“十二夜” ★★★ Twelfth Night (1996年イギリス映画)
原作:ウィリアム・シェイクスピア 監督:トレバー・ナン 出演:ヘレナ・ボナム・カーター、ベン・キングズレー、イモジェン・スタッブス、ナイジェル・ホーソン
シェイクスピア劇の中でも人気の高い喜劇の映画化。 双生児の兄・妹が、船の難破でお互い死に別れたと思い込み、妹ヴァイオラは男装して公爵オーシーノに仕え、恋の使者役を勤めさせられることになります。その使者セザーリオ(ヴァイオラ)に、貴族令嬢オリヴィアが惚れこんだ事から、オリヴィアは女であるヴァイオラに恋をし、ヴァイオラはオーシーノに恋するが男(セザーリオ)である故に恋が発展することはない、という奇妙な三角関係が生まれます。 その一方で、シェイクスピア喜劇らしく、オリヴィアの執事マルヴォーリオや、サー・アンドルーというちょっと頭の弱い求婚者をからかう喜劇が、恋愛喜劇に並行して展開されます。 この物語の成否は、当然ヴァイオラ役者の如何による訳ですけれど、本作品のヴァイオラ女優の人は、男装の女性を見事に演じていると思います。 戯曲はセリフで物語世界を作り出していくという緊迫さがある故に、こうした映画にしてしまうと散漫な感じになりがちなのですが、それを最小限に抑え、かつ映画のよさをうまく加えた、という印象です。 最終、兄セバスチャンも登場しての大団円の場面、盛り上がりも充分。 また、道化フェステ役は、原作以上に見逃せない役回りだったようです。 快く充分に満足した作品です。
2001.09.29
※ シェイクスピア戯曲作品リスト
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