“ブレードランナー 2049 ★★
Blade Runner 2049
(2017年アメリカ映画)

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
製作総指揮:リドリー・スコット
脚本:ハンプトン・ファンチャー、マイケル・グリーン

出演:
ライアン・コズリング、ハリソン・フォード、アナ・デ・アルマス、シルヴィア・フークス

  

リドリー・スコット監督によるSF映画の名作「ブレードランナー」、その35年ぶりの続編とのこと。
しかし、同作を私は観ていないので、それに囚われず本作を観ました。

舞台は前作から30年後、すっかり荒廃し果てたカリフォルニア。
人類は労働力としてレプリカント(人造人間)を製造しましたが、レプリカントの増加に人間は危機感を覚える。
そこで危険なレプリカントを取り締まる役目を与えられた捜査官が“ブレードランナー”。

本作で主人公となるライアン・ゴズリング演じるブレードランナー“K”、彼自身も実はレプリカントという皮肉な存在。
レプリカントである故に生活は孤独。唯一の慰めは、コンピューターシステムにが作り出す映像の恋人“ジョイ”の存在。
そのK、あるレプリカントを始末した過程で、何か隠された秘密、それはあるレプリカント間で“奇跡”として認識されているらしい、ものがあることを知ります。
その結果、自分自身が持つ記憶にある疑問を抱いた“K”は、彼を拘束しようとする一団の手から逃れ、真相を突き止めるべく、かつて優秀なブレードランナーとして活躍し、ある女性レプリカントと共に忽然と姿を消した男デッカードを探そうとします。

人間とレプリカントの共存はあり得るのか、レプリカントは人間に利用されるだけなのか。
山本弘さんの名作SF「アイの物語」にも通じる題材だと思います。
初めて見ると判り難い面も多分にあるSFストーリィでしたが、その中、主人公Kとコンピューターシステムにより創り出された恋人“ジョイ”との、まるで本当の恋人のような心の繋がりが印象的です(ジョイはKに“ジョー”という名を与える)。
片や人造人間、片やコンピューターシステムで作られた立体的な映像と、お互いに人間ではない人工的なものだというのに。
人間と同様に心があるなら、もうそれは“人間”と言って良いのではないか、と思わされますが、一方、人類の未来を憂えさせる物語にもなっています。

2017.10.29

       


  

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