“ジャングル・ジョージ” 
GEORGE OF THE JUNGLE
(ディズニー映画)

制作:ウォルト・ディズニー作品
監督:サム・ワイスマン
出演:ブレンダン・フレイザー、レスリー・マン、トーマス・ヘイデン・チャーチ

 

飛行機の墜落事故の際、一人の赤ん坊が行方不明になる。そしてその赤ん坊ジョージは密林の中でゴリラに育てられ、原住民からはホワイト・エイプ(白い猿)伝説として恐れられます。そしてある時、アメリカから金持ちの令嬢アースラがその密林にやって来た、というのがストーリィの始まり。
となると当然思い出すのは、E・R・バローズ原作の“ターザン物語”。本作品はアメリカの人気漫画の映画化だということですが、“ターザン”のパロディであることは今更言うまでもありません。
もっとも、“ターザン”を余り知らない人であれば、むしろ“クロコダイル・ダンディー”を連想するのかもしれませんが。

このジャングル・ジョージ、恐ろしく文明化している。
アースラと出会った時点で既に英語は話すは、快適な樹上の自宅は備えているは、等々。というのは、人間の言葉を話し、本まで読みこなす、まるで哲学者のようなゴリラのゴリに育てられたからなのです。

とにかく、パロディが面白い。ジョージのみならず、アースラの婚約者として登場する、鼻持ちならない文明人・ライル、そのライルと現地の黒人ガイドとのやりとりも愉快。
しかし、本作品の一番の魅力は、ジャングル・ジョージの伸び伸びした明るさでしょう。このジョージ、密林の王者でありながら、結構ドジで間抜け。その象徴となるのが、ツタを利用して密林を飛びまわるシーン。やたら木に正面衝突し、気絶しそうな痛い思いを繰り返すのです。しかし、そんなヒーロー像と程遠い自分を恥ずかしがることなく、その程度の失敗があってこそ当たり前と、少しも悪びれない。

SFX特撮技術も楽しめる、なかなかの娯楽作品です。

2002.06.23

 
 → “ジャングル・ジョージ2

 


  

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