観戦記 == FORMULA-NIPPON #04 もてぎ ==


1998/06/13

予選

梅雨時だし天気予報も悪いし、天候が心配されましたが、 雨はほとんど降りませんでした。霧雨がたまに来る程度。

今年はダウンヒルストレートの先にある90度コーナーの少し手前あたりで観ました。 ここからだとビクトリーコーナーや2本目のストレートも見えます。 予選を観るにはなかなかいい位置でした。 90度コーナーの突っ込みに案外個性が出てました。

その中で一番印象的だったのはトムコロネルで、 90度コーナーの入り口のスピードが凄く速い。 っていうか突っ込み過ぎにしか見えない。 極端に言うと、コーナーにまっすぐ進入しちゃった後で曲がりはじめるって感じ。 それでもクルマの向きを変える時にぎくしゃくした感じはなくて、 むしろスムーズに曲がっているんですね。不思議だ。 それと、ビクトリーコーナーではかなりマシンを振り回しぎみに立ち上がったのも 印象に残ってます。

フォンタナは案外スムーズな走りでした。 でも、スムーズなんだけど、 なんていうか、フロントより先にリアが向きを変える、って感じ。 いや、まぁそんなことは現実にはありえないんだけど、そう見えたの。

あとグーセンが凄いね。 彼のマシンは結構暴れてるように見えたのだけど (毎度毎度火花が前後左右から飛び散ってたからそう見えたのかも)、 そんなのおかまいなしでコーナーに飛び込んじゃう。で、なんとかしちゃう。

日本人だと、 予選中盤は、金石道上立川あたりがタイムも出ていたし 走りも印象的だったのだけれど最後にタイムが伸びなかったです。 いやぁしかし、 立川があんなに速いなんてびっくり。 「えふぽんの経験は少ないからひょっとすると最初はマッチよりも遅いかも」 なんて心配を実はしていたのだけど、それは彼に対してあまりに失礼なことでした。

予選トップだった野田はとってもスムーズな走りで、 正直に言うとあまり「速えぇ!」って感じはありませんでした。 でもタイムは断トツだったんだよねぇ。 あれだけスムーズな走りでタイムが出ているのだから、 クルマがめちゃめちゃ決まってるのは間違いないところですね。

決勝日、ドライならブッチギリ

でしょう。

山西寿一は予選終了間際に上位に飛び込んできたんですが、 それまでがまるでダメだったんで タイムを出したところは全然見てませんでした。 う〜む。不覚。


Special Stage

SSはもう、フォンタナにつきますよ、うん。

フォンタナ1回目のアタック、 セカンドアンダーブリッジを抜けて出てくる彼のマシンは、 1周目だというのに見るからに他のドライバーより数段速いスピードでした。 そして、ブリッジ通過直後の上りながらの左コーナーでは フォンタナは果敢にも予選の90度コーナーの時同様 リアから曲がり出すかのような鋭いコーナリングを見せました。

おぉっ、この雨の中、それをするかぁ!

と私が思ったその瞬間、 フォンタナのクルマのリアは大きく外側(右側)に流れてしまいました。 しかし、ラッキーなことにそこはちょうど ピットロード入口との合流部分のため道幅が広くなっているところだったのです。 フォンタナのリアタイヤはピットロードに向かう車線に入ったものの ダートには落ちずにすみました。

そしてそのまま体勢を立て直して1回目に出したタイムはいきなり1分50秒 台だったのです!

すげぇ!あんなにテールが流れたのにこのタイムか!

もしテールが流れなければ、もっといいタイムだったはず。 私はそう思いました。 いや、私だけでなくフォンタナ自身もそう思ったはず。 そして2周目のセカンドアンダーブリッジを抜けた後の左コーナーをフォンタナは 若干スピードをセーブしてテールスライドせずにクリア。

これはいいタイムが出そうだ

しかし、その直後、フォンタナは失速します。 そうです。 セカンドアンダーブリッジから最終コーナーまでは結構きつい上り坂なのです。 テールスライドを恐れてスピードを落とした結果、 その後のスピードが乗らなくなってしまったのです。

場内放送は2回目にタイムが伸び悩んだことを告げました。「中間計測は 速かったのになぜだ」というニュアンスを込めて。

そして、最後のアタック。 フォンタナは最初のアタックと同じように 自分本来のやり方でコーナーを攻めました。 結果、リアは流れたけれど、 道幅の広さに助けられてまたしてもダートには落ちませんでした。 そして、見事にポールポジションを獲得したのでした。


1998/06/14

決勝

決勝はもうむちゃくちゃでした〜。 雨のせいでスピンするクルマは続出するし、 黒旗あり、オレンジボールあり、もうわけわかです。

スタート直後の寿一、 あっという間に後方をガンガン突き放して数秒のマージンを築いたのにまず驚き。 第二戦以降いまいち冴えなかったし、 前日の予選・SSでもあまり印象に残るところはなかった。 それだけに

いったいどうしちゃったの〜?!

