風のささやき

赤い風

空はほのかに赤く
初夏の夕日がすべてに色をそえようと
手をさし伸ばす

夕日をさえぎる
高いビルの物陰に
家路へと向かう人たちの
うつむいた長い列

今日できたこと
終わったこと
心残りなこと

蝉が鳴いている
交差点の雑踏にも
地下鉄の出口にも

明日は
もういないかも知れないものに
赤い風が吹く

真っ直ぐに伸びる線路は
遠くへ帰る人を運ぶ
優しい夕焼けの歌だけが
窓の外に流れていた

優しい夕日が手を差し伸べて。Last Updated 2026/08

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