Go-21

このページは、これまで当会のMLにて紹介していました「Go-21湘南便り」をリニューアルして
当地湘南の様子をビジュアルにお送りします。
私のみならず湘南に想い出がある方やこよなく愛でて下さる方の寄稿を歓迎いたします。
                                             世話人敬白

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2004年07月18日

                湘南便りその91
          
  鎌倉の紫陽花寺

                    第5回
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【菓子処 恵比寿屋】

長谷寺参拝の後は鎌倉のお土産を探しましょう。

今回は、長谷観音前交差点の角にある、恵比寿屋を紹介します。
恵比寿屋は、長谷寺の入り口で茶店として始め現在で6代目という江戸時代から続く
老舗です。 

参道を歩く人でにぎわう土・日・祝日、店頭で湯気を立てているのがこの店の自慢酒
作りの「黒餡女夫満ぢう」(1個100円)です。
酒の香を含んだ真っ白な皮に黒砂糖をたっぷり使った餡が包まれています。
餡の黒砂糖は沖縄産で、独特の濃厚な甘さが絶妙です。

もうひとつ名高いのが昭和25年に神奈川県指定銘菓となった「大佛観音煎餅」(700
円)です。高徳院の大仏さまと長谷寺の観音さまをかたどった2種類の形の瓦煎餅で、
鎌倉みやげとして人気があります。皆さんも鎌倉土産に如何でしょうか?

◆場所・江ノ島電鉄長谷駅下車、徒歩3分/京急バス長谷観音下車、徒歩1分
◆TEL・0467-22-0231/営業時間8:30分〜19:00(2月までの冬季は9:00〜18:30)
  木曜休



恵比寿屋のお店です。長谷寺から本通りに戻った正面にあります。



これが名物「黒餡女夫満ぢう」です。おひとつ如何でしょう。



2004年07月11日

                湘南便りその90
          
  鎌倉の紫陽花寺

                    第4回
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【光則寺】

長谷観音へ続く道を通り過ぎて、一つ大仏寄りの角を曲がりますと道は徐々に緩やか
な登りになって、「光則寺(こうそくじ)」の山門で行き止まりになります。

その山門までたどり着く間の道は、徐々に両側の山が迫ってくる感じで独特の雰囲気
があり、私の好きな鎌倉の風情があります。

光則寺は、北条時頼に仕えた宿屋光則(やどやみつのり)が開基、日蓮の日朗を開山
とする日蓮宗の寺です。

日蓮は書き上げた「立正安国論」を光則を介して時頼に差し出しますが、その論旨は
受け入れられず伊豆流罪になりました。後に許されて鎌倉に戻ると再び幕府に迫り、
逆鱗に触れて斬首となるところを免れて、佐渡流罪になりました。

弾圧は弟子である日朗らにも及び、光則邸の裏山の土牢に幽閉されました。
その後、光則は日蓮の教えに触れ、深く帰依するようになり、文永11年(1274年)、
自邸に光則寺を建立しました。境内には開基光則の墓や日蓮直筆の書の石碑、寺の
裏には日朗がつながれた土牢などがあります
 
この寺は、「長谷の花寺」としても知られ、緑と花の色に包まれた美しさが訪問者の目
を楽しませてくれる寺です。

 

写真左:光則寺山門です。受付などはなくて正面にある賽銭箱?に100円入れるだけです。
写真右:光則寺本堂です。訪れた時は先客は誰もいませんでした。


 

この季節光則寺の庭は珍しい花で一杯になります。写真左は「清澄沢」という名前の紫陽花です。
写真右の白と青の花は「墨田の花火」という紫陽花です。また赤い花は「小海老草」といいます。




2004年07月04日

                湘南便りその89
          
  鎌倉の紫陽花寺

                    第3回
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【長谷寺その2】

放生池と妙智池の間にある階段を登った地蔵堂には、沢山の地蔵が立っています。
同じ顔が並んでいるので、何だか不思議な感じがします。

さらに階段を登っていくと観音堂に出ます。観音堂に入ると、そこに長谷観音が安置
されています。残念ながら撮影禁止なので、写真は撮れませんでしたが、想像した
よりかなり大きく、(すこし黒くなった)金色の観音様です。

観音様の前に、1m以上ありそうな、これまた大きな木魚が置いてあります。
これは、8年以上かかって作った、日本一の大きさの木魚だそうですが、どんな音が
するんでしょうか?

