〜レジスターキャンセルによる点火系パワーアップ〜


モンキーRTでの実験結果非常に良かったので、同じ改造をシェルパにもすることに決定しました。早速イングニッションコイルとハイテンションコード、プラグキャップをばらします。偶然にもシェルパの純正プラグキャップはNGK製のようで、分解可能なNGKのプラグキャップ(型番XZ05F)とまったく同じ構造でした。中に入っていたレジスターもまったく同じものです。したがって純正プラグキャップのレジスターをキャンセルしてそのまま使うことにします。ハイテンションコードもそのまま使用します。モンキーのために作ったのと同じようにシールドを施したケーブルをつくります。

シェルパは、純正ではレジスター入りプラグのCR8Eが標準仕様です。さらにプラグキャップにも5KΩのレジスターが入っているため、合計10KΩもの抵抗が挿入されていることになります。(成田さん、ご指摘ありがとうございます)

私としては、どうせやるなら中途半端は止めて、徹底的にレジスターを排除する方向でいきたいと思います。せっかくシールド処理をしているのですからね。プラグキャップのレジスターをキャンセルし、プラグは最終的にレジスターなしのプラグ(C8E)に交換します。これでプラグの電極まで抵抗は一切入っていない状態になります。

もし、耐久性という点で心配な場合や、シールドを施す工作が面倒くさいということであれば、抵抗無しのプラグ(C8E)を使用すれば、プラグキャップのレジスターを取り除かなくても、プラグキャップのレジスターをキャンセルしたのと同一の効果が得られると予想されます。これでもはっきり違いを体感できると思います。

キャンセル前はデンソーのイリジウムパワーを装着する予定でいましたが、イリジウムパワーはすべてレジスター入り(5KΩ)なので、完全レジスター無し状態にはできません。すべて抵抗入りということから察するに、電極にはかなり過酷な条件下で仕事をさせているんでしょうね。

完成したシェルパのイングニッションケーブル

今回はシールドの編み線の引き出しは片側のみにしました。シリンダーヘッド側には何もつなぎません。これで違いがあるのか確認しようと思います。編み線はイングニッションコイルのGND端子に共締めできるように丸穴端子をはんだ付けします。赤い部品は、ビニール製の太さが途中で変わるパイプ状のもので、巨大な丸穴端子と電線との接続部分に被せるための絶縁パーツです。秋葉原の圧着端子屋さんにありました。ハーネステープで処理するより美しく仕上がります。全然違う用途の部品をうまく流用する方法を発見すると、ものすごくうれしいものです。

作ったケーブルを車体に元通りに取り付けます。プラグはとりあえず純正のまま(CR8E)です。早速セルを回してエンジンをかけてみると、エンジンが冷え切っている状態にもかかわらず、チョークを引いていないのに一発でエンジンがかかりました。 スロットルを微妙に調整していないとすぐ止まってしまいますが、いままでだと、夏の暑い時期でもチョークを引かないでエンジンをかけるのは難しいことでした。これで始動性が大きく改善されていることがわかりました。

しばらく暖機運転したあと、家の近所を走ってみました。低回転からアクセルを開けたときの排気音が歯切れ良く若干大きくなりました。アクセルを開けたら開けただけトルクが湧くという感じで、とっても気持ちよく回ります。全回転域でトルクもアップしています。

心配なのは耐久性の問題だけです。しばらく走行してこまめにプラグをチェックしてデータを取ってみたいと思います。

その後・・・

レジスターなしプラグに交換し、300Kmほど走ってからプラグをはずしてチェックしてみましたが、電極に異常はないようです。スーパートラップの排圧のかかり具合が足りないせいか、ちょっと焼けすぎの感があったので、キャブのニードルのセッティングを変えてみることにしました。

注意:このケーブルが原因で最悪の場合、プラグ電極が溶けてエンジンがオシャカになる可能性がないとは言い切れません。もしこれを読んだ方が同様の実験をされる場合は、くれぐれも御自分の責任でお願いいたします。(このケーブルが原因でバイクが壊れたり、事故を起こしたとしても、当方は一切の責任を持ちません。)