初参加者の縦走体験記

   ゴーストさん    しんさん    かぎろひさん    くみさん    ぐりーんさん

上記の方々の名前をクリックすると、その場所に直接移動します)

ゴーストさん
はじめに
六甲縦走、、、この名前をはじめて知ったのはを初めて知ったのは5年前。当時、六甲山を歩いているときにそういうとてつもない距離を歩くコースがあると、登山者の人から聞いた。
その頃は摩耶山に登るだけでも精一杯だった私には夢
のような話だったが、いつかは、、とずっと思い続けていた。

今年に
入り、やっと自分の時間を持てるようになり、ジムに通いはじめて何か目標を持ってやりたいなぁと思っていたところ、まず浮かんだのが六甲全縦への挑戦であり、調べはじめたのだが、そこで出会ったのが囲炉裏であった。
 何か楽しそうだなぁと思って、8月の例会に初参加させていただいて、心は決まった。
囲炉裏で参加しようと。実は7月に2回、六甲全山縦走を完走したのだが、どうしても囲炉裏のページに載っている完走の記念の盾がほしくなり、
大会に参加することを決めた。

当日の朝
朝2時30分には目が覚めた。昨夜は国道の車の音、JRの電車の音、いびきの三重苦であったが、すっきりとした目覚め。
自分で持ってきておいたイチゴ入りのヨーグルトとみかんの缶詰を食べ、さらにサポート隊に用意していただいたうどんをかきこむ。

空模様は曇り。天気予報では昼から雨が降るようだ。それにしても暖かい朝だ。高度計、温度計が一体になっている時計を持っているらんな〜さんに気温を聞くと23℃とのこと。道理で、、。 服装をどうしようか、悩む。前日までは半そでポロシャツに長袖のウィンドブレーカーを着て、寒くなればカッパを着込むつもりであったが、この気温なら、と半そでのポロシャツでスタートし、寒くなればカッパを着込むこととし、荷物を少しでも軽くしたいのでウィンドブレーカーは置いていこうと決める。

スタートの待ち時間
朝4時過ぎには列に並ぶが、すでに長蛇の列。 最後尾に並ぶ。 聞くと、囲炉裏の皆さんが過去、参加してきた縦走大会の中でも一番後ろの方ということらしい。何時に出発できるのだろうか、、。
とりあえず、待ち時間の間、ふくらはぎとアキレス腱のストレッチを時間をかけて入念に行う。
毎日の日課であった10km以上の走りこみもここ2日、やめておいたせいか、足に適度な張りがあるものの、調子は良いようだ。
待ち時間の間、囲炉裏から参加されるkayoさんが参加賞に写真を貼るのを忘れたことに気付く。かなりあせっておられたみたいだが、とりあえず、無事に参加は認められたようだ、、。よかった。
来年以降 参加される皆さんも気をつけてください。
いよいよスタート
そうこうしているうちに列が動きだす。今年からチェックの方法が変わったのか、以外に早く5時10分、最初のチェックポイント、須磨浦公園の通過だ。この後、囲炉裏の参加者全員で写真撮影を行い、5時15分、いよいよ出発だ。
 出発する前から考えていたのは須磨アルプスでの渋滞の影響を極力、避けるためにもできるだけ前の方に行くということだった。 
そして、そのまま飛ばして行って摩耶のチェックポイントには11時30分には到着したいと考えていた。
2週間前のコース下見で須磨浦から掬星台まで6時間で歩けていたので、渋滞を考えてもなんとか到着できるのではと思っていた。
というわけで、写真撮影が終わると一目散に人の流れの中に飛び込む。
まずは、鉢伏山への登り階段。あたりはまだ夜の闇の中を人の列がぞくぞくと階段を上っていく。その人の波を縫うように階段を上っていく。
やがて階段は終わり鉢伏山頂を巻いて伸びる山道に入っていく。この区間で30人は抜いただろうか。 10分ぐらいの登りだが、すでにシャツは汗でびっしょりである。しかし、足の調子はよく、心拍数も上がっていない。調子は良いようだ。これは一気にいけるかも。

山道を抜けて旗振山に到着。そのまま立ち止らず、ひたすら高倉台の団地を目指して、飛ばす。ここでも人波を縫うように飛ばして歩いていて、ふと後ろを見ると、そこにはらんな〜さんの姿が。らんな〜さんもさすがに噂に違わぬ俊足ぶり。いつの間にか追いつかれたようだ。 らんな〜さんに「お先にどうぞ」と一声かけると、一気に抜き去られ、そのまま姿が見えなくなった、、。ついていこうと思っていたが、置いていかれてしまった、、。ポリポリ、、。
 高倉台の住宅地に到着し、住宅地を通り抜け、いよいよ栂尾山への300段に及ぶ階段に差しかかかる。
ここまでの区間でもかなりの人数を追い越してきたせいで先頭グループに近いところまできたのだろうか、渋滞すると思っていた階段だが、渋滞するどころか、むしろ前の人に置いていかれそうになる。さすがにここまで来ると、みなさん速い。本当は渋滞にかこつけてゆっくり上っていこうと思っていたのだが、算段が狂ってしまった、、。
 それでも何とか階段を登りきり、栂尾山の山頂へ。ここでは10人を越える人が一息、ついていたが、心拍数はそうあがっていない。このまま須磨アルプスへ向けて素通りする。
 須磨アルプスへ向けて歩いていると、後ろから「見慣れた人がいる!」との声が、、。後ろを振り向くとそこにはしんさんだ。しんさんも俊足!本番前の練習会でも競った間柄だ。ここからはしんさんと一緒に歩いていくことになる。
 やがて、花崗岩がむき出しの須磨アルプスに入った。ここでは多かれ少なかれ、渋滞に巻き込まれると思っていたが、人の流れが順調、むしろ早いペースで続々と馬の背に向けて下っていく。朝日こそ雲に隠れて見えないが、あたりはすっかり明るくなりヘッデンをはずして下っていたときだった、、。
 「グギッ!」という感覚とともに右足首に走る激痛。やってしまった、、。全体重を右足首にかけた状態で足を思いっきりひねってしまった。 思わず『痛っ』と声が出る。
 「大丈夫?」というしんさんの声。とっさに「大丈夫」と返事したものの、下りの階段を一歩、下りてみる。やはり、痛みが走る。リタイアという文字が頭の中に横切るが、しかし、リタイアするにしろ横尾団地まで行くしかない。ここは行くしかないと腹をくくり歩き出す。 下りの階段ではやはり痛みが走るが、極力、右足には体重をかけないように階段を下りていく。馬の背を越えて東山の登りにかかるが幸いにも登りでは足が痛まない。 横尾団地への下りにかかる。やはり下りでは痛みが走るがしかし、先ほどよりも痛みはひいているようだ。こうなれば行けるところまで行ってやると腹が決まる。
 このまま妙法寺を通過。(通過時間は6:52) 後で知ったがスタートからここまで、1時間37分。かなり早い。
次のピーク、高取山を越え、鵯越に向けて下っていく。ここまで一緒に歩いていたしんさんが下りで飛ばす、飛ばす。 痛みが走る足で遅れながらも何とかしんさんについていく。この区間でもぞくぞくと人を抜いて言った。
丸山の住宅街に入ってもペースを落とさず、歩いていると見覚えののある後姿が視線に入る。らんな〜さんだ。追いついた。ここから、東六甲の分岐までこの3人で進んでいくことになる。住宅街、ヒヨドリ越え駅をノンストップで通過。第一の難所、菊水山への登りに向かう。

