1998年3月28日(1日目)
(自宅→成田→バンコク泊)


 夏休み、冬休みと海外旅行に行かなかった(行けなかった)ので、なんとしても春休みはどこかに行くぞと決めていた。1月はそれなりに忙しくあっという間に過ぎ去り、2月も半ばそろそろ焦り始めたのである。候補地は漠然とシルクロード(ウルムチや敦煌など中国内)がいいなと思っていて「地球の歩き方」などガイドブックやツアー雑誌を見ているといくつかの候補があがってきた。ところが難点がいくつかあったのである。春は空いている時期なのでそれはいいのだが、まだまだ寒いのである。何よりも広いので時間的にかなり余裕を持って行かないと厳しそうだということがわかってきたのである。仕方ないので、別の候補地として考えたのが以前から行ってみたかったアンコール・ワットである。ただ、外務省の渡航情報にも載っているとおり治安的なものが心配であった。ただそこには行っては行けないとも書いてなかったし、ツアーで行く(ガイドが付いていれば..)のであれば大丈夫とあったのでアンコール・ワットを第一候補としたのである。

 そして旅行社選びの段階になったのであるが、時間的にも厳しかったのでそれなりの大手のほうがいいと思いHISの門をたたくことにした。話を聞いているときに、何気なく(いつも聞くので)「他に参加の方は何人ぐらいいるのですか?」と聞いてみると、コンピュータをたたき「他にはいません」とのことであった。このツアーは一人でも追加料金(少し)を払えば、催行可能とのことなので問題はないとのことだったので、さらに話を進めることにした(どのみち一人部屋で追加料金が必要だったし...)。担当の人の話では、このツアー今月(3月)から始めたばかりなので、あまり知れていないんじゃないかと言うことであった(年度末ということもあるかもしれない)。担当の人が「航空券が取れないと、これ以上話が進まないので一応調べてみます」と言って再びコンピュータに向かったら、なんと行きのチケットはあるが帰りのチケットが取れないと言ってきた。さすがに帰ってこれないと困るので悩んでいると、「この状況ならキャンセル待ちで取れますよ」とのことであるので、とりあえずお願いして帰ることにした。

 一週間たっても何も連絡がないのでほとんど諦めていたら、10日後ぐらいに電話がありチケットが取れたとのことで、さらに時間的にはギリギリになりそうだがカンボジアのVISAも取得できる(個人的にカンボジア大使館に行っている暇はなかった、最悪現地の空港でも取得できるのだが)とのことで、お願いしてしまった。諦めかけていたのが行くことができるようになって、とっても良かったのだが、仕事の方が年度末(進級問題など)で忙しくなってきており、落ち着いてガイドブックを見ている余裕がなかった(通勤の電車の中では見ていたけど)。そうこうしているうちに、出発の前日、バタバタしながら買い出しに行ったのであるが...結局あまり買うものがなかった(最後はお金とパスポートさえあればいいので)、いつものように夜になってからバックに詰めて寝ることにした。

 いよいよ出発の日、バンコク行きのAI309便は12:00出発予定なので集合時刻が9時30分となっていた。結局、このツアー(HISのアンコールワット5日間3/28発)に申し込んだのは一人だけであったので、一人だけの団体(?)となり、集合時刻に団体受付カウンターに行かなくてはならなかったのである。7時過ぎに家を出て、上野でJRから京成に乗り換え(2分待ちで特急に乗れて良かった)、成田空港第2旅客ターミナルビルへと向かった。

 この第2旅客ターミナルビルに来たのは初めてであったので、どこに何があるのかさっぱりわからず、少しばかり迷ってしまった(昔ながらの第1のほうはだいたいわかるのに...)。結局着いたのが9時45分(遅刻してしまった)。それでも無事に受付をすまし、航空券を受け取った。その後少しばかり両替(ドルに)をし、しばしターミナル内を散策、そして出国ゲートが空いたところで手続きを済まし中へと入っていった。中は比較的新しいだけあって、とっても広く綺麗で気に入ってしまった(しばし散策)。免税店で500mlのscotchを1本買い、しばらく休憩にすることにした。

