風のささやき

年を追うごとに
桜が意味深く見えるようになったと
その人は言った

昨年よりも慌ただしくて
僕は桜を一瞥しただけで
何の思いも湧かなかったのに

その言葉が頭の片隅に残り
いつの間にか鮮やかに
花吹雪のように舞っている

大切なことが何かを知っていたら
きっと忙しいなんて言い訳だね

明日また晴れたら
車いすに乗った父親を
この花盛りの下に連れて来てあげようか

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