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2023.7.28 mf

貸金請求を弁護士に依頼すべきか、司法書士に依頼すべきか

相談:依頼すべきは、弁護士か、司法書士か、行政書士か

私は、知人に対し、130万円の貸金を持っています。先日、司法書士に内容証明郵便作成を頼みました。それでも、相手は、まだ払わないので、少額訴訟をしようと考えています。
貸金請求事件を司法書士に依頼した方がいいですか、弁護士に依頼した方がいいですか。行政書士はどうですか。

お答え:業務の範囲

2003年の司法書士法改正により、法務大臣の認定を受けた司法書士に、140万円以下の事件についての交渉権、簡易裁判所における訴訟代理権が認められました(司法書士法3条6号、裁判所法33条)。これにより、請求権の額が140万円以下の場合には、裁判を弁護士だけでなく、司法書士に依頼することも可能となりました。
ただし、司法書士の訴訟代理権は簡易裁判所おけるもののみに限られており、それ以外の裁判所(地方裁判所など)では弁護士のみに訴訟代理権が認められており、司法書士には訴訟代理は与えられていません。司法書士は、地方裁判所で、訴訟代理人になることはできません。

相談者のケースは130万円ですので、司法書士が代理人になれます。借用書があるなど、簡単な事件でしたら、130万円の貸金債権請求訴訟を司法書士、弁護士のどちらに依頼してもよいでしょう。既に事件を理解している司法書士に依頼しすることも適切と言えます。
借主が争うなど、 複雑な要素があるなら、訴訟に慣れている弁護士に依頼した方がよいでしょう。

最近、司法書士が債務整理を扱うことがあるようです。その場合、やはり、140万円以下との制限があります。当該依頼者(依頼人)の債務総額が140万円以下なら、司法書士は、債務整理事件を扱えます。破産事件は、地方裁判所の管轄ですので、司法書士は扱えません。
行政書士は、官公署に提出する書類などを作成することが仕事であり、訴訟代理権はありません。
2010. 5. 16