雨山、檜岳( 雨山:1,176m ) 2000.02.19 登山


  鍋割山より雨山、檜岳を望む( 2000.02.19 )

【雨山、檜岳登山記録】

【雨山、檜岳登山データ】

フォト

初回登山


雨山、檜岳登山記録

2週連続の丹沢である。
丹沢に2週連続して登るということは、 恐らく登山を始めて 丹沢ばかりに登っていた 12年くらい前でもないことで、 また 2週連続して同じ山に登るということも、 大菩薩嶺双石山など数える位しかないはずである。

今回も丹沢に登った理由は、「勝手に神奈川25名山」 に選んでおきながら未だ登っていない山に登るためで、先週の袖平山に続いて 今週は檜岳、 伊勢沢ノ頭が目的地である。 ただ、 この 2山に登るだけでは量的にやや物足りないことから、 塔ノ岳、鍋割山をくっつけた次第である。

大倉を出発したのが先週と同じ 7時10分、先週は 3連休のど真ん中で、私を含め 多くの登山者が朝一番のバスでこの大倉に到着したが、 この日も負けず劣らずの盛況で、 この山域の人気の高さを実感させられた。

先週の登山との違いは天候で、この日は曇りがちであり、先週 見事な姿を見せてくれた富士山は全く姿を見ることができなかった。
ただ、 逆に雲が多い分、 晴天時は逆光でよく見えなくなってしまうはずの相模湾方面がよく見え、 うっすらと当たる太陽の光を受けて海が金色に輝いて見える様は なかなかのものであった。

大倉尾根の登りは相変わらずきつかったものの、先週より軽い靴を履いてきた甲斐ががあってか、塔ノ岳についたのが 9時41分 先週より 13分ほど早かった。 但し、最後はややバテ気味であった。

塔ノ岳頂上はうっすらとガスがかかったような感じで風も冷たく、風の中には雪も混ざっているような状況だったことから、外での食事は止めにして、 久々に尊仏山荘に入り、カップラーメンを頼むことにした。 丹沢に通い詰めだった頃は、 必ず尊仏山荘でカップラーメンを食べていたので、 大変懐かしい気がした。

20分ほど休んで再び外に出てみると、相変わらず視界は悪く、近くに見える蛭ヶ岳もその頂上付近は雲に隠れている状態で、 更に風も強く、 ジッとしていられない状況であった。 こうなると長居は無用で、 直ぐさま次の目的地である鍋割山へとむかうことにした (10時3分発)

塔ノ岳を下っていく途中で多くの人々と擦れ違ったが、このまま下山すると思われるのが何となく癪であった。 先週は主脈を縦走したし、 今日はこのまま下山するのではなく、 鍋割山を越えて雨山、檜岳まで行くのだ ということを擦れ違う人たちに説明したいくらいであった。

大倉尾根の分岐点となる金冷ノ頭を過ぎ、快調に歩いていくと、大丸を過ぎた辺りで子鹿が 3頭ほど目の前を横切っていった。 丹沢で鹿に遇うことは珍しくないが、 この頃の丹沢は 植生保護の観点から鹿止めの柵をかなり張り巡らしているようで、 鹿としても年々住み難くなっていることであろう。

雪もなく平らな道を気持ちよく進んでいくと、途中でマウンテンバイクに乗って登山道を進んでくる人と擦れ違った。 聞けばこれから塔ノ岳に登り、 帰りは小丸まで戻って そこから下るとのことであったが、 確かに鍋割山近辺は道が平らな所が多く、 マウンテンバイクで走るにはもってこいかもしれない。 しかし、ここまでの登りはどうしたのであろう。 バイクを担いできたのであろうか、 あるいは分解したままで担ぎ上げて、 尾根上に辿り着いてから組み立てたのだろうか、 それにしても大したものである。

鍋割山に着いたのが 10時51分、寒い中、小屋のはずれにあるベンチに座って弁当を食べた。
小屋の前にあるベンチの方は賑やかで、 小屋で 鍋焼きうどんを頼んだらしく、 暖かそうな湯気が大変羨ましく思われた。