 鵯越の駅を過ぎて、烏原に向かう途中にポツッと雨が、、。ついに来たか、、。しかしこのまま降るのかと思われたが、ここは何とかもってくれたようだ。
 菊水山の取りつきに到着し、『菊水山まで900m』の看板を過ぎるといよいよ菊水山への直登が始まった。
前を歩く男性に追いつき、その人に付いていく。ちょうどいいペースだ。このまま、頂上までノンストップで一気に登った。
しかし、いつ登ってもきついところだ。
頂上につくと、ベンチに見慣れた人がすわっている。アウタースキーさんだ。
応援のために、わざわざ菊水山の山頂まで、しかもまだ9時になってもいないのに、朝早くから応援のためにに来ていただいていたのだ。
アウタースキーさんにはつい、嘯いてしまったが、本当に心強い。囲炉裏の皆さんは、本当に暖かいな〜。
とりあえず、第一チェックポイントの通過処理をしてから本日、初めての小休止。VAAMゼリーを飲んでこれからの下り、のぼりに備える。 5分ほど休憩して出発するときに、アウタースキーさんから『トップの通過は10分前』と聞く。そうか、。時間を気にしていなかったが、菊水山には8時40分に到着、つまりチェックポイントが開いてから10分後に到着していたのだ。ここまでくれば、この先、渋滞にかかることはないだろう。
 菊水山の下りにかかるが、しんさん、らんな〜さんがストックを駆使して飛ぶように降りていく。とてもじゃないが、この急な下りで、この2人にはついていけない。無理をして追っかけていって、また足でもくじいたら、今度こそリタイアだ。ここは2人について行かず、自分のペースで慎重に降りていくことにする。 2人はみるみるうちに、スピードをあげ、すぐに姿が見えなくなった。
 何とか菊水山を下って、有馬街道にかかる吊り橋を超えて、鍋蓋山の登りにかかる。鍋蓋山への登りの取り付きから上を見上げるが、すでにふたりの姿は見えない。しかし、足の痛みはかなり引いているし、ここは得意の登り!! ぐいぐい、ペースをあげて登っていくと、らんな〜さんの姿が見えた。さらにスピードを上げて登っていき、階段を過ぎて中腹の鉄塔を過ぎるころにはらんな〜さんに追いついた。 しかし、しんさんの姿ははるか上に。かなりのペースで登っているようだ。 このままらんな〜さんと登っていき、鍋蓋山に到着。到着時間は9時10分になっていない。菊水山からは25分でついたことになる。我ながら凄いペースだなぁ〜。
  頂上で小休止を取っていたしんさんと合流してまた三人で先を進む。しかし、ここから大龍寺に下っていく道でもおふたりに完全に置いていかれる。
 大龍寺に到着したのは9時40分にまだなっていない時間だった。 そう遅くないペースのはずだが、2人のペースは凄すぎ、、。

大龍寺ではサポート隊の皆さんが飲み物を用意して待っていてくれた。頂いたオレンジジュースがおいしい。それ以上にサポート隊の皆さんの気持ちが心に沁みる、、。次のチェックポイントの掬星台のチェックポイントが開く時間(12時)を考えても、ここは急ぐ必要はないし、ついゆっくりしていきたいと思うが、サポート隊の助役さんの『休みすぎると体が冷えるよ』とのアドバイスにも押されて、先に到着していたしんさんとらんな〜さんと再び歩き出すことにする。
それにしても大龍寺ではもっと人が一杯いて、にぎやかというイメージがあったが、ほとんど人もおらず、また人の通りもほとんどない。かなり先頭に近いところにいるのか、、。

 まもなく、市が原に到着。ここで雨がザァーッと降り出した。急いでカッパを羽織る。カッパを着ていると、後ろから見慣れた顔が、、。Hioさんだ。この方も囲炉裏の中で毎回、トップグループでゴールされるベテランだ。 『お先に』と一声かけられて、そのまま摩耶山の登りへと消えていかれた。
 三人とも身支度を終えて、摩耶山に向けて出発。時間を見るとまだ10時になっていない。ここは急いでも仕方がないと他の2人に声を掛ける。ゆっくり登りましょうと声をかけたが、しんさんが燃えていた、、。とにかく摩耶山まで飛ばすと心に決めておられるようで、ここでもまた、しんさんが飛ばしていく。また、それに続くらんな〜さん、、。置いていかれてしまった、、。
 ゆっくりとしたペースで稲妻坂をのぼっていくと、途中で道の端に腰をおろして、おにぎりをおいしそうにほお張るHioさんの姿が、、、。その姿がなんともカワイイ!! お茶目な人だ(笑)
Hioさんに挨拶をして、先を急ぐ。 学校林道との出会いを過ぎて、アップダウンの尾根道に入ると、雨はひどくないが、強風が尾根道を吹き付ける。 しかも、気温がかなり下がってきているようだ。
 途中、ボランティアの方に『19番! 頑張れ!』と声を掛けてもらう。 ん? 19番?着ている服にそんなこと書いてないぞ、、。何のことだ?と思って『19番って?』と尋ねると『先頭から19番目の通過ですよ』とのこと。
いつのまにかそんな前に来ていたのか、、。ここまではゆっくり登ってきたが、19番目と言われると、あと10人抜くと一桁だとおもってしまうのが人情!(←えっ、おまえだけだ!っていう、ツッコミはなしで、、)というか、単に単純なだけだが、、。ポリポリ、、、。
こうなれば、いけるところまで行ってやるの気持ちで、もうチェックポイントが開く時間のことは考えず、自分のペースで飛ばすことにした。天狗道の登りでらんな〜さんを捉える。さすがのらんな〜さんも飛ばしすぎかかなりきつそうだ。本人いわく『シャリばて』とのこと。 このままらんな〜さんを抜き去り、先を急ぐ。
何回かピークを過ぎて反射板を通過し、ベンチのあるピークを過ぎれば、階段がはじまる。ここまではくれば、もうあと少し。 途中、何人かを追い抜くが、しんさんの姿が見えない。結局、このまましんさんには追い付かず、掬星台に10時50分すぎに到着。しかし、当然のことながらチェックポイントは開いておらず、この後、1時間以上の待ち時間に入ることに。
 頂上ではボランティアの方が、掬星台にあるあずま屋に到着した順番に並ぶように誘導されており、その列に並ぶ。私の並んだ一つ前にしんさんのリュックがおいてあった。おいてあるリュックの数を見るとどうやら、10番目ぐらいにはついたようだ。リュックを置いて、うろうろ辺りを見回しているとサポート隊長のてるさんが声をかけてくれた。サポート隊の皆さんがおられるところに移動して、ホッと一息つく。しっかし、それにしても、、、。

                 寒い!! しかも、凄い強風だ!!

ここまでずっと歩いていて、体がぬくもっていたせいで気が付かなかったが、止まった途端に一気に体が冷えるのがわかる。 しかも、ここまで気温が高かったせいか、たっぷり汗をかいていたため、急激に体が冷える。かっぱの上下を着なおして、手袋もするが、それでも体の震えが止まらない。体感温度は明らかに10度以下だ。
 しかし、そんな中でもサポート隊の皆さんが作ってくれたぜんざいとホットレモンを頂く。うーん、本当においしい。しかも、体が温まる。本当に頭が上がらない、、。またまた、感謝の気持ちでいっぱいになる、、。
 持ってきたお饅頭と最中で腹ごしらえをして、寒くて震えて待っている間、ボランティアの方とお話をする。
いわく『ごめんなさいねー、本当は早くチェックポイントを通過させてあげたいんだけど、、。こんな寒い中、待ってもらって、、。』 『いえ、いえ、こちらこそ、こんな寒い中、チェックポイントの準備をして頂いて、、。本当にありがとうございます。』と会話を交わす。本心からそう思っていた。それはサポート隊の皆さんにも同じ気持ちであった。本当にこの寒い中、ありがとうございます!!
 このあと、別のボランティアの方から、摩耶ケーブルの駅の中が暖かいよ、と親切に教えていただき、そちらに避難。
それにしても、本当にボランティアの方々にも感謝、感激である。この方たちがおられなかったら、大会は開けないのだから、、。
結局、チェックポイントが開く12時の10分前にはケーブル駅を出て、列に並びなおそうとすると、すでに列は動いていた。また、ここで待っている人たちの列もあずま屋からはみだして、掬星台の広場の外までつながっている。見た感じ、100人以上の方が待っておられるようだ。
 囲炉裏の参加者もこの待ち時間の間に続々と到着していた。 私たち三人の他に、Hioさん、TAYAさん、ごましおさん、、。皆さん、健脚の持ち主だ。ごましおさんは昨夜の須磨浦での宴会で飲んだお酒が残っており、調子はよくないようだ。それにしてもごましおさんが『ここで待ちをしている人たちは予想通りの面々だね』と言った一言に妙に殺気だったものを感じたのは私だけだったのだろうか? ちなみにごましおさんは昨年、初参加ながら3時半に宝塚に到着された方だ、、。これまた、超俊足、、。

