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37日目
大津宿〜三条大橋
2003年4月12日(土)
雨のち曇
遂に、この日がやってきました。2001年.8月18日。夏真っ盛りの日本橋を発してから37日目。この日を夢見て歩き続けた2年8ヶ月。ようやく京都三条大橋へ着くのです。長い旅路ではありましたが、楽しい旅路でもありました。万感の思いをこめて、いよいよ最後の行程、大津宿〜三条大橋を歩きます。

大津宿スタート地点〜大津事件の碑
桜の咲く4月。最後の行程となる大津宿〜三条大橋を歩きます。前回同様、この日も雨。雨の大津宿を出発です。前回終了地点からスタートし、旧道を進むとすぐに、左の角に大津事件の碑がありました(写真右)。大津事件とは、明治24年に、ロシア皇太子ニコライが津田三蔵巡査に切り付けられて負傷したというものです。

札の辻
東海道は、やがて広い通りに出ます。この交差点が札の辻で、通りを渡った反対側に石碑がありました(写真右)。
この広い通り、真ん中に線路があることから、路面電車が走っているようです。東海道は、この交差点を左折し、逢坂へと向かいます。

ちなみに、線路は京阪京津線で、浜大津と京阪三条を結んでいます。つまり、ほぼ、東海道に沿っているわけです。

札の辻〜本陣跡
札の辻を左折し、逢坂方面へ進みます。と、その時、後方から電車の音が。なんと、道の真ん中を走っているのは、一般の路面電車の車両(単行で小さな車両)ではなく、4両編成の鉄道の車両でした。はじめて見る光景に、おもわず写真を撮ってしまいました。
さて、気を取り直して東海道を進みます。路面電車が右へそれる辺りに、本陣跡がありました(写真右)。

明治のトンネル〜蝉丸神社下社
本陣跡を過ぎると、次第に山が迫ってきます。坂道となり、次第に登っていきます。この坂こそが逢坂で、大津宿から京都へ向かう最後の難所と言われています。やがて、東海道線を越えますが、右側を見てみましょう。明治時代のトンネルが現役です(写真左)。トンネルの上は京阪電車が走っています。また、トンネルの手前、京阪電車を越えたところに、蝉丸神社下社があります(写真右)。桜が咲いていて、なかなかのものでした。

逢坂の碑・トンネル跡
坂の途中には、「逢坂」と書かれた石碑がありました。写真には写っていませんが、桜が満開で綺麗でした。
京阪京津線の踏切を越えると、国道1号線に合流しますが、この合流地点が危険です。横断歩道はあるものの、車側に信号がないのです。交通量が多いので要注意。また、この近くにおもしろいものがありました。逢坂隧道跡、つまり、トンネル跡です(写真右)。なんのトンネルだったのでしょうか。

逢坂〜蝉丸神社上社
左に京阪京津線の線路、右に国道1号線。東海道は線路と車道の間の歩道となります。雨でけむる逢坂。しばらくすると、前方にアーチ橋が見えてきます(写真左)。名神高速道路のアーチ橋です。アーチ橋を越えてさらに坂道を上っていくと、右側に赤い鳥居と石段が見えます。これは、蝉丸神社上社です(写真右)。

逢坂山関所跡
東海道は、逢坂山を回り込むように登っていきます。国道1号線でもあるためか、交通量はかなり多いものの、歩道が整備さえているので、中途半端に交通量のある旧道よりは安全に歩けます。やがて、峠の頂上と思われるところに着くと、右側に逢坂山の関所跡に関する石碑がありました(写真左)。

また、東海道は、一旦ここで右に分岐します(写真右)。

蝉丸神社分社
右に分岐した旧道は、すぐに終わってしまいます。ただ、短い区間の割には、おもしろいところでもあります。立派な桜の咲く料亭、石碑などがあるだけでなく、蝉丸神社の分社(写真左)もありました。
京阪京津線の大谷駅を過ぎると、国道1号線に合流します。ただ、歩道は国道を挟んだ対岸にしかないので、歩道橋を利用して国道を越えます。左を見ると、満開の桜がありました。上から見る桜もおもしろいものです(写真右)。

月心寺〜旧道分岐
国道をしばらく歩くと、左側に月心寺がありました。まるで料亭のような入り口ですが、お寺です。この寺の境内には、その昔、旅人が逢坂越で喉を潤した名水「走井」が、今でも湧き出ているそうです。
退屈な国道歩きを続けていると、やがて東海道は左に分岐します(写真右)。

桜の花と市境
それまでの騒音が嘘のように静かな旧道。ところどころに咲くソメイヨシノの花。いつしか雨も上がり、曇空にピンク色の桜の花が映えていました。一つ一つの花は小さくても、沢山の花が咲くと、本当にピンク色になるんですね。春の息吹を感じながら歩を進めると、やがて京都市と大津市の境がありました。境に建つ家のおばーちゃんが「もう少しずれていれば京都市だったのに。大津市と京都市じゃ、京都市の方がイメージがいいのにね」と言っていたのが印象的です。



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