“ルイスと未来泥棒” ★★
Meet the Robinsons
(2007年アメリカ映画)

監督:スティーヴン・J・アンダーソン
原作:ウィリアム・ジョイスオリジナルスコア
脚本:ジョン・バーンスタイン、ミシェル・スピッツ、ドン・ホール、ネイサン・グレノ、オーリアン・レッドソン、ジョー・マテオ、スティーヴン・J・アンダーソン

 

ウィリアム・ジョイス原作の絵本「ロビンソン一家のゆかいな一日」を映画化したSFファンタジー・アニメ。

主人公は発明好きの少年ルイス。彼は赤ん坊の頃に母親の手で孤児院の玄関前に捨てられ、その孤児院で育つ。
発明好きが高じていつも養子縁組の面接に失敗しているルイスは、過去の記憶を映像に蘇らせるという機械を発明します。
しかし、その発表を行なおうとする科学フェアの会場で、正体不明な山高帽子の男に邪魔され、しかも機械を盗まれてしまいます。
そんなルイスの前に現れたのは、未来からやってきたという少年ウィルパー。
ウィルパーに誘われタイムマシンで未来へと旅したルイスは、怪しげな山高帽子の男とその山高帽子型の機械を相手に冒険を繰り広げることになります。
果たしてルイスは、家族を手に入れ幸せをつかむことができるのか、というストーリィ。

何故山高帽子の男が、そして山高帽子型の機械がルイスを攻撃しようというのか明らかにされないままストーリィは進んでいくので、その間はやや退屈にも感じます。
それが面白くなるのは後半になってから。未来でルイスはやっと家族を手に入れることができると思った途端に拒絶されます。そして次に、山高帽子の男の正体が明らかにされていきます。その辺りが本物語のヤマ場。そこから物語がグンと面白くなります。

明るい未来を信じて常に前進しようという気持ちを忘れない、というメッセージはいかにもアメリカ的。でも軽んじるつもりはありません。SFファンタジーアニメとしては、それこそ相応しいメッセージでしょう。
本作品の魅力は、上記メッセージとともに、その映像の美しさ、鮮やかさ、その立体感にあります。
観終わった後は、気持ち好い納得感に酔いしれました。

※なお、本作品の内容は、邦題より原題「ロビンソン一家と会う」の方がはるかにその意味を伝えています。どうもこの邦題、エンデの「モモ」と時間泥棒という題名をパクっている気がします。

2008.01.02

    


  

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