境内を奥に進むと経蔵があります。ここには輪蔵りんぞうと呼ばれる回転式書架が
あって教典が納められています。 輪蔵を1回転させると一切経いっさいきょうを読む
のと同じ功徳があるといわれています。

さて、この経蔵の裏手に、目指すアジサイの群生があります。白、赤紫、青紫、様々
な色と形のアジサイが咲き乱れていました。斜面に設けられた狭い道には人がびっ
しりで、大きなレンズを抱えた人が何人も撮影に熱中していました。

長谷寺の境内には景色のいい展望台があります。当日はお天気も良く暑かったので
すが、木立を通って肌に触れる風は気持ちの良いものでした。



長谷観音が安置されている観音堂です。現在の建物は昭和60年の再建。

 

 放生池の奥から地蔵堂、阿弥陀堂、観音堂、大黒堂を経て一番奥の経蔵の辺りまで
くると、裏山のアジサイが目に飛び込み、早く見ようと気が急かされます。 経蔵の裏
から竹藪越しなどに見上げる紫陽花も素晴らしいし、裏山一面のあじさいの中を傘をさし
てそぞろ歩くのも趣きがあります。




展望台からの眺望です。



2004年06月27日

                湘南便りその88
          
  鎌倉の紫陽花寺

                    第2回
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【長谷寺その1】

長谷寺は、JR横須賀線鎌倉駅に隣接する江ノ島電鉄鎌倉駅から3つ目の駅長谷で下
車して徒歩5分のところにあります。

長谷寺は、また長谷観音としても有名です。鎌倉の大仏、鶴岡八幡宮と共に鎌倉三大
名勝の1つでもあります。

長谷寺は聖武天皇の天平時代の創建と伝えられています。この時代、都は奈良の平
城京あり、東大寺の大仏造立の詔を発したのはこの聖武天皇です。当時都では法隆
寺、薬師寺、興福寺などの有名な寺が幾つも造られていました。

【由 緒】

寺伝では養老5(721)年、徳道上人が1本の楠の霊木で二体の十一面観音を造った際
木の本もとで造った尊像を大和国初瀬寺(現在の長谷寺)に祀り、木の末すえで造っ
た尊蔵は縁のある地に出現し人々を救ってくださいと祈って海に流したところ、16年後、
天平8(736)年6月18日夜、相模の国三浦の長井に流れ着き、海上に光明を放っていた
といいます。 

その後鎌倉に移され、藤原鎌足の子、房前(ふささき)が徳道上人を開山として創建し
たといわれています。 当初は真言律宗でしたが江戸初期から浄土宗となり、海光山
慈照院長谷寺となりました。「長谷観音」の名で知られ、坂東三十三観音霊場の第4札
所となっています。近年、観音堂・阿弥陀堂・地蔵堂など6つの堂宇が整備されました。

 

写真左:「長谷観音」の赤い提灯が下がった山門は、昭和に復元されたもの。
写真右:山門を入ったすぐ右手の放生池と妙智池には花菖蒲が咲き誇っていました。



2004年06月20日

                湘南便りその87
          
  鎌倉の紫陽花寺

                    第1回
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【成就院の紫陽花】

6月の梅雨の中休みの日、久し振りにHPの取材で鎌倉を訪ねました。

今回の取材ネタは前回お約束した紫陽花です。

6月に入ると、鎌倉ではアジサイが色づき始めます。アジサイ寺と言われる北鎌倉の明
月院は、約2,000株ものアジサイで埋め尽くされます。特に、参道におおいかぶさるよう
に咲く青色のアジサイは圧巻です。

とはいえ、明月院の紫陽花はあまりにも有名なのでこの季節の明月院前には長蛇の
列が出来てしまいゆっくり紫陽花を眺める雰囲気ではありません。

そのため、今回オススメしたいのは成就院(じょうじゅいん)の参道に咲く紫陽花です。
ここは地元の人も多く訪れる明月院に次ぐアジサイの名所です。

成就院(じょうじゅいん)は、1219(承久元)年、弘法大師が護摩供養を行ったという伝説
の地に北条泰時が一族の武運を祈願して建てた寺で鎌倉三十三観音霊場第二十一番
札所になっています。

本尊の不動明王や鎌倉時代の作といわれる文覚(もんがく)上人荒行像などが祀られ
ています。寺が建っている場所は鎌倉七口の一つである極楽寺坂切通しの旧道です。
現在車道となっている一般道の切通しは寺の下を通っていて、付近には昼間でも星が
見えたという星月夜ノ井(星ノ井)があります。

紫陽花以上におすすめなのが、三門前の参道から見下ろす由比ガ浜の眺めです。
ここからの眺めはまことには素晴らしく、どの観光誌でも絶賛しています。

昔の旅人が切通しから鎌倉入りする時、初めて眺めた鎌倉のイメージがここにあります。


 

写真左:成就院への最寄駅は江ノ電「極楽寺駅」です。ご覧の通りとても雰囲気があります。
江ノ電を利用する場合は、江ノ電が1日中乗り放題できるのりおりくんB券(580円)
がおトクで便利です。


写真右:成就院三門です。お天気が良いこともあって沢山の人たちが訪れていました。



成就院の紫陽花の特長は、紫・ピンク・白・水色など、色とりどりのアジサイが咲いている
ことです。明月院の方は青色が中心になっていて、しっとりとしたイメージですが、
こちらの方はいろいろな色のアジサイが咲き、晴れやかな印象を受けます。
前方には由比ガ浜の眺望が開けています。