秋 天文
稲光り雷神様の向っ腹
季語:稲光り遊ぶ子の笑顔も静か秋日和
季語:秋日和照らされぬ物なぞなくて今日の月
季語:今日の月風振るう拳の暴力台風禍
季語:颱風天高し四十九日の旅の先
季語:天高し悔い無しと色なき風の遺影かな
季語:色なき風鳴り物が止むに止まれぬ暴風雨
季語:暴風雨帰る夜の月上る子は重くなり
季語:月地団駄を共に説き伏せ十七夜
季語:十七夜颱風を待っていたよと庭の木ら
季語:颱風髪乱れ笑われている颱風裡
季語:颱風裡交差点初秋風に首さらす
季語:初秋風天高し呆れる食い気の童かな
季語:天高し生ぬるき風のうなりや台風裡
季語:颱風裡蜘蛛の巣や主の代わりの三日の月
季語:三日の月秋嵐被害は毛虫の死骸なり
季語:秋嵐古紙飛ぶや秋風に帆を膨らませ
季語:秋風秋風や車窓に身投げる蝶もあり
季語:秋風夜明かしの血眼に染む三日の月
季語:三日の月颱風裡会話に潰え三連休
季語:颱風裡昼寝から目が開かないよ鰯雲
季語:鰯雲秋風に散るとき探る一葉ずつ
季語:秋風語り部の多さを思う星月夜
季語:月夜空高し消えてはゆけぬこの身かな
季語:空高しいつからかよそよそしくて秋の風
季語:秋の風颱風のうわさ話でざわめく葉
季語:颱風肩を噛む秋風誰の未練かな
季語:秋風いずこへと心さらうか鰯雲
季語:鰯雲塀の猫見上げ夕べの鰯雲
季語:鰯雲