この楽章にはヴァイオリンの Solo ではなく二人で弾く Pult solo
となっている箇所が2箇所あります。オケ全体は静まっているので音量的にはひとりで十分であるところを敢えて二人にしたロットの意図はどこにあるのでしょうか。全く同じ音符を二人で弾くのは、音程のわずかな違いやポルタメントをかけたいところの微妙な感覚の違いといった面からかなり厳しいところではあります。実際
Solo
で弾いている演奏もあるようです。ロットがこの曲の作曲をしていた頃、当時想いを寄せていた女性がいたとされていて、ロットはその女性とこの曲の中で手を取り合っていたと想像するのは考えすぎでしょうか。なお、これに関する資料は今のところ目にしていません。ロットの恋愛の顛末については様々な事情から公にされていないのかもしれません。