春 植物
花木
車窓から桜や桜目移りす
季語:桜夜桜や月寄り添わせ取る写真
季語:夜桜人影や桜がぶ飲む鯉の群れ
季語:桜珈琲の冷めるまで見る梅の花
季語:梅の花愛でる気も濡らされてゆく花時雨
季語:花花三分いつもと違う駅の景
季語:花曇り空コントラスの無き桜
季語:桜心にも降るものと知る花吹雪
季語:花吹雪桜散りただ踏みつけて子供かな
季語:桜夜桜や来年も見る約束し
季語:桜足止めて夜桜に肩触れながら
季語:桜北国や花はまだ咲く時を待つ
季語:花花の頃更の名札のしたり顔
季語:花手始めに花を一つの桜かな
季語:桜老夫婦花散る並木そぞろ行く
季語:花踏み切りが開いた先の桜かな
季語:桜衆目に無頓着なり花の華美
季語:花藤棚の隙間埋める空も良し
季語:藤舞い込んだ残花この子を見にきたか
季語:残花桜見ぬ赤子は花より眠気なり
季語:桜電車去る度に見送る雪柳
季語:雪柳電車来て空舞う虫かと散る桜
季語:桜花盛り大吉引くと確信す
季語:花盛り祝福の花ふりしきれ乳母車
季語:花子猫から奪う遊惰や花吹雪
季語:花吹雪散る花よ一緒に子らを祝わぬか
季語:散る花人や虫風さえ集め鉢の梅
季語:鉢の梅雀らがついばみ飽きぬ花の庭
季語:花の庭惜しむ手のあまた抜けては散る桜
季語:桜風速を計りやめぬは雪柳
季語:雪柳路地裏に隠せぬ紅の梅便り
季語:梅便り燃える紅消せる雨なし山つつじ
季語:山つつじ痛む喉甘めかせてや沈丁花
季語:沈丁花