2018年「運び屋」に続く、クリント・イーストウッド、監督・主演映画。
クリント・イーストウッドが今回演じるのは、かつてロデオスターとして活躍したが、今は落ちぶれて孤独な老人となったマイク・マイロ。
そのマイク、かつての雇用主から、別れた元妻と共にメキシコで暮らしている10代の息子ラフォを連れ帰ってきてほしいと頼まれ、メキシコに向かいます。
ところが、その元妻に会った途端、事情がそんな簡単なものではないことに気づきます。
富裕らしい元妻は淫乱な生活を送っており、息子には無関心。
その息子は、母親からの暴力から家に戻らず、闘鶏の“マッチョ”と共にストリート暮らしをしていた。
そんなラフォ、マイクの話に希望を見出し、自分を求めてくれた父親のいるテキサスへ行こうと決意し、マイクと共に旅立つのですが、母親が放った追っ手に終われ・・・・。
要はマイクとラフォ、老人と少年というコンビによるロード・ムービー。
そこはもう老いたマイクとの道中ですから、派手なアクションなどとは無縁で地味なストーリィです。
でも、だからこそマイク、ラフォ、それぞれ孤独な気持ちが通じ合っていく、という展開。
途中、警察の追及を逃れるため2人は、小さな町に留まることになります。
その町で孫娘たちの面倒をみながら食堂を営むマルタという女性の親切を受けた2人は、彼女の一家と親しみ、ラフォも初めて幸せだと思える日々を過ごすのですが・・・。
年老いたとはいえクリント・イーストウッド、なんとカウボーイ姿が似合うことか。ただし、昔はそれなりにいろいろあり、今は年取った元カウボーイ、という姿ですが。
思い出すのは、「荒野の用心棒」等の姿より、若いカウボーイを演じていたTVドラマ「ローハイド」でのカウボーイ姿です。
地味な作品です。でも、老人と少年の2人旅、とても味のある作品になっています。年老いたからこそだせる味、と言って良いかと思います。
クリント・イーストウッド、まだまだやれるぞ、という雰囲気が伝わってきて、ファンとしては嬉しい限りです。
2022.01.15
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