登山NO.008 筑 波 山( 筑波山:876m ) 1989.8.16登山


 男体山から見た女体山( 1989.8.16 )

【筑波山登山記録】

【筑波山登山データ】

再登山


NO.8 筑波山登山記録

筑波山は百名山の中で、開聞岳とならんで 1,000mに満たない山であり、さらにロープウェイやケーブルなどが山頂に通じていることから、 観光地化した山のイメージが強い。
従って、 その山へわざわざ横浜から出かけていくことにかなりの億劫さを感じていたが、 たまたま筑波方面でゴルフを行う機会に恵まれたため、 その帰りに登って来ることを計画した。

真夏の1日、ゴルフは2時過ぎに終了し、一人車にて筑波山に向かった。
ゴルフ場の駐車場を出る時にふっと上を見上げると、 照りつける太陽で霞がかかったような中、 筑波山の双耳峰が見えていた。
その山容が想像していたよりも立派だったのに少々驚かされ、 登高意欲が湧いてきた。

私は、大学卒業後に就職した企業の配属で、5年間ほど栃木県の小山市に住んでいたことがあり、その時に何回も筑波山を眺めているはずであるが、 ほとんど記憶にないのは、 当時全く山に興味がなかったせいであろうか。
筑波山自体にも車で1回行ったことがあるが、 それもロープウェイ駅までであったから、 観光地というイメージから抜け出せないのも仕方がなかろう。

筑波山下の無料駐車場に車を止め、カメラ1つだけ抱えて出発したが、これはサブザックといえども担いで歩くのが恥ずかしい気がしたからである。

人で賑わう筑波山神社の沿道を行き、立派な佇まいの筑波山神社に参拝してから登り始めたが、 ケーブルの駅を過ぎ、 暫く行くと今までの喧噪とは打って変わって静かな山道となった。

道はさすがに良く踏まれているものの、山道の周囲は人があまり手を加えないようにしているらしく、結構自然を楽しむことができたが、 途中、 ケーブルと交差したのにはやはり興ざめさせられた。

約40分程で御幸ヶ原に飛び出すと、そこはまた俗世界で、売店が建ち並び、多くの人で賑わっていた。
まずは御幸ヶ原を左に進み、 男体山に向かうことにした。

大きな祠の前で記念写真を撮った後、関東平野が一望できるはずの展望台へ行ったが、丁度太陽と向き合う形となり、 下界は黄色の光の中、 ほとんど見ることができなかった。

再び御幸ヶ原へ戻り、途中の茶店で氷あずきを食した。 普通の登山ではなかなか叶わぬことであるが、 これは観光地化したメリットか。

御幸ヶ原から女体山への道は緩やかな登りで、本当にガマのように見える蛙岩を横に見て進むと、やがて女体山の頂上であった。

筑波山は先に述べたように双耳峰になっており、それぞれ男体山、女体山の名が付けられている。
高さは女体山の方が高く、 その頂上には大きな岩が重なり合っており、 やはり立派な祠があった。

ここも人で混み合っていてゆっくりする雰囲気ではなく、そそくさと山頂を後に、弁慶七戻岩岩方面へと向かった。

ここからの登山道は、途中北斗石、母ノ体内潜りなどの奇岩が多く見られ、ここまで見てきた筑波山とは違う面を見せてくれ、 結構楽しむことができた。

弁慶七戻岩のトンネルをくぐると弁慶茶屋となり、ツツジヶ丘へのコース分けたが、私がとった筑波山神社へのコースの方は全く行き交う人もなく、 雑木林の中を一人黙々と進む形となった。
折しも黒い雲に空が覆われ、 風が吹き出してきたので、 先ほどまで観光地と思って見くびっていたのに、 何か1人出歩くことに怖さを覚え、 不気味なものを感じながらの下山となった。
一人歩きが多く、 こういうシチュエーションは慣れているはずなのに、 不安を覚え何か気分が落ち着かなかったのは、 それまでの観光地化した状況との落差のためであろうか。
やはり筑波山も一歩観光地化した場所から抜け出せば、 山としての魅力、 怖さを持っているものだと、 これまでの自分の見くびりを反省させられた。

しかしそれもつかの間、やがてまた売店の並ぶ喧噪の世界に戻らされ、その変化の激しさに戸惑いと面白さを感じた次第である。

筑波山は、関東平野の一端に立ち、その展望の良さとその低さ故に、俗化せざるを得ない運命を持っているのかもしれないが、 山としての魅力はまだ十分にあり、 これ以上の文明の侵攻は是非とも防ぐべきであろう。


筑 波 山 登 山 デ ー タ>

上記登山のデータ登山日:1989.8.16 天候:晴れ後曇り単独行日帰り
登山路:筑波山駐車場−筑波山神社−中ノ茶屋−御幸ヶ原− 男体山−御幸ヶ原−女体山−北斗岩−弁慶茶屋−筑波山駐車場
交通往路:瀬谷−横浜IC−(首都高速・常磐自動車場)−土浦IC− ゴルフ場−筑波山駐車場(車にて)
交通復路:筑波山神社−古河−大宮−(環8・第三京浜)− 瀬谷(車にて)
その他の
筑波山
登山
(1) つつじヶ丘駐車場−つつじヶ丘−弁慶茶屋−北斗岩など奇岩群−女体山− セキレイ石−御幸ヶ原−男体山−御幸ヶ原−男女川源頭−中ノ茶屋−筑波山神社 ( 1998.4.11:晴れ )
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