登山NO.0060 恵 那 山( 恵那山:2,191m ) 1995.11.18登山


   中腹から見た恵那山( 1995.11.18 )

【恵那山登山記録】

【恵那山登山データ】

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再登山


NO.60 恵那山登山記録


恵那山は、黒井沢や強清水そして富士見台といったそれぞれの登山口へのアプローチが大変であることから (従って、頂上からそのうちのどの登山口へ下った場合も帰りの足が不便である)、 どうしたら効率的な登山ができるかとかなり考えさせられた山であった。
レンタカーを借りるということも考えたものの、慣れない車で慣れない山道を走るということは私にとっては結構 勇気がいることで、 結局 往きはタクシーにして、不本意ながら黒井沢からピストン登山を行い、帰りの足は往きのアプローチの様子を見てから決めることにした。

快晴の予感の中、新横浜駅発が朝 6時半となる新幹線ひかり号にて名古屋まで行き、 そこから中央本線に乗り換えて中津川まで行った。
実は新幹線が名古屋駅に着くのが 8時7分で、名古屋発の中央本線快速の坂下 (さかした) 行が 8時10分の発車となっていることから、 うまく乗れるかどうか心配であったが、ホームをダッシュしたお陰で滑り込みセーフであった (名古屋が始発駅のため、 発車番線が時刻表に書いてあったのが大変役立った)
中津川からタクシーで恵那山に向かう途中、タクシーの運転手に帰りの相談をしたところ、帰りのバス乗り場となる川上 (かおれ) のバス停で止まってくれて時刻表を見ることができるようにしてくれたが、 とても下山して間に合うような発車時刻ではなかったし、また川上から黒井沢までの山道の長さは想像以上であったため、 結局 そのタクシーの運転手に迎えに来てくれるように頼むことにした。

黒井沢に着いたのが 10時20分であったので、16時に迎えにきてもらうことにしたが、 それにしてもタクシー代がかなりの金額であり、それが帰りもとなるとえらい出費である (こういう時に単独登山はツライのである)
黒井沢の登山口にはかなりの数の車が駐車しており、晴天の本日、多くの人達が入山していることが想像された。
登山口からは黒井沢左岸沿いの荒れた林道を歩くことになり、途中沢の右岸に渡って、また暫く先でまた渡り返していくと、 樹林の中に入るようになり、やがて休憩小屋が見えてきた。
そこからはツヅラ折りの道を登っていくことになって、小さな沢を渡り、山腹を巻くように進んでいくと、再び沢が現れ、 クマザサに囲まれた涸沢に沿って道を登り詰めると明るい尾根に出た。
この涸沢付近では岩の間に雪が残っていて凍っており、来る時タクシーの運転手が 「山は既に雪が積もっている」 と言っていたのを思い出した。

尾根を歩きながら右手を見ると、悪沢岳赤石岳聖岳といった南アルプスの山々を木の間越しに見ることができ、 青い空のもと、結構楽しんで歩くことができた。
暫く進むと、クマザサと灌木に囲まれた道となり、野熊の池避難小屋への道を分けて、やがて野熊の池の前の小さな広場に飛び出した。
池は静かな佇まいで、水は周囲のクマザサの緑を鏡のように映しだしており、ポカポカ陽気の中、広場にあるベンチに座って池を眺めながらノンビリ休憩させてもらったが、 これから先に登るのが億劫になる程気持ち良く、昼寝でもしたい気分であった。

野熊の池からは、カラマツの林の中をクマザサをかき分けるようにして登っていくことになったが、 この辺から登山道は完全に雪で埋まっており、凍ってはいなかったのでアイゼンは不要であったものの、自分の装備の甘さを反省させられた。
やがて尾根に出ると展望が俄然開けるようになり、南アルプスの山々は無論のこと、冠雪した 御嶽乗鞍岳、 そして 穂高連峰までもが視野に入るようになってきて、ウキウキとした気分にさせてくれ、 目指す恵那山も常緑樹に囲まれた緑の頂を見せてくれるようになってきた。

尾根道から再び樹林の中に入ると、そこは登山道だけがしっかり踏み固められているものの、 完全に雪の世界となり、加えて、樹林の中は太陽も当たらずに薄暗く、先ほどの明るい尾根との落差が大きかっただけに、 何となく気分を暗くしながら山腹を巻くように進むことになった。
少しヘバリがきたかなと思う頃、有り難いことに雪を溶かすように水が湧き出ている水場に着くことができ、 ここで喉を潤し、少々元気を取り戻すことができた。
水場から暫く進むと、徐々に道は緩やかになって、やがて明るい日差しの雪の広場に飛び出すことになり、 その広場にある恵那山避難小屋の前では多くの人たちが食事などをしてくつろいでいた。

小屋の前は休もうにも場所がないような状態だったので、そのまま東南の方向に頂上に向かって雪の道を辿り、 3つほど祠を過ぎていくと、待望の恵那山頂上に辿り着くことができた (最後の立派な祠が恵那神社だったのだろうか ?)
頂上には先ほどの避難小屋の前の混雑とはうって変わって人は 1人しかおらず、その人も私が記念写真を撮ってもらった後すぐに下山したので、 遅い昼食をとりながらの 20分程の間、頂上を 1人で占領することができた。
頂上は、周囲を灌木で囲まれていてほとんど展望が得られない状態で、また一等三角点は完全に雪に埋もれており、 標識も石を積んで支えた木に小さなものが 3つ程がくくりつけられただけと、意外と寂しい状況であった。
頂上の積雪量は、ガイドブックにある無雪期の頂上の写真と比べて推測してみると、高さ 30cmほどのベンチ下まで雪があったことから、 20cmほどであったようである。

避難小屋まで戻り、少し展望を得ようと小屋裏手の岩場に登ってみたところ、 そこからは赤石岳を中心とした南アルプスや 空木岳・ 摺古木山などの中央アルプスが見え、そしてその左には 御嶽乗鞍岳が高さを競うように並んでいるのを 見ることができた。
また、岩場から少し先まで進んでみると、三の宮であろうか、頂上の恵那神社へと続く祠の一つが雪の中にあったが、 そこのしめ縄は新しく、信仰厚き人達がいることを示していた。

下山はタクシーとの約束時間を気にしながら往路を戻り、16時少し前に黒井沢に着いて、 約束通り待っていてくれたタクシーにて中津川の駅に戻った。
途中、タクシーの運転手に頼んで道路際に止まってもらい恵那山の姿を撮影したが、何のことはない、 「鍋づる」「舟覆山 (フナブセヤマ)」 と別称があるそのなだらかな山容は、 中津川駅からビル越しにも見ることができたのであった。


恵 那 山 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ登山日:1995.11.18 天候:快晴単独行下山後宿泊
登山路:黒井沢−黒井沢休憩所−野熊の池− 恵那山避難小屋−恵那山−恵那山避難小屋−野熊の池−黒井沢休憩所−黒井沢
交通往路:瀬谷−(相鉄線)−横浜−(市営地下鉄)−新横浜−(東海道新幹線)− 名古屋−(中央本線)−中津川−(タクシー)−黒井沢
交通復路:黒井沢−(タクシー)−中津川−(中央本線)− 名古屋−(東海道本線)−岐阜()。伊吹山の項参照。
その他:18日恵那山登山後、岐阜泊。
その他の
恵那山
登山
広河原駐車場−登山口−1,716m地点− 恵那山−避難小屋−神明社−前宮ルート・神坂ルート分岐−大判山−鳥越峠−千両山−広河原駐車場 ( 2011.5.4:晴 )
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