と叫びたくなる気分になったです。

その寿一のF3時代のライバルである山西 (いや、寿一なんて目じゃなかったよね) はあっさりとスピンしてリタイア。 やまにしぃ〜! いつになったらF3の時のような鮮烈な走りを見せてくれるんだぁ〜っ。
# でもサインくれたから許す。(^^;;

しかし、寿一の快走や山西のリタイアなんて忘れてしまうほど驚愕すべき事件(!!)が起こります。 なんと、 3コーナーでマッチが野田のインをずばっと差して見事オーバーテイク! 抜き所のないもてぎで、しかもマッチに抜かれるなんて野田クン、 いったいどういうこと?!

この後しばらく野田マッチの後方を走っておりました。 結局野田はマッチが自滅(スピン)するまでの7〜8周ほど(だったかな?) 前に出ることはできませんでした。

で、ようやくマッチが視界から消えた野田の前に立ちはだかったのが立川。 立川はセカンドアンダーブリッジから最終コーナーの区間なんて マッチ以上に遅いんじゃないかと思える時もあるほど遅かったけど、 それでも野田は立川を最後まで抜くことができませんでした。 野田選手のマシン、トラブルでもあったのでせうか?

その割にはこのレースのファステストラップを記録したのは野田だったりするから、 謎は深まるばかり。 誰かこの謎を解いてください。

しかし野田クンはついてませんね。 もしこの週末、雨が降らなかったらポールトゥウィンだったかもしれないのに・・・。

ちなみに序盤、野田の前で頑張ってたマッチですが、 一度スピンしたら本来の調子を取り戻し(失礼!) スピンやコースアウトを連発しまくってガンガン順位を下げてました。


さて、スタート直後は誰よりも速かった寿一ですが、 10周を過ぎた辺りから徐々にフォンタナに詰め寄られてきました。

寿一がフォンタナの猛攻を凌ぎきるか、これは見物だ

しかし、ご存知の通りのオレンジボール。正直、私は思いました。

なんてことするんだぁ。
ここからが面白くなるんじゃないか!
レースがだいなしだぁっ。
テールランプが点いてない?
いいじゃねぇか。
どうせフォンタナの直後は誰も走っていないじゃないか!
フォンタナより速く走ってる奴は誰もいないじゃないか!!

# あ、あんまりこの部分に突っ込まないでね。 単なるファンの戯言ですんで。(^^;

それにしても、ルマンのピットワークは謎の一言です。 1回目のピットイン、なぜ何にもせずにフォンタナを送り出してしまったのでしょう?ピットインさえすれば許してくれると思ったのかなぁ。


そしてフォンタナはピットアウト後、 今度は最終コーナーの手前の左コーナーで周回遅れを追い抜いてしまいます。 しかしこの時セカンドアンダーブリッジの出口では黄旗が振られていたのです。

そして2度目のオレンジボールを経て、今度は黒旗。2度目のオレンジボー ルの前にやらかしてしまった黄旗無視による黒旗です。

しかし、わかりにくいのはセカンドアンダーブリッジで振られていた黄旗 が最終コーナーまで効力をもっているらしきことです。いくつか先のコー ナーまで黄旗が有効、っていうのは普通のことなんでしょうか? (*註1) それとも、私が気付かなかっただけで、実は最終コーナー付近でも黄旗が 振られていたのかなぁ。


しかし、何度も何度もピットインしなければならなかったフォンタナですが、 リタイアまでまったくあきらめることなく全力を尽くしていたのには感心しました。 モナコでのシューマッハを思い出してしまいました。 そうそう、トップにあっさり進路を譲ってもらうところとかも。


結局レースは寿一の独走で終わったわけですが・・・・ 寿一はほとんど観てませんでした。(^^;;

私の観るレースで寿一が勝つときっていつもそういう気がする。 96年のF3の時も開幕戦にしろ、鈴鹿の2回目(96年#5)の時にしろ、 いつも寿一より山西のほうが印象が強烈で 凄かったねぇ、山西。ところで、勝ったのって誰だっけ? って感じなんだよねぇ。 今回も別の人がやたらと目だってて寿一は勝ったのに影が薄い。う〜む。

そうそう、フォンタナの不運ばかりが目立ちましたが、 道上も最終コーナーでスピンして順位を落とし、 でもあきらめず頑張ってたら黒旗提示でまた順位を落とし、 また頑張る、となかなか苦労してました。

それとファーマン。相変わらず悲しい状態です。 正美が表彰台に上がっちゃっただけになおさら彼の境遇の不幸が際立ちます (自分で招いた部分もないわけではないだろうけど)。 土曜日のピットウォーク中も自分によく似た西洋人(オヤジさん?) と一緒にマシンを心配そうに見つめていました。 もちろんファンサービスする余裕なんかナシでした。

マシンを見つめるファーマンと謎の(?!)西洋人。
森脇さんまで作業してる!
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脚注

(*註1)
通常、黄旗は次のグリーンフラッグまで有効なんだそうです。

原文作成:98/06/15 加筆訂正・脚注:98/06/16,98/06/20

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