 そうこうしているうちに、チェックポイントでの受付が始まった。ここから、宝塚のゴールまで後半のスタートだ。
前半と同じようにしんさん、らんな〜さんとともに三人で歩きはじめる。1時間も休んでいたせいか、足もかなり張りがとれて、いい感じだ。オテル・ド・摩耶の前を抜けてアゴニー坂の下りにかかるが、ここも例にもれず、しんさん、らんな〜さんに置いていかれそうになる、、。
 坂が終わりアスファルトの車道沿いに入って何とか前の2人に追いつく。自然の家を過ぎたところから最後の難関、サウスロードの階段の登りに入るが、ここでもしんさん、速い、速い。あっと言う間に置いていかれる。 その姿を見てらんな〜さんと2人で『しんさん、最後までもたないんじゃないかな〜』と話をしていたのが、結果的に最後に実現してしまったのだが、、。(しんさん、ごめんなさい。)
 相当速いペースでサウスロードの階段を駆け上がり、三国池の手前から車道沿いの道に入ると、今度はらんな〜さんが飛ばす。シャリばてをしていたはずが、掬星台での待ち時間の間に十分なエネルギー補給と休養をとって蘇ったようだ。なんとか、ついていっていたが、しかし、それ以上に今度は周りのペースが速い。 前半の登りで追い抜いていった人たちに後半はどんどん追い抜かれていく。こちらも相当、速いペースのはずなのだが、、。 ここまできて気付いたのだが、ハイキング、山登りという服装の人の中に、明らかにランナースタイルの服装の方が目立つ。 人によってはリュックも背負っていない人がいる。
 この人たちは平坦と下りの多い後半を一気に駆け抜けていくつもりの人たちなのだろうか、、。
丁字ヶ辻、記念碑台、ゴルフ場、ガーデンプレイスと順調に進んでいく。途中、2箇所で車で移動中のサポート隊の皆さんに出会い、大きな声援を頂く。 こちらも体全体でその応援に答える。 何度も言うようだが、本当に皆さんの応援が暖かい。

何とからんな〜さんについて行き、一軒茶屋に到着。
ここで小休止。トイレをすませて、残っていたVAAMゼリーでエネルギー補給を行ったが、これがこれから先の宝塚までの区間で効いた!!

一軒茶屋を出発し、東六甲分岐のチェックポイントに向かうが、この区間で今まで以上にらんな〜さんが飛ばす。
それにしても、速い、、。おふたりはストックを使っていたが、こっちはストックなど持っていない。その差なのかな〜と考えながら、時には小走りになりながら、何とかついて行った。
やがて、東六甲分岐のチェックポイントに到着。時間は13時50分。 すでに20人ぐらいの人たちが列を作って並んでいた。
しかし、掬星台からは2時間かかっていない。なんて速いペースだ、、、。
 ここでのチェックポイントが開く10分の間に続々とチェックポイント待ちの列が伸びていく。その中にはTAYAさん、ごましおさん、Hioさんの姿も。 御三人の我々グループの三人を見る眼の鋭さにおびえたのは私だけではなかっただろう、、。
 チェックポイントを待つ間、すぐ後ろにならんだ女性の方とお話をする。 5人の女性グループで参加したのだが、他の4人がついてこれなかったとのこと。そりゃそうでしょう、むちゃくちゃ早いペースですもん。ちなみに私が見る限り、この順番待ちをしている列で女性はこの方、ひとりだったような、、。
 その女性からチョコレートをいただいた。おいしい! 有り難いなぁ〜。 山を歩いているとこんな風に初対面の人とも気軽にお話できるのも楽しみのひとつですよね!?

 やがて、チェックポイントが開いていよいよゴールの宝塚に向けての区間のスタート。チェックポイントを過ぎると同時にらんな〜さん、しんさんはより一層スピードを上げて行く。ここまでの区間でもかなり飛ばしてきたこともあり、もう限界、ここはわが道を行こうと決めて、マイペースで行くことにした。 すると、前の2人はみるみるうちに小さくなり、東六甲分岐点が視界に入るころにお二人の姿は全く見えなくなった。この時点ではゴールするまでおふたりの姿を見ることはもうないだろうと思っていたのだが、、。

 東六甲分岐点から山道に入った途端、すぐに後ろから凄いプレッシャーを感じることになった。先を急ぐ人たちがぴったりとついてきて、また、その列が長くなっていた。 しかし、私以上にそのプレッシャーを感じていたのが、私のすぐ前を歩く、先ほど、チェックポイント待ちの列で言葉を交わした女性だったようだ。ついに耐えきれなくなったようで『お先にどうぞ』と道を譲られた。
 ここで、少し悩んだ、、。このままこちら後ろの人たちに道を譲るか、それとも、行くだけ行ってみるか、、。幸い、VAAMが効いたのかチェックポイントからここまでの道すがら、かなり元気が戻ってきているような気がしたので、とりあえず行けるところまで行ってみるかと思い、飛ばすことにした。
 そうと決まれば、一気に飛ばすのが私の信条!! ここから下りを利用して一気に飛ばす、、というか走る、、。ポリポリ、、。
どんどんスピードをあげ、飛ばしていく。心拍数もあがらないし、足も軽い。よし、これは行けそうだ。
先行するグループに追いつくと、皆さん、心よく道を譲ってくれる。有り難い。
途中、ものすごい勢いですれすれで走り抜けていく方もいたが、、、。
 船坂峠への急な下りも一気に駆け抜け、船坂峠を過ぎたころ、それまで後ろをぴったりとつけてきていた初老の男性の方もついについて来れなくなったみたいだ。『兄ちゃん、健脚だなぁ。ついていけない』と言われた一言が妙に嬉しかった。
このまま、下りと平坦なところは走り、登りは早歩きというペースで進んでいき、大平山の舗装路に出たころ、前に見慣れた姿が、。しんさんだ。
この舗装路もここまで来た勢いのままに一気に走りだして、また山道に入るまでの舗装路でしんさんを捉えた。
しんさんに『らんな〜さんは?』と聞くと、かなり前にしんさんを置いて飛ばしていったようだ。『舗装路では走らない』というしんさんを追い抜いて、先に進んでいるらんな〜さんを追いかけることにした。

舗装路から山道に入り大谷乗越を目指す。ここはずっと下りの区間。いいペースで走りぬけていると思っていると、大谷乗越の手前で凄いスピードで後ろから近づいてくる人がいる。後ろを振るかえるとしんさんだ。 やはり、下りは速いなぁ〜、、と思っていると、そのすぐ後ろにもうひとり。よく見ると、ごましおさんだ! しんさん、よりによってごましおさんを引き連れてくるとは、、、。(と、いうかごましおさんがしんさんを煽ったのかな?(笑))
 結局、追いつかれてピッタリ後ろにつかれた。『お先にいかれるならどうぞ』と道を譲ろうとしたが、ごましおさんが『バテた!ここまで来たら3時台にはゴールに入れるだろう』と一言。この一言で心の中で燃え上がっていた炎にさらに油を注がれてしまった(笑)
らんな〜さんを追うことだけを考えて時間のことは全く気にしていなかったが、3時台で到着できるかも!?と思うとこりゃ、いけいけどんどんだ。こうなればとことん飛ばして行こうと心に決めた。
実は大会前の練習会でらんな〜さんと『4時ゴールがいいところだろう。3時台でゴールできるなんておかしいよね〜』と話をしていた。また、過去、実際に何回か最高峰から宝塚の道を歩いていた経験からも3時台ゴールは無理だろうと思っていた。しかし、そんな話をしていた2人が今、現実に3時台でゴールできるようなペースで進んでいるとは、、。

大谷乗越への急な下りを降りて、車道を横切り、岩倉山へとつながる山道に入るとしばらくゆるい登りがつづく。この登りを早足で進み、下りで走り出すと、しんさん、ごましおさんとの距離がだんだん離れて行く。『らんな〜さんを追います!』と一声かけて下りを一気に走り出すとふたりの姿は見えなくなった。

こうなれば前を行くらんな〜さんを追うのみ。途中、縦走の参加者を追い抜いていくとともに、多分11/23の縦走大会の参加者で下見に来られているらしい方々から次々に『何時に須磨浦出たの?』『速いなぁ〜、頑張れ!!』という声をかけて貰って気持ちよく道を譲っていただいた。こんなに応援されると嬉しくなって、なおさら飛ばしてしまう。

 ゆずり葉台への分岐を過ぎ、最後の登り返しを登るとあとは、岩倉山の山頂を巻く平坦な道とゴールまでの下りのみ。
ここからはノンストップで走りきる覚悟だ。しかし、かなりのペースで飛ばしているはずだが、らんな〜さんの姿が見えない。らんな〜さんも相当、飛ばしているようだ。
 このまま走リ続けていると、階段の道になり、ついに塩尾寺が見えた。しかし、らんな〜さんの姿が見えない今はここで止まっている余裕はない。塩尾寺に出て、山道から舗装路になったところで、ついに見えた!! らんな〜さんだ。距離にして100mぐらいか、、。しかし、らんな〜さんも走っている、、。
 ただ、明らかにペースはこちらの方が上。一気に追い抜いてそのままゴールまで走りきってやろう。

