ヒット・ミュージカルの映画化。
エーゲ海に浮かぶギリシャの小島=カロカイリ島を舞台に、恋人との挙式を目前に控えたソフィが、母親ドナに内緒で自分の父親である可能性ある3人の男性に結婚式への招待状を出す、3人が本当にやってきたことからドタバタ劇が展開されるというロマンチック・コメディ。
正直言ってストーリィはどうでも良くて、1970年代から80年代にかけて一世風靡したスウェーデンのポップ・グループ=ABBAのヒット曲が思う存分歌いまくられる楽しさに尽きる、というミュージカルです。
映画ストーリィはもはやABBAヒット曲の相応しい背景作りに過ぎない、という感じ。その数々のヒット曲を主演のメリル・ストリープが中心になって踊り歌いまくるところが本映画の見どころ。
この映画、主役として存在感を発揮するのはドナ+親友2人の熟女3人で、場面に応じて島の女たちが加わるのも豪勢で楽しい。
20歳の花嫁ソフィーは愛らしいですが、熟女たちを前にしては脇役にしかなり得ず、コリン・ファースら男性3人に至っては、気の毒に添え物という存在感の薄さ。
本映画で一番楽しい思いをしたのは。メリル・ストリープではないだろうか。
失礼ながらあの年代でこれだけ歌い踊り、はしゃぎ回れたら、さぞ楽しいことだろうと思います。
観客は彼女が目一杯楽しんでいるに違いない様子を観て、それを楽しんでいる、といって過言ではない気がする。
ただ惜しむらくは、ストーリィの最後、何故あんな平凡でつまらない結末にするのだろう。最初から最後まで(最後の部分だけを除く)せっかく楽しい思いをしていたのに、白けてしまうではないか。
年を経ても女は女、中年男がしょぼくれるのと対照的にますます元気である、と主張しているような映画です。
2009.02.01
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