風のささやき

青い涙

いつの間にこんなにも
青い涙をためていたのだろう
誰も触れない胸の奥の
鍵をかけた場所から
泣き濡れた匂いが漂ってくる

朝露のように
日々の手のひらに
染み出す涙
それを飲み干せば
静かにさざ波たつ
晴れた日の湖のようだ
水晶のように潤す
通り雨のようでもある

笑っていても
瞳に滲みだして
胸にゆっくりと溜まる
涙は呼ばれている

強がりの化粧の奥には
青い涙に澄んだまなざし
その硝子を通せば
空は澄み
大地を耕す
豆だらけの手から
種はまかれてゆく

あまりにも小さな器の僕だから
ときどき
胸から取りこぼしそうになって
けれどその時に
涙をぬぐってくれる
温かな誰かの指先を知る

僕はまた手のひらに
湧きだし溢れそうになる
青い涙を人知れず飲みこんだ
捧げもののように
青い湖が干からびてしまわないように

青い涙に濡れて、風景は澄んで。Last Updated 2026/07

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