らんな〜さんに気付かれないように(笑)近づいて、そしてついに上水道の貯水タンクが見えてくるころ、らんな〜さんを捉えた。『お先に〜』と一声かけて、一気に抜き去った。 らんな〜さんは驚いた表情をしていたが、一転、スピードをあげて追ってくる。
 しかし、距離は縮まらず、こちらもまだまだ余裕があったので、さらにスピードを上げて進む。途中、塩尾寺休憩所のところに出てくる階段を降りて、そのままアスファルト道に入ったところでさらにスピードアップし、スパートに入った。後ろを振りかえると、もうらんな〜さんの姿が見えない。 こうなればひたすらゴールを目指すのみだ。

しかし、それは突然、起ったのである、、。 甲子園大学を過ぎて塩谷川との出会いに差しかかったときである。
なんと、川沿いの道から見た人が降りてきた、、。らんな〜さんだ、、、。絶句、、。はい、一気にモチベーションが落ちちゃいました(笑) 
どうやら、もうひとつショートカットできる道があったようだ、、。らんな〜さんはそこを通ってきたようだ、、。
こうなれば、仕方ない。気を取り直して、このまま走リ続けて、らんな〜さんと一緒に1分でも早くゴールしようと切り替える。

そして、走りつづけて、ついに見えた!蓬莱橋だ! ゴールだ!
ゴールの公園ではすでに先着された方が列を作って待っておられた。らんな〜さんとその列に並んだあと、前から順番を数えてみると、ちょうど10番目のゴールのようだ。
とりあえず、ホッとして、その場に座り込んだ。 うん? ちょっと待てよ、、何か忘れていないかと思っていると、、そうだ! 到着時間をチェックしないと、と気付き、慌ててらんな〜さんに時間を聞いてみるとPM3:33。
信じられない、、、。 こんなに早くゴールできるとは、、。 すぐに嬉しさと充実感がこみ上げてきた。

完走記念の楯と賞状を頂いて、ゴールで待っていてくれていたサポート隊の皆さんが用意
してくれた宴会に参加させてもらった。
この後、7時台で囲炉裏から参加された23名の参加者は全員、完走を果たした。
その人たちをゴールで待っている間も本当に幸せな気持ちにつつまれていた。
 
サポート隊の皆さん、本当にありがとうございました!!


ちなみに須磨アルプスでひねった足首は次の日から大きく腫れて、2,3日は大変でした(笑)


しんさん

<出発前>

季節はずれの蚊が飛び回る寝苦しさに耐えかね午前2時半にテントを抜け出した。

駅前の自動販売機で熱いお茶を買ってすすると昨夜の宴会酒が抜けていく感じ。2本目を買いに行く頃ゴーストさんも起きてきた。サポート隊のkazさんと声を出さず挨拶。 サポート隊が2人3人と起きてお湯を湧かし始めるのを見つつ用意した朝飯の巻き寿司を頬張る。やがて助役が登場し急に賑やかになる(^^

3時15分全員起床。助役が歌いながら順番にテントを揺すって歩いている。

 

4時過ぎ。スタートチェックの列に並ぶ。幸い気温が高く夜明けの寒さはない。立っていると疲れるので地べたに座り込む。がすぐに立ち上がり足の柔軟運動。その繰り返し。やはり落ち着かない。周りの人たちと色々会話を交わしたが何を話してたか全く記憶がない。やがて列が動き出した。チェックを終え囲炉裏メンバーは集まって全員写真を撮る。

 

<スタート〜高取神社>

5:15。スタートと同時に集団の中からすごい勢いで誰かが飛び出した。反射的に後に続く。予想通りゴーストさんだ。ふと見るとらんな〜さんもピタリ。さらにkayoさんも加わり須磨浦公園の階段を人混みをかき分けかなりのハイペースで進む。

 今回この六甲山全山縦走にあたって目標は「とにかくヘロヘロになってゴール」。さらに、前半ピークの摩耶山までで一度フルパワーを出し切って歩くというのが当面のテーマ。そのためには誰か早いヒトにくっついて歩こうと思ってもくろんでいたのだが。。。

あろうことかゴーストさん・らんな〜さんにスタート僅か10分でちぎられ姿を見失う。既にkayoさんは後方。暗い中いきなり独りぼっちかよーと少しヘコむ。

まあいい。ならば今日一日は久しぶりの単独行だと気を取り直して薄暗い住宅地をがしがし進む。高倉台の階段は予想通りの渋滞。急かさず急がすのペースで登る。まだ元気なので休憩はせず先を進む。

「おやぁ?」見覚えのある茶色のTシャツの後ろ姿。ゴーストさんだ♪もう出会わないかと諦めていたが意外。心強く思い一緒に進む。横尾山あたりでだいぶ明るくなったのでヘッドランプを消しザックにしまった。須磨アルプスあたりでは毎年ご来光が映えると聞いていたがあいにくの天候で住宅地にはガスがこもりどよ〜んとして、降らないだけありがたく思えと言わんばかり。まあおかげでか暑くもなく寒くもなく、半袖Tシャツに風が快い。

妙法寺で初めての休憩。とはいってもトイレに行って靴紐を締め直しただけ。交差点で信号待ちの間を利用しサポート隊長のてるさんに現在地をメール連絡。折り返しで激励の返信がきてちょっとウレシくなる。

 ゴーストさんは前もって聞いてはいたが全く休もうとしない。やむをえずちょっと渋滞した時にザックから素早くウィダーinゼリーを取り出し口に含む。そんなこんなで高取神社までを実に快調に通過しさらに進む。登りはゴーストさん下りは僕が先行するペースができてきた。高取では頂上の茶店でバナナを1本50円で売っていたがそのあとちょっと下ったところでは20円。エラいデフレ価格!

<菊水山近辺>

「あれ、らんな〜さんじゃない?」「いやー、どうかな?!」「やっぱそうですよ♪」

鵯越駅に向かう住宅地の中、囲炉裏グループ中トップを行くらんな〜さんを捉える。

ここから東六甲まで、大爆走の3人道中が始まる。再びてるさんにメールを入れる。

掬星台組の応援団、なっちゃんが道を間違ってどこか山中をさまよっているらしい。サスガ今日もやってくれまんなあ!べそ顔を勝手に想像してひとしきり笑い、疲れがほぐれる。

道連れのいる道中はやはり気が紛れていい。らんな〜さんゴーストさんと会話を交わしつついよいよ菊水山へ。周囲はもう人もまばら。少し雨が降り出したようだが大したこともない。保ってくれー。 難所の階段も練習会を含め3回目。だいぶ足が慣れている。

8:40菊水山チェックポイント到達。「よっ!」「へ?!」・・・。アウタースキーさんだ。。。。何してはんの?

予想もしない応援、うれしい不意打ち。聞けば車を停めて山道を登ってこられたという。朝も早いのにと頭が下がる思い。じーんとする。

何人かに現在地メールを発信。折り返しみるくさんからは菊水山駅あたりとTEL。早っ。

<〜掬星台>

2人は相変わらず殆ど休もうとしない。ならばと鍋蓋山までは僕が先頭になり一気に飛ばす。が山頂で1分も休むと追いつかれる。大龍寺では絶対休もうよ、ねー?!

ここから市が原まで下りが続く。苦手のアスファルトの下りに備えWストックを取り出し大龍寺までまた一気。確かここにはSUMIEさんとKazさんが待ってくれているはず、、、

と思ったら助役以下サポート隊の大半が大勢で迎えてくれてビックリ。岩に行ったんじゃなかったのぉ?でもうれしいx2。蜂蜜レモンと冷たいドリンクが体にしみるように美味い。

初めてまともな休憩。足の屈伸とみんなとのおしゃべりで心身がほぐれる。まだ頑張るぞ。

 市が原で大粒の雨。ついに来たかとザックカバーを付けてる間にHioさんがすーっと通過。ありゃりゃーついに抜かれちった。

9:53。練習会ペースで行けば摩耶山まで約1時間。ん?チェックは12:00開始?!これは摩耶山で足止め、1時間前後の大休憩が取れるって事やん!急に元気になった。勇躍歩き出すとHioさんがおにぎり休憩中。「お腹すいたんや。」ではお先にー。 

急ぐこともないとらんな〜ゴースト両人はペースダウン。ウソみたいだが僕がトップにたつ。全く信じられない。が掬星台でのぜんざいホットレモン一番乗りを目指し一人先を行くことにする。雨はやんだが風が強い。山上は霧っぽいなあ。

