電子メールを題材にしたラブ・ロマンス+ちょっとコメディ、といった作品。
傑作ではないかもしれませんが、私の好みにぴったりの映画です。ですから、★みっつの評価。
AOLは、電子メールが届くと、“You've got mail”と音声で教えてくれるようです。その楽しさに嵌って、親しくメール交換している男女が主人公。
キャスリン・ケリーは、ニューヨークで小さな児童書専門の書店を経営している女性。ところが、大手安売りのチェーン書店・フォックスが直ぐ近くにオープンしたことから、存亡の危機にさらされます。メール相手の男性から助言を受け、闘おうとしますが、その相手がなんとフォックス書店の経営者ジョー・フォックス。親しくメール交換する一方で、現実では激しく敵対するようなのが、2人の関係。メール交換だけとはいえ、メールを通じて恋人のような気持ちが育っていくのが明瞭だけに、いったいどうやって2人は最後に結ばれるのか、とハラハラします。第一、冒頭で2人とも各々別の男女と同棲している訳ですし。
5年前、私がパソコン通信を始めたばかりの頃、アクセスすると通信ソフトのポストに手紙がはいっていると、とてもワクワクしました。毎日メールが届いていないかと、ドキドキしながらアクセスしました。その経験があるので、2人が電子メール交換に熱中する気持ちがよく判ります。
主演のトム・ハンクス、メグ・ライアン、この2人もとても良いです。どこにでもいるような普通の男女という雰囲気がとても良い。決して、選ばれた男女ではありません。とくにメグ・ライアン、ロマンス・コメディにとても良い味を出すだろうなぁと思わせる女優です。彼女の出演作をまた探して観てみたいと思います。
本作品は、ラブ・ロマンスというだけでなく、書店経営が背景にありますので、児童書とか本の扱いが巧みで読書好きにはとても楽しい。
とくに主人公キャスリン・ケリーの愛読書が、オースティンの「高慢と偏見」であることに喝采! また、スターバックス・コーヒーとか、公園とか、日常生活における普通の光景をうまく取り入れています。そんな細かい部分もよくできている作品です。
さらに、バックに流れる幾多の音楽も魅力。ストーリィに邪魔にならず、自然に雰囲気を盛り上げてくれます。“Over
the Rainbow”は、とくに素敵なエンディングです。お薦め!
2001.06.17
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