“シカゴ” ★★☆
監督:ロブ・マーシャル |
久々に見応えある映画、見応えあるミュージカルを観た、という一言に尽きます。 ストーリィはちょっと暗い。浮気相手を殺した人妻の逮捕、拘置所入りから裁判までというものですから、明るく楽しいというミュージカルの定例パターンからは大きく外れますが、それを補って余りあるのは構成の見事さでしょう。 レニー・ゼルウィガーは、主人公ロキシーにまさにぴったり。レニーを置いて他にロキシー役はいない、と感じる程です。今までのレニーとちょっと違う印象を受けるのは、これまで愚かしいところがあるけれど気が好くて可愛げのある女性という役柄と異なり、愚かしいながらも自己中心的な悪女という役柄故でしょう。それにも拘らず、今回のレニーにマリリン・モンローの姿を感じてしまったのは何故でしょうか。レニー故のロキシーと感じた故でしょうか。 レニー程でないにしろ、リチャード・ギアも、「悪」を「善」に置き換えてしまう手管に長ける悪徳弁護士役にぴったり。 それにしても、アメリカというのは、何と裁判好きな国であることでしょうか。そしてまた、開き直るかのように済んだことは済んだこととして肯定してしまうその土壌。 ※アカデミー最優秀作品賞、最優秀助演女優賞等受賞。 2003.11.15 |