“幸せのレシピ” ★☆
No Reservations
(2007年アメリカ映画)

監督:スコット・ヒックス
脚本:カロル・フックス
出演:キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、アーロン・エッカート、アビゲイル・ブレスリン、パトリシア・クラークソン

 

2001年のドイツ映画「マーサの幸せレシピ」のリメイクだそうです。
主演はキャサリン・ゼタ=ジョーンズ、彼女に惹かれて観に行きました。

女性シェフのケイトはマンハッタンの高級レストラン“22ブリーカー”で腕を振るう名料理長ですが、人付き合いや人あしらいが苦手で、料理に見当違いのイチャモンをつける客に喧嘩をふっかけてしまうという剛直振り。
そのケイトに降って湧いた難問は、突然姉が交通事故死して姪のゾーイを引取ることになったこと、その休暇中に自分とは性格が正反対な陽気で人好きのするニックが副料理長として雇い入れられたこと。
子供の面倒をみるという慣れない苦労のうえに、厨房で自由奔放に振舞いケイトの神経を逆撫でするようなニックの振る舞い、キレかねても当然という状況をぐっと耐え忍んで頑張ろうとするケイトを主人公にしたラブ・コメディ。

キャサリン・ゼタ=ジョーンズのキリッとした女性シェフぶりが素敵で、母親に死なれた悲しみを抱え込むゾーイを演じるアビゲイル・ブレスリンも見応えありますが、全体としては軽い、心温まるラヴ・コメディ。ただ、軽過ぎてもうひとつ味にコクが足りないと言わざるを得ません。
それはどこかというと、折角一流シェフ、一流レストランの厨房を主人公、舞台にしながら、美味しい一皿が料理されるというスリリングな場面が感じられないからでしょう。
画面を観ていて美味しそうだなァと感じられるのが、賄いのスパゲティや自宅でのピッツァ作りじゃ、話になりません。
その点では、「
レミーのおいしいレストラン」の方が観応えありました。

ゾーイも元気を取り戻し、ケイトも恋を手に入れるという気持ちの良いエンディングでしたが、この最後の場面どこかで観たような?と思ったら、これもまた「レミー」と共通するところ。ただし、これは雇われシェフものの定番というべき幕切れとして納得すべきものでしょう。

2007.09.30

    


  

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