息は切れないが足がパンパン。ふくらはぎと太股が両足とも痛い。筋が張りつめている。

ヤバイかな?攣るかな? ぜんざいとホットレモン、着いたらどっちを先に飲もうかなどと愚にもつかないことを考えて気を紛らわす。でも結局は両方飲むだろうな♪

摩耶山は頂上が見えはじめてから先が長い。下っては登り返す。キツイ。本日初めて出場したことを後悔する。途中ボランティアさんが18番目の通過だと教えてくれる。のち3人抜いて1人に抜き返される。んなことどうでもいいよ、早く着いてくれー。

10:50、掬星台CP着。今日の目標の半分を達成でき至極満足。てるさんにhiroさん、まるいさんやなっちゃんが待っていてくれた。寒いのにホントありがとう。僕も長袖シャツにレインウェアを着込み、手袋も付ける。暖かいぜんざいにホットレモンがなんと美味い♪誇張ではなく至福の味だ。ゆっくり楽しむ。ここがゴールならいいのになあ。

<〜一軒茶屋>

12:00。人の列が再び動き出す。さあ後半だ!1時間以上休んで休養は充分だぜい。

ここからは舗装道路。水を得たように元気に走っていく人たちがいる。普段ランニングで鍛えている人ならここからが稼ぎどころなのだろう。僕は舗装道は苦手で土の地面が好き。

相変わらず道連れはらんな〜さんとゴーストさん。じりじりとらんな〜さんが前に出る。負ケテナラジとピタリ追随。ゴーストさんもまた同じ。かくしてペースは依然早い〜(^^;

「おーい、頑張れー!」3人無口になりかけた頃に聞き覚えのある声。対向車線の車から助役の顔が。続く2台も囲炉裏のみんなだ!手を振ってくれている。今作れる最高の笑顔でこれに応える。霧雨はいつの間にか気にならなくなっていた。

<東六甲CP>

13:40一軒茶屋。最終CPは14:00からだ。自分がとんでもなく速いペースで歩いていることに実はここで気づく。東六甲分岐から太平山、塩尾寺までは練習会ペースなら2時間はかからない。初めてタイムを意識した。こりゃあ行くっきゃないぜぇ。

チェック待ちの10分間、列の後方にはTAYAさん、ごましおさん、Hioさんが見える。

さて歩行再開。なんとここかららんな〜さんは走る! マジか!なぜまだそんなに余力があるんだぁ?!Wストックを頼りに食いついていくが分岐後10分、らんな〜さんの背中が視界から消え去る。下り坂不得手のゴーストさんはすでに後方だ。

滑って怪我したら元も子もないので慎重に、かつ急ぐ。足が重いよお。来年も縦走やるかなあ、、、こんなにキツイのはイヤかもぉ。。。独りになるとまたしてもつまらぬ事が頭をよぎる。しかしさしあたりは前進あるのみ。半ばヤケになるとけっこう元気に足が進む。

<〜太平山〜塩尾寺>

14:40太平山。ボランティアのお兄さんに精一杯丁寧に挨拶し休憩無しで通過する。

左足がもう攣る寸前だ。それにつま先の痛みが気になる。だんだん痛みが増してくる。

(ゴール後気が付いたが左足薬指の爪が内出血で紫色になっていた)

ふと振り返るとゴーストさんがみるみる距離を詰めてくる。げ、走ってるよオイ。もうダメついてけねえ〜。

しかし、ゴーストさんが走り去ったそのさらに後からごましおさんの姿を見るとさすがに意地が出る。そうそうは譲れないよーん。下り坂だしこっちもラストファイトだああ!

ごましおさんに追い立てられるように駆け足になる。走る、走る。そのうちゴーストさんを巻き込んで3人一列でさらに進む。そのままの勢いで大谷乗越を通過。

左足の痛みがひどくなり我慢の限界、遂に諦めて歩くことにする。早足で歩く分には痛くない。ここを最後とストックを突き突き勢いつけて進む。ゴーストさんはそのまま走り去った。シャリバテ気味だがここまで来て休憩もシャクなので歩きながらドリンクを飲み干し腹をごまかす。ごましおさんはやや後方。まだまだ余裕がありそうだなあ。

<ゴール>

15:15塩尾寺到着。じゅうごじじゅうごふん!かけらほども想像もしてなかった好タイム。

時計が遅れているのではないかと本気で疑うがどうやら現実らしい。うぉー!すごいゼ!

ごましおさんの後ろ姿をみつつ舗装路の急坂を歩いて下る。ショートカットの近道も足元が明るい。前も後ろも誰もいないしゴールもすぐそこだと思うと気持ちも軽い。足の重さもつま先の痛いのもなんだか誇らしくさえある。

最後の角を曲がった。まるいさんがいる。なっちゃんがごましおさんのガッツポーズ写真を撮っている。僕も撮ってもらった。ゴールの階段を上がる。長かった今日が終わる。

久々に今日は自分を褒めていいような気がした。

 

参考:今回装備

 行動食 稲荷寿司4個入り、レモン味ビタミンCタブレット、キャラメル(以上完食)

     バウムクーヘン、どら焼き、1口大福4個入り、甘納豆1袋(以上は食べず)

     ドリンクは500CCボトルを1本携帯。途中2本を買い足した。

 

 持ち物 半袖Tシャツ、登山用ストレッチパンツ、ハイカットの軽登山靴。Wストック。

     長袖シャツ、レインウェア(上衣のみ)、スパッツ、ザックカバー、手袋、

     携帯電話、ヘッドランプと替え電池、替え靴下。メモ帳とペン。現金。

 

かぎろひさん

2003六甲全山縦走に初挑戦!!

 

なんとなしに頭に残っていた六甲全山縦走とやらをやってみようかしらと思いついたのは4月頃だったでしょうか。それからそれはいつ?どんなコース?と検索、どうすれば参加できるの、須磨浦公園に5時に着く方法はあるの?と検討し始ると、到底一人ではできそうもない、でもやりたいという気持ちはますます強くなってきました。しばし悩み、囲炉裏に入ろうと心に決めたのは5月。ついにごん助の敷居をまたぎました。それからと言うものまずは山歩きに慣れようと「いける!」と思えば、周りの迷惑顧みず参加してきました。タブン練習会を入れずに12回の企画に参加したのではないでしょうか。最初に参加した三の峰山行では帰ってきてから2日間ぐらい階段の昇降が困難になるほどの筋肉痛が残りましたが、その後だんだん筋肉痛も和らいで笠が岳山行では軽い疲れが残る程度になりました。かなり体力が付いてきたと自覚できるようになりました。9月頃からは自主トレ(5キロの早歩き)も始めましたが、これはなかなか毎日とは行かず、一人ですることは大変と実感。10月に入って、ランニングの人たちがオクトーバーランを始められたので勝手に参加を決め、オクトーバーランの換算で200キロの目標を立て、練習会はもちろん、ママチャリ通勤もしっかり計算して170キロまで迫りました。11月には行ってからは直前1週間は筋肉を休めることという森の音さんの言いつけを守りママチャリ通勤だけで体力温存。でもなんとなく不安になって体重計に乗るとなんと増えているーー。と言うわけで負荷を背負って当日を迎えることになってしまいました。

 

8日(土曜日)車の音はうるさそうだったのでティッシュを小さく丸めて耳栓に。縦走隊の就眠を促すてるさんのアナウンスを遠くに聞きながらいつしか深い眠りに。21時から3時まで6時間ぐっすり睡眠をとりました。

翌9日、SUMIEさんの「お湯が沸いていますよ」のアナウンスで起床。コーヒーの準備。よく眠れたのですっきり。降水確率もあまり高くないとのこと。荷物を預け、移動。

5時10分、須磨浦公園チェックポイント通過。みんなで記念撮影。私はさじさんと山太さんと一緒に行動することになっていたが早くも迷子に。うろうろしていると森の音さんが「前にいるはずだから。前に行くしかないよ」と言うのでともかく歩き始める。高倉台住宅から市が原まではみるくさんと一緒に歩く。ヘッ電は暗く歩きにくいが黙々と歩く。

ツガオ山の階段では、心臓バクバクにはならずに行けたのでちょうどいいペースで歩いているようだ。馬の背では日の出のはずだが展望まったくなし。ともかく進む。高取山の茶店でバナナ50円なり。歩きながら食べる。気が付くとゴミ用袋を持ってきていない。仕方なくザックを降ろして袋を探す。 

