求でも、離婚が認められる場合があります。

判決
福岡高等裁判所那覇支部平成15年7月31日判決
有責配偶者からの離婚請求を却下した前訴判決が確定した後、再度提起された離婚請求につき前訴口頭弁論終結後の事情を斟酌してこれを認容した後訴1審の判断を是認した。

2009.7.26