シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」の舞台であるイタリアの町・ヴェローナ。そこには、ジュリエットの生家という観光スポットがあり、訪れた女性たちが恋の悩みを綴った手紙を壁に貼っていく。そしてその一つ一つの手紙に、“ジュリエットの秘書”と呼ばれるボランティアの女性が返信を書くという習わし。
本作品は、そんな“ジュリエット・レター”と呼ばれる手紙をモチーフにしたラブ・ストーリー。
アメリカから恋人と共に婚前旅行にやってきたソフィ、ところが恋人のヴィクターはレストラン開店のための食材探しに夢中で、ソフィのことはほったらかし。
一人でジュリエットの家を訪れたソフィは、そこで“ジュリエットの秘書”たちと知り合いになり手伝っていたところ、50年前に壁の隙間に入れられたらしいジュリエット・レターを見つけます。
ソフィがその返信を書いたところ、相手の老婦人クレアと孫のチャーリーがロンドンからヴェローナにやってきます。そして、クレアの50年前の恋人探しの旅に、ソフィも同行することになる、というストーリィ。
最初からストーリィの行く末は予想がつくようなものですが、それでも本作品が気持ちの良いものであることに変わりはありません。
ソフィ演じる、若々しいアマンダ・セイフライド(「マンマ・ミーア」)と、ベテラン女優ヴァネッサ・レッドグレーブの共演が良い味を出していて、地味ながら素朴な喜びを味わうことができます。
また、流石はヴァネッサ・レッドグレーブというところで、ロマンスや女性の美に、年齢は関係ないという思いを感じさせてくれます。
※なお、かつて“マカロニ・ウェスタン”を代表する役者の一人であったフランコ・ネロに、こうした映画で再びお目にかかるとは、思ってもみませんでした。
※また、バック音楽のひとつに、モンキーズの曲が使われていたのも懐かしい。
2011.05.21
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