8時30分ごろ鵯越にさしかかる。いいペースだ。いよいよ菊水山の登り。ゆっくり上っても高々25分と言い聞かせながら上る。幸いにも足はつらない。第一関門突破。いい調子だ。頂上にはアウタースキーさんの姿。なんともうれしい。が休んではおれない。次はなんとなく上れる鍋蓋山だ。その割には結構しんどいと思いながら11時に市が原に着きたいと歩く。大龍字の赤い鳥居の下に人だかり。なんとなく会ったことがあるような姿。助役さんもいる。サポート隊だ。ここでひなこさんやCLIFFさんにも会う。蜂蜜レモン美味しい。オレンジジュースも2杯ご馳走になる。空のペットボトルにも水の補給をしてもらう。至れり尽くせり、本当に感謝!この頃筋肉に疲労感発生。市が原のトイレでイドメシンを塗りこむことにする。

市が原でスウさんに会う。先に出かけたみるくさんを追いかけて出発。学校林道の出会いまでに足が軽くつり始める。薬が効いてないようだ。ゆっくり歩きながら様子を見る。リタイアするほどでもないし、とにかく進む。

12時20分、麻耶山頂着。まるいさんとなつさんにぜんざいをご馳走になる。甘くて美味しい、お餅が3つも入っている。ホットレモンもご馳走になる。元気が出てきた。入れ替わりみるくさんは出発。少し座って休む。ここまでは予想を超えるコースタイムできたようだ。てるさんに「宝塚で待ってますよ」と励まされ出発。この頃から雨も気になりだし、合羽を着用する。掬星台から東分岐は約2時間半の単調な道のり。練習会のときはお天気もよく風景に心慰められたが、今日は早くも夕暮れのような暗さ。灰色の空がのしかかってくるようだ。しかも一人旅。とぼとぼととにかく歩く。

縦走参加者の姿もバラけてさびしい歩きになってきた。一人になると道を間違っていないだろうかと少し不安になる。でもしばらくすると後ろから来た人に追い越される。ほっとする。離されずに歩きたい気持ちはあるけれど足が進まない。だんだん引き離されて一人になった頃又追い越されるの繰り返し。

途中神戸市のおじさんと話す。60歳過ぎ?以前に9回参加してしばらく休んでいたけど年齢を考えて参加した。今回が10回目と。今日は縦走して23日はボランティアでチェックポイントの係りをすると。「来年も参加しますか?」と聞かれたが私は返事ができない。「ぜひ、参加してくださいよ」と念を押されてしまった。ぅ〜ん山の世界には不思議なひとが多いナァ。六甲が好きで、神戸が好きで、縦走がすきなんだね。たくさんの人に参加してもらって感動してもらいたいんだね。ぅ〜〜んと唸りながらこのおじさんと一軒茶屋までご一緒する。

一軒茶屋のトイレでさらにイドメシンを塗りこむ。東分岐15時05分通過。スピードダウンした割には早い時間だ。ヘッ電で歩くのはつらいし遅くなるから日没までになるたけ宝塚に近づきたいと気持ちはあせる。山道に入るとなんとなく元気が出てきた。スピードも出てきているようだ。追い越されるばかりから時々追い越す側になる。林のおかげか雨も気にならなくなった。16時05分大平山通過。練習会並みのコースタイムになっている。日没と競争だ。タッタカ、タッタカ、もう走り出したい気分。塩尾寺の境内が見えてきた。ここまでくれば大丈夫。後はアスファルト道。でも手すりつき階段はヘッ電つけて慎重に。後はもう踏ん張るのもしんどいから転がるように小走りに川沿いを下る。コンビニが見えた。角を曲がればもうゴール。ファイヤーマンさんとどんかっちょさんに会う。最後の階段を上ったらhiroさんの笑顔が。助役さんが。助役さんとがっちり握手。よかったぁ。完走できたぁ。うれしい、本当にうれしい。

武庫川にかかる大きな橋をビールを飲みながら歩き、宴会に合流する。

 

5月ごん助以来、いつも全縦を頭に置きながら、山歩きをしてきました。花旅も平日ハイクもアルプスも、練習会も。そのどれもが楽しい思い出です。その上に今年の目標も達成しました。宝塚の宴会で、酔いの回った頭で考えたことは、目標を達成したこと、それもすばらしいこと、でも一番の収穫は一緒に喜べる友達がたくさんできたことではないかしらということです。

サポート隊の皆さん、縦走隊の皆さん。本当にありがとうございました。何日も前からサポートの準備を進め、前夜・当日・後始末まで本当に良くして頂いたと思います。皆さんに応援していただいたので宝塚までたどりつくことができました。月並みな表現ですが、皆さんに支えられて縦走できました。感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

 

神戸市のボランティアの方たちにもお礼を言います。雨の降る中、私たちの安全縦走のため長い間立ち尽くして見守っていただいていたのですね。それも少なからぬ人数で。寒かったことと思います。本当にありがとうございました


くみさん
この夏の上六の会で六甲全縦走の話題が出た。
興味はあるが自信がない。
誰か背中をポンと押してくれたらなあと、独り言を言ってた私の背中を
モリザネさんがポンと押してくれた。
そうだ、この夏北海道を独りで自転車で縦断という快挙を成したこの人の
Powerと強運をもらおうと思った。

いよいよ参加証が送られてきた。
参加番号3366。3396さんざん苦労でないからまあいいっか。
職場でそれとなく「56km歩くの。リタイヤするかもしれないけど」って言うと
「あなたはしんどくてもきっと最後まで歩くと思うよ」と同僚が言った。
ふ〜んそんな風に見ていたのか。プレッシャーがかかるじゃないの。
練習会に参加した時に、何人かの人から毎日何らかのトレーニングしているって聞いた。
何もしていない私は、せめてお昼休みに職場の非常階段85段を5階まで上がる
練習をしてみたが、学生に見られるのが恥ずかしくて三日坊主に終わってしまった。

参加してみようと思ったもう一つの決め手は
DOPPOさんが一緒に歩いてくれると声を掛けてくれたからだ。
ところがDOPPOさんは速いから一緒に歩くのはしんどいよなんて耳に入ってきた。
練習会に参加した時の皆の歩きのスピードは異常だった。
こんな山歩きは私には向いていないと思った。
のんびりとDOPPOさんと景色を見ながら話をし、
休憩にちょっとビールもいいななんて考えていたのに。
これは時間を争う山歩きだったんだ。
ま、速く着いた人やサポーターの人達を長い間待たせるのは申し訳ないけど。
ここで一度決めた事を止めるのはやっぱり納得できないし、
やるしかないかと思った。

日が迫ってくるにつれて、私はまるで競馬かマラソンのレースのように
レース展開を想像した。
どんな風にがんばってもDOPPOさんのスピードには着いていけない私。
そしてそんな私に業を煮やしたDOPPOさんは速いグループと争奪戦に入り
ごぼう抜きをして遥か遠くに行ってしまう。
残された私は疲れきた身体で暗い山道を独りトボトボと歩く。
何度もこんなパターンで私の想像は止まってしまう。
そして想像が妄想となってどんどん膨らんでいった。
私はDOPPOさんにほっていかれない様に絶えず先を歩こう。
妄想から考えた末の戦略はこれだけでした。

当日は三時半起床。
サポートのhiroさんは、三時にそっと起きて縦走隊のために準備をしてくれている。
大きなテントで大勢寝ると寝られないからと言って、
ミリオンさんがわざわざ運んでくれたテントで4,5時間は眠れただろうか。
夜通し2号線を走るトラックの騒音に悩まされながらもこれだけ眠れたら充分だ。
昨年のhiroさんの経験を生かして、ザックの重さをなるべく軽くするために
麻耶山でサポート隊の差し入れの時に、
私の後半必要な荷物をhiroさんが届けてくれると言う。
こんなhiroさんのサポートを私だけ特別受けるなんて、なんて幸せな事だ。

受付でチェックポイントを済ませて5時15分、さあ出発だ!!
私はすかさずDOPPOさんの前に出て歩く。
後ろでDOPPOさんはあまり眠れなかったからか頭が痛くて
まだ調子が出てこないらしい。
うん、なんだかお腹の調子も良くないらしい。
早速、最初のトイレで休憩。
この時から縦走隊のメンバーと逸れてしまったらしく
二人だけの縦走が始まるのだ。

