“プラダを着た悪魔” ★★☆
THE DEVIL WEARS PRADA
(2006年アメリカ映画)

監督:デヴィッド・フランケル
原作:ローレン・ワイズバーガー
脚本:アライン・ブロッシュ・マッケンナ
出演:
メリル・ストリープ
、アン・ハサウェイ、エミリー・ブラント、スタンリー・トウッチ

 

ジャーナリスト志望のアンドレア(愛称:アンディ)が今回職を得たのは、一流ファッション雑誌“ランウェイ”の名物編集長ミランダ・プリーストリーの第2アシスタントの仕事。
仕事の中味はスタバのコーヒーを買ってくるとか雑用ばかりなのですが、ボスのミランダは“悪魔”と皆から緊張をもって呼ばれる程、もう滅茶苦茶に人使いの荒い人物。そのミランダやスタッフからアンディは、面接した最初から服装についてファッションセンスがまるでないと見下げられる始末。
そんな鬼上司ミランダに夜も昼もなく振り回され、同棲している恋人ネイトとの間にすれ違いが生じながらも、悪戦奮闘しつつアンディが見事に成長していく姿を描いたコメディ。

ミランダを演じるメリル・ストリープ、アンディを演じるアン・ハサウェイの演技も見応えたっぷりなのですが、何といっても秀逸なのはストーリィ展開のテンポの良さ、スピーディさ。
少しの間も置かず、ぐいぐいと引っ張っていってアッと言う間に観終わった気がしますが、その中味の濃いこと。2人の演技も脇役(エミリー役エミリー・ブラント、ナイジェル役スタンリー・トウッチ)の良さもストーリィも、これだけの観応えはそうあるものではありません。

ところでこのストーリィ、どう捉えられているのでしょうか。
アンディはジャーナリスト志望なのにかかわらず、ランウェイのスタッフの影響を受けて高級ファッションに身を包み、ミランダの下僕のように恋人の誕生祝も放り投げてまで仕事をしている。これを恋人ネイトや友人たちのように、アンディの変節と捉えるのが正しいのか?
私にはネイトらの方が狭量過ぎると思えます。仕事を本気でやろうと思ったらどんな仕事でも厳しいものですし、一生懸命に役目を果たそうとしているのはアンディが誠実だからでしょう。それまでのカジュアルな服装を止めて高級ファッシンに身を包んだからといって、それだけで何故アンディが変節したと考えてしまうのか。アンディの内面を見ずして外見だけで捉えているとしか思えません。

最後は、ミランダの下で苦労して一皮向けたアンディの姿、不満は残るのでしょうけれどそんなアンディを認めたミランダの姿に惚れ惚れします。それに対してネイトから受ける印象は、未だ成長してない子供っぽい若者というもの。

メリル・ストリープ、アン・ハサウェイの2人が観応えあるコメディ。
アン・ハサウェイに関しては「
プリティ・プリンセス2」の時より成長した姿を見せてくれたのが嬉しい。お薦めです。

2007.05.03

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