“ターミナル” ★★★ 監督:スティーヴン・スピルバーグ |
空港や駅というのは、とかく人間ドラマを描くのに格好の舞台ですけれど、その空港に主人公が缶詰にされてしまうという設定は秀逸。 ニューヨークのJFK国際空港。ヨーロッパのクラコウジアという小国から到着したビクター・ナボルスキーが本作品の主人公。 普通の人間なら自暴自棄になり、誰かを呪わずにはいられない状況だと思うのですが、ビクターは淡々として生きる術を身につけていく。 とにかくビクター演じるトム・ハンクスが好演しています。小国のクラコウジアから大国アメリカにやってきて右往左往するビクターを見事に演じています。このトム・ハンクスの好演が素晴らしい。 ビクターがこんな状況の中でも自分を失わず誠実に生きていく理由は終盤明らかにされますが、本作品をただ待つことの大切さを描いた作品と言ってしまうのは余りにも惜しい。人と人が繋がり合えることの素晴らしさを描いた作品であると思いたいのです。 2005.06.19 |