まだ夜が明けない山道をへつ電を点けて登る。
縦走に参加している人達で混雑している中、
DOPPOさんのへつ電が急に切れてしまった。
そう言えば、ストックのキャップも無くしたようで
テーピングのテープを巻いて応急処置をしていた。
踏んだり蹴ったりなのに彼は少しも動じない。
妙法寺を過ぎてからだと思うがDOPPOさんが脚を攣ったと言う。かなり痛そうだ。
私も全縦の練習会の時に脚が攣った経験があるので、
どんなに痛いのかよくわかる。
彼は痛いのを堪えながら、手で先に行けと合図をした。
私はこのまま彼のペースに合わせて歩くか少し迷った。
山経験の豊富な彼の事だから、こんな場合の対処の仕方も慣れているだろう。
現に、いろんなアクシデントにも少しも動じないではないか。
そして彼はきっと復活してくるだろう。
私はその復活が怖い。
元気になったDOPPOさんはきっと私をほって行くだろう。
(この時点でもまだ妄想に駆られてる私です。)
そうだ、少しでも彼との距離を空けておこうと思った。
菊水山は休まず一気に登った。
こんなにがんばっているのに他の縦走隊のメンバーの誰にも会わない。
一体皆はどんな速さで歩いているのだろう。
頂上でお腹が空いたので柿の葉寿司を一つ口に入れてると
DOPPOさんがやってきた。
後で聞いた話だがこの時脚が痛くてリタイヤも考えていたとか。
それなのに私は先に柿の葉寿司を頬張っていたではないか。(反省してます)
その先での市が原のお茶屋のトイレ休憩ではバナナを買って
私を待っていてくれたというのに。(反省してます)

麻耶山に登ればそこにはhiroさんが待っていてくれる。
そう思うと麻耶山も休まず登った。
登りながらどうしてこんなにがんばれるのだろうかと考えた。
復活したDOPPOさんに追いつかれて、ほって行かれないかと言う不安と
少し後には彼がいてくれると言う安心感の両方で
思わぬ力が出たのかもしれない。

掬星台に着くとサポート隊の方達やhiroさんが寒い中、
暖かいホットレモンやお善哉を作って待っていてくれた。
仲間の顔を見ただけでもほっとしたのに、
暖かい飲み物までサービスしてもらえるなんて、とてもありがたかった。
凌雲台はお天気が悪いというのに観光バスが着いたところだったのか
観光客で賑わっていた。ここからは平坦なコースだがもうしんどくても
リタイヤはできない。前半の疲れが出てきっと脚にくるだろうと思い、
お手洗いで脚にたっぷりインドメタシンを塗った。
凌雲台からDOPPOさんは少しずつ本来の調子を取り戻してきたみたいだ。
そうなるとやっぱり彼は速い。
大平山近くになるととうとう暗くなってしまった。
今日は何百人も通ったであろう雨でぬかるんだ暗い山道を歩くのは怖かった。
怖いと思うとなかなか速く歩けない。ところがDOPPOさんはおかまいなしに
速く歩くのだ。あ〜こんなところで彼を見失ってしまうのが
一番恐れていたことではなかったのかとあせって後を追うと
こちらに向かってへつ電で照らして待っていてくれるではないか。
私は今まで何を考えてこんなに急いで歩いていたのだろうかと思うと、
膨らんでいた妄想から目が覚める思いだった。

ゴール近くの宝塚の綺麗な夜景を見ながら歩いている時に
「くみさんがどうしてそんなに急ぐのか僕にはわからなかった」と
DOPPOさんに言われた時に返事のしようがなっかたのですが
解ってもらえましたでしょうか?DOPPOさん。
まだまだ無理かもしれませんが、DOPPOさんが行かれる荒々しい山に
着いて行く事ができるなら、もう少ししおらしく後からトコトコ着いてまいります。
ほんとにお世話になりました。ありがとう!!!

                  くみ

 ぐりーんさん
六甲全縦録

「六甲全縦」2ヶ月前位から、私はこの言葉に結構悩まされてきた。他の山を登っていても、「こんな調子で56キロもの長い距離を歩き通せるのだろうか」とついつい考えながら歩いている自分に気がつく。とにかく全縦までは、練習のためにも毎週山に登ろう。六甲全縦の前知識は殆どなく、あれは夏頃の例会で森の音さんから、「悩むんだったら取り合えずは参加表明出しておかないと考えられないよ」という言葉が私の心を動かして行った。


前日、私はユニバーサルスタジオの雑踏の中をウロウロしていた。金曜日は会社の親睦会のため市内のホテルで宴会があり、深夜3時まで同室の人達と喋っていたため寝不足、次の日はUSJに来ているという訳だ。なんで六甲全縦の前日に慰安旅行なんだァ〜 全縦当日は雨は確実!友人から誘われた、あのビショビショになるジュラシックパークだけは風邪を引きたくなかったため硬くお断りした。
バタバタと一旦家に戻り、須磨浦公園に着いたのは予定より1時間半も遅くなった8時半だった。
駅前に着いたのは良いが、テント場が解らず…全縦スタート地点方向に登りかけてしまった。
サポート隊の皆さんが作ってくださったお鍋を頂いて、温まったところで、10時にシュラフに潜り込んだ。

朝3時15分起床。寝ぼけた頭のまま朝ご飯のパンとスープをほおばる。なんとサポート隊の方が、朝用におうどんも用意して下さっていた。温かくて美味しそうだったので、これも頂いた。
4時過ぎにスタート地点に並びに行く。おっと!ぐずぐずしてたら、みんなもう出発していて慌てて後を追いかける。今年はとても暖かいらしく、スタート待ちの間銘々が話をしたり、準備体操をしていた。列が徐々に進み須磨浦公園のスタートチェックを受け、すぐ横で囲炉裏の皆さんと出発の記念撮影!

スタート5時15分だ。私は初心者のためか森の音さんが一緒に歩いてくださる。真っ暗の中へッ電を付けて階段を登ってゆく、これがなんと歩きぬくい事!急いで歩いて人を抜こうとすると不意に杭や石が現れて足を取られ、何遍か躓きかける。"ヘッ電付けては人は抜けぬ!"
旗振山まで来ると森の音さんが「お手洗いあるけど行っておく?」と聞いてきた。この先しばらく無いよと言うことで、ついつい深く考えず、入ってしまった。……ん〜始めのこの時間帯は出来るだけ前に進んでおくべきでした。森の音さんごめんなさい。こうして私達はとっても渋滞に巻き込まれるのでありました。そればかりかラストを歩いてくださる こまくささんよりも、後方を歩いていると気づくのはもっと後のことでした。 
栂尾山への長い階段に差し掛かった。ここは練習会の時にも一気に登ると足にそうとう堪えた所だ。しかし今日は渋滞!3歩あるいては休憩の繰り返しだ。
そして須磨アルプスへと突き進んだ。この辺りで日の出になると聞かされていたが、だいぶ前から明るくなりヘッ電はいらなくなっていた。よかった〜ぁ しかし日の出は何処からも現れなかった。朝日に照らされて黄金色に輝く須磨アルプスを期待していたのにー!代わりに、もやの中にあのデコボコした形状の馬の背がどんよりと姿を見せた。ここでもまたまた渋滞!段差が大きいので、上がりぬくい右足に注意しながら抜けて行く。
ビューポイント!どうしてもここで馬の背の写真を取りたくて、携帯で撮影タイムを取ってしまった。

妙法寺を抜けた交差点辺りで、こまくささんグループと出会う。あらら、私達の方が後ろだったのね!
そして高取山の登りへと入ると、こまくささんが先頭を切った。その後に続こうとついて行くと・・あらら!こまくささんが前方の団体さんをサァサァっと抜かして行っちゃった。私はその団体さんを抜かすタイミングがはられず四苦八苦してしまった。
始めの頃、こうした行列は渋滞でずーっと続いているのだと私は思い込んでいた。が、何人か抜くとその先頭には、少し遅い方がいてその前の道は空いているのだと解った。←なんだか当然の事なのかもしれませんが。
そして8:05こまくささんと一緒に高取山の売店でバナナを食べて少し休憩。出発しようかとした時、森の音さん達が上がってきたので、こまくささんと先に歩くと連絡して下り始めた矢先 「お先〜ぃ!!」と森の音さんが、ストックをグルグル回転させながら風のように抜かして行った。あっけに取られていた私の視界から、あっと言う間に見えなくなってしまった。どうなっちゃたんだろう?今のは!

