登山NO.0054 妙 高 山( 妙高山:2,454m ) 1995.8.20登山


 大倉乗越から見た妙高山( 1995.8.20 )

【妙高山登山記録】

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再登山


NO.54 妙高山登山記録

火打山の項から続く。

黒沢池ヒュッテの朝食は何とパンケーキであった。
薄く焼いたパンケーキにジャムやバターをつけてコーヒーを飲みながら食べたのだが、何となく山小屋の朝はご飯とみそ汁、おかずが1品とそれに香の物というのが定番と思っていた私には、 この食事スタイルは驚きであった。
しかし、何となくせわしいというイメージのある山小屋の朝に、コーヒーを飲みながらゆったりするのもなかなかよいものである。

身支度を整え、ヒュッテの前から妙高山方面に向かうと、道はいきなりの急登で、 まだ完全に目覚めきっていない身体には大変キツく感じられた。
登り切った所が大倉乗越で、目の前にはズングリした妙高山に朝日が当たり始めているのが認められ、 また眼下には長助池の池塘群を見ることができた。
長助池の池塘群にも山の間から朝日が差し掛け始めており、緑の絨毯の上にある大小の様々な形をした池塘が朝日に輝き始める様はなかなか美しいものであった。

大倉乗越からは外輪山の内側を巻くようにして下っていくことになったが、 ここまで折角稼いできた高度を全てご破算にするようにドンドン下っていくことになり、 次に来る登りを思うと些か気が重く感じられた次第である。

やがて長助池への道との分岐で、ここはこれからの登りのために少し休んで流水に喉を潤し、 鋭気を養うには丁度良い場所であった。
この分岐点からはいよいよ妙高山への登りが始まったが、思った通り急登の連続で、陽も当たらない何となくジメジメして暗い雰囲気の中を喘ぎながら登ることになった。
幸いというか前に女性が一人登っており、その人を追い越すことで、後は抜かれまいとして、あるいはへばった様子を見られまいとして頑張ろうとする力が自分の中に湧いてきて、 最後までほとんど休まずに登り切ることができた。
誰かに見られている (本当は見られているわけではなく、自意識過剰なだけ) と思ったり、 競争心が湧き上がると、自然にエネルギーが出てくるから不思議である。

キツイ登りも周囲に大きな岩が見られるようになってきて、やがて稜線に飛び出すこととなり、 右へ少し進んだ先は妙高山の頂上 (北峰) であった。
大きな岩が点在する北峰には、小さな広場があり、そこには一等三角点と小さな標識があった。

頂上は南北に細長くなっており、三角点のある北峰から見た南峰は、北峰よりもやや高く見えたので、 本来の頂上は南峰なのではないかと思われる。

岩の間を縫うようにして南峰にいってみると、岩に囲まれた、馬に乗った神様 ? が彫られた石碑があり、 「本山に鎮座マシマス・・・」 と由来を書いた石碑も傍らにあったのだが、 良く読まなかったのでどういう神様 ? なのかは分からない。

頂上からの展望は快晴の天候も手伝って大変に素晴らしく、 鹿島槍ヶ岳五竜岳、 唐松岳、剱岳白馬岳などの北アルプスの峰々や、 黒姫山、そして昨日登った火打山とそれに続く焼山などをハッキリ見ることができ、 昨日火打山で逃した展望をここで一気に取り戻すことができたのであった。

時刻は 7時30分を回ったところで、1日が始まったばかりなのにこのまま下山して帰路についてしまうのはもったいない気がしたが、 下山後の入浴の時間を考慮し、また妙高高原行きのバスの発車時刻を考えると、そうもユックリはしていられない。

下山路は石碑の後ろから始まっており、赤茶けて風化したような岩の道を下っていくと、やがて灌木帯に入り、 暫く先で鎖場に出たが、鎖場は結構長かった (15m程) ものの、岩に足場が刻んであるので問題なく通過できた。

ネマガリタケの茂る尾根を下って、光善寺池を回り込むとやがて祠のある天狗平で、 この付近から仰ぎ見る妙高山は、緑におおわれた山腹に白っぽい岩肌を荒々しくむき出しにしており、 今朝ほど大倉乗越から見たズングリとした姿とは全く違った面を見せてくれていた。

天狗平からは燕温泉への道をとり、急斜面を下っていくと、やがて硫黄の臭いがし始めて 北地獄谷の河原へと出たが、 河原に流れる水を口にしてみると渋くてとっても飲めたものではなく、温泉そのものの味であった。

暫く河原に沿って歩いてからまた樹林帯に入ると、右手には称明滝であろうか、小さな滝が見え、 その後ろには道がつけられているのが見えた。恐らくその道は天狗平から燕温泉へと直行する道と思われる。

尾根を巻くようにして下っていくと、やがて麻平と書かれた標識のある、ブナに囲まれた小さな広場に出ることになって、 ここからは道もややユッタリとなってきた。この麻平は燕新道との合流点でもある。
左に惣滝への分岐を分けて下っていくと、やがて北地獄谷にかかる妙仙橋という吊り橋が現れたが、 吊り橋から右手河原へ下りた先には露天風呂もあって、何人かの人が入っているのが見えた。
しかし周りの崖が何となく崩れそうで居心地が悪そうだったため入浴は敬遠することとし、 車が通れる程の道路を先に進んで、やがてこじんまりとした燕温泉に着いた。

温泉にある旅館で入浴をお願いしたが、生憎風呂を掃除する時間に当たっていたため入浴は叶わず、 下ってきた道を戻って、傍らにあった露天風呂に入ることにした。
この風呂は一応男女に分かれているようであったが、実質は混浴で、少々女性には入りにくそうな設定なのだが、 数人固まると勇気がでるらしく、中年のオバサン達が堂々と入浴していた。
温泉に暫く浸かっては出て、岩の上で風に当たって火照った身体を冷やすことを繰り返し、ノンビリとさせてもらったが、 この頃になると空も曇ってき始め、周囲の山々をよく見ることができなくなってしまったのが残念であった。

入浴後は燕温泉のバス停まで下り、そこからバスに乗って既にコスモスが咲き始めている道を妙高高原駅までノンビリ戻った。


妙 高 山 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ登山日:1995.8.20 天候:快晴単独行前日泊
登山路:黒沢池ヒュッテ()−大倉乗越−長助池分岐−妙高山 −天狗平−北地獄分岐−麻平−燕温泉
交通往路火打山の項参照
交通復路:燕温泉−(バス)−妙高高原−(信越本線)−上野− (京浜東北線)−横浜−(相鉄線)−瀬谷
温 泉:燕温泉
その他:8月19日は黒沢池ヒュッテ泊。翌20日妙高山登山。下山後帰宅。
その他の妙高山登山燕温泉駐車場−妙高山登山道入口−称明滝−天狗堂− 風穴−鎖場(九合目)−妙高山 (往路を戻る)
 (2013年6月26日 : 快晴後時々曇り&ガス)
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