風のささやき

君の胸の青空

君の胸の奥底には
果てのない青空が広がっている
すべての人がすっぽりとおさまり
なお一呼吸つける広がり

君と眼差しをかわすと
春を感じるように
軽く微笑みたくなる
シャボン玉のように
ふわふわと空へ上る軽さで

陽射しは君のまなざしから
送られて心を柔らかにする
君の胸には春の太陽が
いつでも上機嫌で顔をだしている

風はいつでも胸に吹き
ちっぽけな汚れを消し飛ばす
空はいつでも澄んだ青をたたえて

その風にタンポポの綿毛も乗って
胸の奥の黄色い花畑
菜の花や水仙も賑やかで

通りすがりの
春雨の涙には
木の芽も潤うのだ

時折は灰色の雲が
その空を覆い
怒りの雷鳴が激しく
胸をいらだたせて
太陽もうつむき
しばらくは顔を隠して

けれど澱んだ雲の先には
澄んだ青空がきっと広がっている

素直で優しい心は大きな器
その大きさにまだ気がつかぬまま
雑草だらけの駐車場を
僕を置き去りに走ってゆく

さっきまでの小雨が止んで
虹が出たと君が指さす
確かに住宅街から大きな弧を描いて

僕からカメラを奪い取って
君はその虹を何枚も写真に収めた
いつの間に虹の儚さを知ったのだろう

それ以上に僕には
君の胸の青空を
悠々と渡る虹が
鮮やかに見えていたのだが

子供と空を渡る虹を眺めて。Last Updated 2026/05

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