風のささやき

押し殺した悲鳴

街は押し殺した
悲鳴に溢れている

満員に軋む電車のレール
急ぐ車のクラクション
軍隊のような交差点の足音

胃の奥からこみ上げる
悲鳴を飲み込んでいる

空騒ぎの大きな笑い声
止まない毒舌
好き勝手に叫ぶ歌

悲鳴の代わりに
吐き出されたものが
閉じられた街の空を占拠して

青信号で動き始めた
人ごみで
突然、悲鳴が弾けた

その破裂した声の残響を
耳に家まで持ち帰る

すれちがう人は
悲鳴でひび入る陶器のようで
割れるその耳障りが気になる

ビル風に
押しつぶされそうに
エレベーターに押し込められながら
エスカレーターに折り重なり

今日もどこかで
破裂した悲鳴に
僕は重なる

押し殺した心が悲鳴をあげて。Last Updated 2026/07

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