“バットマン”に登場する代表的な悪役“ジョーカー”を単独で描いた傑作「ジョーカー」の続編。
いくつかの映画評を見た処、この続編については賛否両論があるようです。
“ジョーカー”を名乗って世間を騒がせたアーサー・フレックスは今、拘留中。5人を殺害した容疑で裁判を待つ身の上です。
担当する女性弁護士は、ジョーカーは多重人格によって生じた別人格であり、フレックス自身ではないという見地から弁護する方針。
一方、社会の常識から型破りであるジョーカーを仰ぎ見る人物も生じていて、本ストーリーでその代表的なのが、レディ・ガガ演じるリーという女性。
そのリーの触発により、再び狂気の如きジョーカーが復活します。
ジョーカーという存在は果たして何なのか? ジョーカーは法廷審理を超越するのか、はたまたその結果は? というのが関心処。
結局、ジョーカーをどう見るのか、どう扱われれば得心できるのかが、本作の評価に繋がるように思われます。
正義の見地からジョーカーを否定的に見るのか。あるいは混沌たる悪の見地からジョーカーを肯定的に捉えるのか。
最後の結末は思いがけないものでしたが、私として得心できなかった、というのが率直なところ。
その意味で、 この続編は不要だったのではないか、前作だけで十分だったのではないか、と感じる次第です。
ただし、どういう結末になるのかという興味から、観応えはありました。
なお、MGMミュージカルの傑作「バンド・ワゴン」を背景に、ミュージカルのようなシーンが幾つもあるので、ミュージカル好きとしては楽しめます。
レディ・ガガの出演もそうしたシーンがあるからこそでしょう。
レディ・ガガの演じるリーという女性、最後まで格好良くあって欲しかった。
2014.10.15
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