比企丘陵で秋を楽しむ

(2000/11/26、埼玉県比企郡都幾川村)


埼玉県比企郡都幾川村はミカンの産地という。実りの秋、例年は近場の神奈川県中部へ柿もぎを兼ねた丘陵ハイキングに家族で出かけていたが、ことしはミカンとしよう。

ミカン農園が主にあるのは大附集落。あらかじめ都幾川村役場から郵送してもらったミカン農園地図を手にハンドルを北に向けた。成るほど、山の南斜面にひろがるオレンジ色。が、ミカン狩りより先、お父さんは少し楽しませてもらおう。大附集落は弓立山の山麓にある。となればどんな山かは知らぬが取り急ぎは山頂まで行かないと気がすまない。山頂に達すれば50MH運用だ。標高は427mとある。

(いつしか子供達も大きくきくなってしまった。
そういえば自分も立派な中年だもんなぁ・・。)

山頂直下まで車道があるので車で詰めてしまう。二人の娘と家内もまずはこの山頂からの「儀式」が終わらないとミカン狩りも出来ないと観念しているようでおとなしくついて来る。子供達が先を行く。揺れる二つのザックを見ながらずいぶんと大きくなった二人と、気づけばもう名実ともに中年となってしまった自分と家内を改めて感じてしまう・・。まぁそれも喜びなのだが。

ひんやりとした登山道をのんびりと歩いて15分くらいだろうか。杉林に囲まれた、薄暗くまったくつまらない山頂で、こんなところに無線とはいえ多少長居するのは家族にはたまらんことだろう。

いつもどおりの自作のトランシーバーで50MHz運用。CQを出すが全く呼ばれない。ようやくJR1NNL・後藤さんが見つけてくれて、こちらもほっとして笑みがもれた。「えー、もしかして家族を待たせて独りで無線してんでしょう、しょーがないなぁ?!」とバレバレだ・・。後藤さんの話では電波が急に強くなった言う。ロケが悪いのか、アンテナか同軸ケーブルの接触が悪いのだろうか。5局交信がやっと。ストーブで暖かいラーメンを作り家族で分けてそそくさと下山する。

しかし冴えない山だったなぁ・・。

さて本命、ミカン狩り。山麓には何軒ものミカン農園があり迷う。ここぞと決めて入る。一人500円のミカン農園は、なかなか甘いミカンが見つからず思ったより時間がかかってしまう。ミカン以外に柚子やカボス、檸檬などもある。最初は面白がっていた子供達もじきに飽きてしまい、結局しぶとく甘いミカンを求めて粘ったのは入園料のもとをとるべく血眼になった家内一人であった。さすが、主婦・・・。しかし暖かな日差しを浴びた斜面に広がる緑とオレンジ色の風景はなかなかのどかで素晴らしい。情けない話だがかくいう自分もその眺めだけで満足してしまった。

気づけば日も傾き始めており、もう引き上げますか・・。

一日の仕上げに都幾川村の隣は越生町の温泉施設「ゆうぱーくおごせ」に立ち寄る。大人一人1200円強は高いが、男女別に分かれた従来の浴室以外に、貸し出してくれる水着を着て男女共用の薬湯やサウナ、ジェットバス、打たせ湯などが楽しめる。温まりすぎて手の指先が皺くちゃになってしまった。湯上りに瓶入りの地ビールを飲み大広間で横になるともう言うことは何も無い。スーッと眠りに落ちて家内と子供達に揺り動かされるまで目がさめなかった・・。

家族ともども比企で遊んだ晩秋の一日であった。


アマチュア無線運用の記録

弓立山 427m
埼玉県比企郡都幾川村
50MHzSSB運用、5局運用、最長距離:茨城県西茨城郡
自作SSB/CWトランシーバ(出力4W)+釣竿デルタループ
杉の木立に囲まれた全く冴えない山頂。もしこの山だけが目的であればかなりがっかりすることだろう請け合いだろう。

Copyright : 7M3LKF,Y.Zushi 2000/11/26


(戻る) (ホーム)