パラパラ雨が降って来たのでカッパ姿に変身!住宅街を抜けて8:45鵯越駅を越え、菊水の登り口まではこまくささん達と一緒だったが、登りだして振り返ると、後の方を待っていらっしゃる様子。4〜5人集まって来ているみたいだったので、取り合えず先に登りだした。ここから私の一人旅が始まってしまったのだ!!
私の苦手とするのは降りである。囲炉裏のみなさんと山行するたび、どうしてみんな飛ぶように
降りを走り抜けられるのか不思議であった。「いちいちストップ掛けて踏みしめて降るより、掛け抜けたほうが楽じゃない」こう言う返事が返って来た時はビックリした。私はいつも段差の大きい荒れた降りは必ず膝が痛くなってしまう。調子の悪い右足をかばいながら、いつも左足から下りていた。And親指の爪もとても痛くなるので、今回は保護テープをぐるぐる巻いて靴下も2枚重ね履きをしてみた。だからこの菊水の降りと東六甲分岐の降りが、私にとって一番の難所であった。
降りがとても遅いので、とにかく登りと平地(道路)で稼がなくてはならず頑張って登ろうと思っていた。
菊水の登りも、グングン進み3つの急な階段を過ぎると頂上だ。練習会の時、この山頂間際で私は貧血になってしまいフラフラたのだ。幸いにも?今日は雨模様日差しがない分助かったかな〜プルーンもたくさん食べておいたし。山頂に着くと、あらら!アウターさんが手を振っててくれた。一人で登っていた私に思わぬ所で激励だ!!9:40チェックを受けて辺りを見回すと、森の音さんと山太さんに出会う。
Kayoさんを発見したので、喋りながら横でパンを食べかけるとミカンを頂いた。もう出発しようとされていたので、慌てて残りのパンを口に押し込んで、「私も一緒に行きます!」と立ち上がってしまった。たぶん一人で寂しく菊水を登ってきてやっと会えたメンバーをのがしてなるものかと、同行を願い出た。・・しかし、kayoさん降りは早かった〜!あっと言う間に私の視界から消えて行った。
ほつん! またまた私は一人ぼっち。
苦手の菊水の下りと格闘しながら進み、鍋蓋山との間の橋を渡る。鍋蓋山山頂に着くと、あーkayoさん!少し水分補給すると、森の音さんとも出会い一緒に下山。でもまたしてもkayoさんの姿は先へと消えていってしまった。下山途中で森の音さんから「大龍寺に着いたら、名物のトン汁を食べませんか?時間ロスしても、あれを食べると凄くパワーが出てくるんですよ。」と誘われた。それも良いかなァ

大龍寺に着くと、たくさんの囲炉裏のサポート隊のみなさんが待っていてくれて、飲み物もたくさん用意してくださって、ゴクゴク飲んでしまった。蜂蜜レモン!あれも結構元気が出ました。何よりみんなの、頑張って〜の笑顔がとても嬉しかった。時間を結構取ってしまったので、トン汁はあきらめ、おにぎりをほうばりながら出発する。
市が原まで、ダッシュ!…お手洗いから出て来ると、何処かで見かけた方から、不意にバナナを手渡された!山太さんを追いかけてこられた不知火さんだ。栄養補給出来たところで、11:25摩耶山にアタック!

ここでも登りは絶対頑張らねばと力が入る。結構スピードアップ!結構な人数抜いて登ったと思う。山太さんやKayoさんも追いぬいて、一人黙々と登り詰め、12:37菊星台でチェックを受ける。すると東屋の方で、まるいさん・なっちゃん・てるさん達がホットレモンを差し出してくれた。そればかりか、ぜんざいまであると言う。早くから準備してくださったのだろうな〜 ありがとうございます。美味しかったぁ!
しかし、私はここで焦っていた!相当バタバタと・・服の中を引っ掻き回していた。菊星台まで綿密にタイムコースを記録していた紙とボールペンを落としてしまったようだ。ショック!!!
焦ったついでに、摩耶の降り口も解らなくなった。ちょうどこまくささんが登ってこられたところで、「あっち」と下山口を指差してくれた。
実はこの時、必死で登ってきた私には気づかなかったのだが、摩耶山頂は相当に寒かったらしいー 火照った体の私は、半袖のままぜんざいをかきこみ、そのまま下って行った〜 サポート隊の方々寒かったんでしょうね

次は六甲の車道をずっと歩いて行く。あまり登りは無いが、アスファルトのため足に来るよと聞かされていた。下りで膝が痛くなるだろう私には、東六甲分岐までの間が勝負!菊星台で私の前には、10分前にはかぎろひさん・20分前にはみるくさんが通過したと情報を得ていた。
山頂の車道を一人でひたすら黙々と歩き続けると、輪を掛けて雨脚が強くなってきた。知らぬ間に雨の鬱陶しさで眉間にシワガ寄ったまま、無心に歩いていた。楽しみにしていた郵便局の甘酒!「何処いったんや〜」と心の中で叫んでいた。だんだん自分が潰れかかってきている。こんなに頑張ってスピードも上げて歩いているのに、誰にも追いつかない・誰にも出会わない!
ボールペンも無くしてしまったため、凄い雨の中びしゃびしゃになりながら携帯でコースタイムを記録して行く〜この携帯こんなに濡らして大丈夫なのかな?

14:15凌雲台到着。裏のデッキに回ると絶対誰かいるだろうー 残念ここでも一人!仕方なく小さな軒を見つけて、立ったままパンをかじる。あ!いけない。ずっと単独行動のため居場所を連絡しておかなくてはと、囲炉裏サイトに現在地をupした。
動かなくなってしまった頭を必死で回転させて、えーっと次は99カーブのショートカット!確かに99の看板は確認できた。しかし道が・・あれ!行き過ぎてしまった。仕方なく次の入り口で曲がろうとすると、前方を歩くおじさん達が曲った方が良いのか悩んいる風。「これショートカットですよ。ほんの少しですが」と教えると、じゃぁお先にどうぞと道を譲ってくれた。

やっと見えてきた一軒茶屋14:58 これからまだ先は長い。ここでお手洗いに行っておかなくては!同じ考えの人はいる者だ。「か、かぎろひさんだぁ〜」とっても嬉しかった。やっと囲炉裏のメンバーと出会えた。
15:08一緒に東六甲分岐のチェックを受ける。パンを一口くちにほり込んで、さーぁこれから最期の難所の降りだ〜 雨の中何人にも踏みつけられた道はドロドロしていた。私の頭の中では、ここの下りは弱いのでとにかく早く降れるように努力しなくちゃっと焦り続けていた。
ふっと後ろを振り返ると、かぎろひさんの姿が消えていた。ごめんなさい!
膝や爪も思っていた程痛くならなかったので、助かった。と言うか雨などでぐちゃぐちゃで、気が紛れていたのかもしれない。実際、爪のガードテープも割れてしまっていて、二日後には少し痛くなってきた。膝も途中からサポーターを着けよう・休憩のたびにバンテリンを塗ろう と考えていたのに雨のためすっかり忘れていた。

16:00太平山到着 さすがにここまで来たら疲れて来た。休憩したい!10人程が太平山の車道で座り込んで休憩していた。ビショビショの中道路に座る気もおこらず、休憩返上でケーキと水分を取りながら道路を駆け下りる。道が良いのでここで、てるさんに現在地をメールする。
ここから塩尾寺までまだ1時間は掛かる。足場の悪い降りをまた一人きりで突き進んで行くと、数名の集団にぶつかった。ラッキー!この人達に着いて行こう〜
私を含めてこの集団はどんどん大きくなってきた。はじめは余裕で付いて行けたのに、だんだんしんどくなってきた。足首も今までなったことの無い辺りが痛み出した。後の方が抜かしやすいように、何度か幅の有る道では端に寄ってはみたが、誰も抜かす気はないようだ。そうかぁー みんな疲れているんだ!!
私の第1目標は麻耶山突破! 第2目標は練習会で教えてもらった最期のショートカットをヘッ電なしで降りる事・・なんせ練習会の時、ヘッ電付けて先頭を歩く羽目になり、怖くて怖くてー 転ばないのが不思議なくらいだった。

16:58塩尾寺到着 内足首が痛いので紐を緩める。ホッ! 本当はもっと早くに緩めたかったのだが、追い抜かれるのが悔しくて我慢していたのだ。塩尾寺からは車道を降りて行く。小走りで降って行くと、夜景のビューポイント 綺麗だぁ〜 ここがショートカットのはず。だが、またしても
道が解らない。早くにゴールしているはずの、しんさんに連絡を取ってみた・・話しているうちに、白い体育館風なもの発見!あら残念、もう甲子園大学まで降りてきてしまっていた。ダッシュで宝塚のゴールまで駆け抜けた。階段を登ると、助役や、まるいさんや、しんさんや、どんかっちょさんやたくさんの囲炉裏のメンバーの方が待ち構えて下さった。ありがとう!!
17:20ゴール!  目標のヘッ電使わずに、なんとか明るい内にゴールできました。
神戸市長の名で楯と賞状を頂き、ゴール記念写真を取って頂き、早くから準備して頂いていた宴会場へ足取り軽く案内して貰いました。ゴール後のトン汁は格別に美味しかったです。
サポート隊のみなさま、縦走参加のみなさま、ご支援頂いたみなさま、本当にありがとうございました。


                             元のページに戻る