“サハラ 死の砂漠を脱出せよ” 
SAHARA
(2005年アメリカ映画)

監督:ブレック・アイズナー
原作:クライブ・カッスラー
脚本:トーマス・ディーン・ドネリー、ジョシュア・オッペンハイマー、ジョン・C・リチャーズ、ジェームズ・V・ハート
出演:マシュー・マコノヒー、スティーヴ・ザーン、ペネロペ・クルス

 

クライブ・カッスラー原作の人気冒険小説“ダーク・ピット”シリーズ・第11作の映画化。
「タイタニック号を引き揚げろ」に続く2回目の映画化ですが、「タイタニック」が原作者カッスラーの不評をかって、以後の映画化がされなかったということですから、「サハラ」の映画化はシリーズのファンであるマシュー・マコノヒーの熱意が通じたということでしょうか。

期待してみたのですが、率直に感想を言うと、まぁこんなものか、というもの。
そもそもあれだけスケールの大きい物語を映画の2時間枠に入れること自体不可能というべきこと。
それはそれで判っているのですけれど、ダーク・ピットとアル・ジョルディーノという2人の図抜けた行動力、サハラ砂漠からの脱出行という過酷な試練が感じられなかったことが、残念。
また、アル・ジョルディーノ、ルディ・ガン、サンデッカー提督という魅力ある登場人物たちがこぶりな印象になってしまったことも、主人公であるダークとヒロインのエヴァ・ロハスを引き立てるためとはいえ、残念。
マシュー・マコノヒー演じるダーク・ピットも、原作のイメージと比較してしまうと不満は残るのですけれど、これはもう言っても仕方ないこと。でも、単なる遺物探しの探検家というイメージは作って欲しくない。

原作の愛読者としては、原作の幾つもの見所がどう盛り込まれたかに注目するのですけれど、原作を読んでいるからこそ判ること。
原作を知らず映画でこの物語を初めて観る人は、最後の場面の意味、判るのでしょうか。

本作品を観て面白いと感じた方には是非原作を読んでみることをお薦めします。原作は映画の何倍も、何十倍も面白いのですから。

2005.10.23

 
 → 原作:「死のサハラを脱出せよ

 


  

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