 時間が近づき出発ゲートのD92へと向かう。D92に着いてみると、何とそのロビーに入るのにボディーチェックと荷物検査をしていたのである。こんな経験は、何回か海外旅行をしているが初めてのことであった(やるなエアーインディアと思った)。チェックを受け搭乗券をだし機内へと向かった。すぐにジュースとキャンディーのサービスがあり、滑走路へと動き始めた。無事に離陸をし(当たり前)、上昇をはじめた。気が付くとドリンクサービスをしていた(何と上昇中に寝ていたのである)。素直にビールをもらい、ガイドブックを見ていると昼食が配り始めていた。選択肢があったのでチキンカレーを選び、何気なく一口食べてみると、これがとってもとっても辛かった(辛いのは得意なのだけど...)。周りの様子を見てみると、最初の一口目は油断しているせいか、みんな同じように辛そうな表情で面白かった。メニューを改めてみてみると、インド風チキンカレーと書いてあった(その後は、少しずつ美味しく頂いた)。

 映画が始まりバイリンガルと出ていたので「また英語と、自国(インド)の言葉だな」と思っていると日本語の字幕スーパーが出てきた。さらにイヤホーンのチャンネルをいじっていると、日本語の吹き替えもやっていた。エアーインディア、なかなかサービスがいいぞと思いながら映画を見ていた(吹き替えと字幕スーパーとが違うのもなかなかいいものである)。そういえば、いまだ国際線でJALやANAには乗ったことがなかったので、日本の会社のサービスはわかないのであるが...

 映画も終わり(続いてもう一本上映されたがこれは英語だけ)、軽食が出た後タイの出入国カードが配られガイドブックを見ながら記入した(入国審査、また時間がかかるのだろうなと思いながら書いていた...実際その通りであった)。そうこうしているうちに、バンコク国際空港(ドンムアン空港)に着いた。飛行機から降りるときに、チケットのチェックを受けた、たぶんこの飛行機はインドまで行くので間違えて降りる人がいないか確認していたのだと思う(他に理由は考えられない)。

 入国審査も終わり、出口へ向かう(手荷物しかなかったので簡単)。外に出る前にちょっと周りを見てみると、自動両替機があり使っている人も一人しかいなかったので、少しばかりバーツ(タイの通貨)に替えることにした。そして出口に向かうと、そこには「HIS、ワタナベ様」とプラカードを持っている人が目に入った(ホントに一人のツアーだなと、改めて実感した)。そしてガイドさんに連れられて車へ、そしてホテルへと向かった。その車だが、フロントガラス以外はすべてフィルムが貼ってあった(日ざしが強いためだと思う。着いたのが夕方で良かったけど、それでも空港から出た瞬間「むっ」ときた)。

 ホテルに着くとすでに6時を大きくまわっていた。チェックインをして、ガイドさんから簡単に明日の予定を聞き、部屋へしばし休憩後夕食へと向かった(今回のツアーは、場所のせいもあるが3食すべて付いているので、ちょっと物足りないような気がしたが、まあ仕方ない)。夕食はバイキング(朝食もバイキング)であったので、楽ではあるがやっぱり何か物足りなかった(量は食べ過ぎないように気を付けたのだが)。そして館内散策へと向かった。ところが、ホテル内の各種売店はすでに終わっていたのである(OPEN AM10:00〜PM7:00との札が掛かっていた)。しかたなく、部屋に戻って風呂に入って一杯飲むことにした。普段であれば間違いなく外に出るのだが、このホテルバンコク市内と空港との中間地点にあって、来る途中の景色を見ていても何もなかったのである(ガイドさんに聞いても、タクシーかバイクタクシーで行かないと何もないと言っていた)。翌朝も早いし見知らぬ町だし、無理はしないことにした。

 風呂にはいるとこれがビックリ、最初部屋に入ってバスルームを見たときには気が付かなかったが、なんとゆかたが置いてあったのだ。ここはバンコクだよなと思いながらゆかたを着て、一杯飲んで寝ることにした。明日はカンボジア(シェムリアップ)、アンコール・ワットである。


1日目   2日目   3日目   4・5日目  

MAINへ   その他編へ    カンボジア編へ