この鍋割山山頂も展望はほとんど利かなかったのであるが、西方にある雨山、檜岳、伊勢沢ノ頭 という、これから向かう山々だけは よく見ることができた。 ラッキーである。 特に雨山はなかなか堂々とした姿で、 登高意欲をそそられたのであった (11時11分発)

鍋割山から次に目指すのは雨山峠であるが、途中の鍋割峠から先は通行禁止となっているらしい。
最悪の場合は 鍋割峠から一旦下山して寄コシバ沢を下り、 途中の分岐から雨山峠に登り返すことも辞さず、 との覚悟で鍋割峠まで進むと、 確かに通行禁止の立て札が立てられていたものの、 マジックで禁止の文字が消されており、 代わりに 「注意」 の文字が書かれていた。

これは注意すれば行けないこともないということだろうと勝手に解釈し、先へと進んでいくと、確かに白ザレの下り斜面にある鎖場は ボロボロと足場が崩れ易い状況でやや手こずらされ、 さらに 2つ目の鎖場はすぐ下が崖となっていて、 崖の縁が崩れかけていたため危険ではあったが、 注意すれば何とかなる道であった。
そして、 そこさえ抜ければ歩きやすく、 また大変静かな山歩きを楽しむことができた。 こういう道は私の好みである。

雨山峠に着いたのが 12時5分、道はまだまだこれからである。
そうそう、 この雨山峠までの道は 12年前に歩いているのだが、 途中 全く記憶が蘇る箇所がなかったことが少々ショックであった。

雨山峠はまさしく峠という感じで、左に下るのが寄 (ヤドリギ) への道であり、ここは 12年前に下ったところである。 ここにも登山禁止の立て札があったから、 沢沿いの道であるが故に崩れ方が酷いのかもしれない。
右は雨山橋経由でユーシンに下る道で、 まっすぐ進み、すぐに梯子の登りとなる道が 目指す雨山への道である。

雨山への道は明瞭で特に問題ないものの、道の途中にある丸太の階段などはかなり朽ちかけていたので、この道の手入れ具合が知れ、人気コースではないことが伺われた。 しかし、標識は要所要所にしっかり置かれており、 迷うことはない。

ただ、最後のダラダラとした直線の登りを進んでいくと、さらに先に高みがあるにも拘わらず、途中から道は下るようになっており、 そこには 行き先が秦野峠であることを示す標識も置かれていたのである。 そのまま標識に沿って下ろうとも思ったが、 今取り付いているのは雨山のはずで、 このまま下ったら雨山頂上を避けることになる と思って辺りを見回すと、 道から外れた木に目印が付いているのが目に入り、 またよく見ると そこへの踏み跡もついているのが見つかったのであった。

どうも私の感がその目印を辿るべきだと告げているので、標識を無視して進んでいくと、やがて雨山頂上と書かれた標識が見つかり、 更に先には明瞭な道もあって、 何とその脇には秦野峠への方向を示す標識もあったのである (12時34分)
もしかしたら、 先の下りをそのまま進んでもここに着くことができたのかもしれないが、 どうも良く分からない。
雨山頂上は 樹林に囲まれて全く展望が利かず、 先ほど見えたその堂々とした山の姿に比べて 寂しいものであった。

雨山峠から檜岳への道もその日の天候の所為でもあったのだろうが、大変暗い感じがした。 更に、途中からは道がやや不明瞭になり、 斜面を直登する踏み跡を選んだら、 結構残っている雪と 至る所にある鹿の糞に大変苦労させられることになった。
恐らく私の通った道は正規のモノではないようで、 直登ではなく右の方から回って登るのが正解だったのであろう。

やがて檜岳の頂上を示す朽ちかけた標識と三角点のある場所に着いたが、そこも樹林に囲まれ全くといって良いほど展望は得られなかった (13時1分)

