車を譲渡した後の名義上の所有者の責任:保有者責任があるか

弁護士(ホーム) > 弁護士による交通事故法律相談 >
2017.12.15mf

相談

私は 2ヶ月前に、自分の乗用車(所有者が私の父親で、使用者が私名義になっていますが、私が使用していました)を、友人に売りました。引渡しは完了していますが、車両の名義変更などの手続がまだ完了していません。
私は、友人が事故を起こした場合のことなどを考え、覚書きを取り交わしておこうと考えています。
彼が、万が一、人身事故を起こした場合は、私が損害賠償責任を負うのでしょうか。彼が運転することを考えると、心配です。
相談者は、弁護士会無料電話相談で相談しました。

お答え

あなたは車を譲渡したことにより、保有者でなくなっていますから、責任はありません。
ただし、その車が事故を起こした場合、既に所有者でないこと、すなわち譲渡したことはあなたが証明しなければなりません。そこで、譲渡の際は売買契約を作るべきだったのです。契約書を作らなかった場合は、相手から、下記のような、譲渡を受けたので以後事故の場合は、自分が責任を負う旨の文書をもらっておけば良いでしょう。

  
念書
〇〇〇〇殿
私は、2017年12月3日、貴殿から、トヨタ製クラウン(登録番号品川け34〇〇〇〇)1台の譲渡を受けました。以後、事故などにつき私が保有者として責任を負い、貴殿には迷惑をかけません。
2017年12月3日
住所
                          氏名         

この文書は譲渡を証明することに意味があります。「私が保有者として責任を負い、貴殿には迷惑をかけません」は、それほど意味はありません。
譲渡の際に買主が名義書き換えせずに、後で、自動車税の納税通知が名義上の所有者に来たり、後でトラブルが起こることはよくあります。譲渡の際は、名義書き換え手続きを業者などの第三者に依頼するなどし、さらに、免許証等で買主の住所、氏名を確認しておく必要があります。

判例


虎ノ門 河原崎法律事務所 弁護士河原崎弘 03-3431-7161