“X-MEN:ファースト・ジェネレーション”★★ 監督:マシュー・ヴォーン |
ミュータント同士の争いを描いたSFアクション映画“X-MEN”シリーズが一応完結したことから、その続編は過去に遡って“ウルヴァリン:X-MEN ZERO”が制作された訳ですが、シリーズ最新作である本作品も遡り。 シリーズに連なるSFアクション映画のひとつ程度の認識しかしていなかったのですが、予想外に面白かったです。
その理由は、自分たちミュータントと一般人類との関係をどう認識するか、どう選び取るかという選択肢に関わるストーリィだからです。 即ち、一般人類を破滅させミュータントが君臨する世界を作ろうと悪計をめぐらす元ナチスのセバスチャン・ショウ。それを力を合せ留めようとするチャールズとエリックにも、一般人類と共存すべきという考え方と、ミュータントは進化した人類という考え方の違いがあります。 客観的かつ分析的に眺めれば、進化した人類という考え方は、自分たち自身への不安、自信のなさから生まれたものであることが分かります。 そうした深読みの余地を設けているところが、単なるSFアクション映画に留まらない本作品の面白さです。 また、ショウ一派とチャールズ・エリックらとの対決の舞台を、故ケネディ大統領が主役の片方を演じた米ソ・キューバ危機に設定したところも、リアル感があってお見事。 ※なお、エリック(マグニートー)のあのヘルメット、エリックと変幻自在のミュータント=ミスティークの関係、チャールズが下半身不随になった事情、ビーストがあのような姿になった理由等が明らかにされるのも、シリーズを一通り観たファンとしては楽しみのひとつです。 2011.06.18 |