この檜岳頂上でおかしいなと思ったのは、頂上には山域地図が書かれた表示板があると聞いていたのにそれがなかったことで、 三角点の横に倒れていた錆びた鉄枠を見て、 これが表示板のなれの果てか と自分を納得させたのであった。

しかしである、先に進むべく踏み跡を辿って右に進むと、苔むした木のテーブルがいくつかと お目当て ? の表示板がある場所に飛び出したのであった。 やはり私の辿ってきた道は正規の道ではなかったらしい。

檜岳から伊勢沢ノ頭へは迷うことなく行くことができたが、この頃になるとさすがに疲れが出始め、一旦下ってまた登り返すのが大変億劫に感じられた。

伊勢沢ノ頭も雑木林の中の全く展望の利かない場所で、またピークらしさのあまり感じられない場所であった (13時25分)

伊勢沢ノ頭からは暫く平らな道が続き、また道が鹿止めの柵の横を通る様になっていて、背中のザックにくくりつけたオーバージャケットが 有刺鉄線に引っかかるのではないかと 結構気を遣わねばならなかった。

この平らな道はやがてカヤトの中の道に変わり、すぐに展望が広がる道をドンドン下ることになった。目の前にはシダンゴ山であろうか、 なかなか形の良い山と その山肌を貫く林道が見えた。

カヤトの中を一気に下っていくと、やがて秦野峠に至り、そこで道が2つに分かれていたが、峠にあった標識がいきなりシダンゴ山へと案内するモノに変わっていたので 驚いてしまった。
従って、 シダンゴ山を示す方向とは反対の左への道を進もうと思ったが、 念のために地図を見ると どうやら左の道は旧道で、 今はほとんど使われていない道らしいことが分かった。

それではと右に進んでいくと、やがてT字路にぶつかり、ここには標識もなかったのでどちらに行くべきか少々迷ってしまうことになった。 結局 地図を見て左の道を選んだのだが、 やはり要所には標識が欲しいものである。

そして 14時21分、ようやく林道 (立派な舗装道) に飛び出したが、ここが林道秦野峠で、ここからバス停のある寄 (ヤドリギ) までは延々と 1時間半ほど車道歩きをせねばならなかった。

寄沢を渡って突き当たりを右に曲がると、その道は 12年前雨山峠から下ってきた時に通った道で、道の周囲にある建物、工場は当時の記憶通りのままであった。 当時は、 ヤビツ峠を経て 日本武尊の足跡 を見てから表尾根を縦走し、 雨山峠経由でここまで至ったのであるが、 この道を通る頃にはバケツをひっくり返したような雨であった。

寄のバス停に着いたのが 15時43分、バスは10分ほど前に出てしまっていたので、何もないところで (食堂があったが営業していなかった) 40分ほど待たねばならなかった。

さて、今回の登山であるが、 「勝手に神奈川25名山」 としての評価は 檜岳、伊勢沢ノ頭 ともに ペケ である。
しかし、雨山、檜岳、伊勢沢ノ頭と合わせて考えれば、 なかなか静かな山旅が楽しめるコースであったことから、 これは 3山全部合わせてお勧め山域ということにしたい (そうなると25名山ではなくなるが・・・)
でも秋にここを一人で歩くと、 いきなり熊にでも出くわしそうである。 音の出るモノは必携であろう。


雨山、檜岳登山データ

上記登山のデータ登山日:2000.02.19 天候:曇り単独行日帰り
登山路:大倉−堀山−花立−金冷ノ頭−塔ノ岳−金冷ノ頭−鍋割山−雨山峠− −雨山−檜岳−伊勢沢ノ頭−秦野峠−林道秦野峠−寄
交通往路:瀬谷−(相模鉄道)−海老名−(小田急小田原線)−渋沢−(バス)−大倉
交通復路:寄−(バス)−新松田−(小田急小田原線)−海老名−(相模鉄道)−瀬谷


山のメインページに戻る   ホームページに戻る