離婚したつもりだが、アメリカ人の夫から離婚の訴えを提起された/重婚

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2018.4.22mf

相談

私は、アメリカに4年間いました。その間、インディアナ州で、アメリカ人の夫と1年間結婚していました。しかし、別れて、公証人の前で、離婚の書類にサインしました。結婚の際、住んでいた市役所に届けましたが、日本の区役所には届けませんでした。

帰国後、私は、日本で、日本人と結婚し、子供も1人います。結婚の際、夫に対し、私はアメリカでの結婚のことは話しませんでした。

1月前、アメリカの裁判所から、郵便で、離婚裁判の呼び出し状が届きました。私は、夫に訳を話しました。裁判手続きはどうしたら、よいでしょうか。
相談者は、弁護士会に電話をし、予約をし、法律相談をしました。

回答

アメリカで、(アメリカ方式で)結婚した場合、それだけで、婚姻(結婚)は、有効に成立します。その後、あなたは、日本の大使、公使、領事に届け出る義務があります(戸籍法41条)。この届出は報告的なもので、効力に影響ありません。だから、あなたは、アメリカ人の夫と日本においても結婚していることになります。
その後、公証人の前で離婚の書類に署名したようですが、それだけでは、離婚できません。アメリカでは裁判離婚しかないのです。

その状態で、さらに、日本人と結婚したのですから、あなたは、2人の夫と結婚していることになります。これを重婚といいます。重婚は、取り消しの対象であり、刑法で処罰されています(刑法184条)。

今度の裁判についてですが、アメリカでは、協議離婚の制度はないので、アメリカ人の夫は、裁判で離婚する方法しかありません。そこで、アメリカ人の夫は、訴えを提起してきたのです。協議離婚の制度のない国では、これは、普通のことです。

今回の裁判対策ですが、あなたに、不動産などの資産がある場合は、アメリカに行き、現地の弁護士に依頼すべきでしょう。あなたに、それほどの資産がない場合は、今回の裁判は放置して良いでしょう。ただし、アメリカの裁判所から届いた書類は、内容をよく読み、回答し、書留郵便で返送しましょう。

東京都港区虎ノ門3丁目18-12-301(地下鉄神谷町駅1分) 河原崎法律事務所 弁護士河原崎弘 電話 3431-7161
登録 Jun. 17, 2007