“ヒットマン ★★
Hit Man
(2023年アメリカ映画)

監督:リチャード・リンクレイター
原作:スキップ・ホランズワース
脚本:リチャード・リンクレイター、グレン・パウエル
出演:グレン・パウエル、アドリア・アルホナ、オースティン・アメリオ、レタ

 

主人公のゲイリー・ジョンソンは、大学で心理学と哲学を教える、地味で冴えない独身男。
しかし、その一方では偽の殺し屋に扮して警察のおとり捜査に協力しているおとり捜査官。
殺し屋を探している相手に接触し、相手から殺しの依頼を引き出す=逮捕、という役割。

ただし、いつも同じような殺し屋に扮してる訳ではありません。
依頼人に応じて、様々なキャラクターの殺し屋になり切っている処が面白い。

しかし、ある日、夫殺しを依頼してきた人妻マディソンに一目惚れしてしまい、依頼しようとするのを留め、逮捕せず逃してしまう。
その後、再会したマディソンと恋し合う男女関係になってしまう処から、ゲイリーの脱線が始まります。

ゲイリーは、行きがかり上マディソンの前では殺し屋ロンのキャラクターを演じ続けることになるのですが、その二面性がたっぷり楽しめます。
ただ、殺し屋ロンを演じてもその本性が変わる訳でもなく、殺し屋ロンらしい強さを発揮せざるを得ないという危機場面が・・・・。
そして、マディソンのおかげでロン=ゲイリーまでとんでもない窮地に追い込まれてしまいます。
さあ、ゲイリーはどういう道を選ぶのか。

人格を共有しないジキル博士とハイド氏をユーモラスに演じている、という面白さを感じます。
しかし、最後、こんな展開になるとは・・・良いのか、コレ?

一人の人間が様々なキャラクターを演じる、という点は直前に見た三谷幸喜「スオミの話をしよう」と共通する仕掛けですが、印象は随分異なります。

主役ゲイリーを演じたグレン・パウエルの芸達者ぶりが見処ですが、最後の結末といい、日本人にはちょっと分かりにくいユーモアではないかと思います。
ただ、グレン・パウエルについては、これから楽しみと感じました。

2024.09.16

           


   

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