“オットーという男” ★★☆ 監督:マーク・フォスター |
フレデリック・バックマンの世界的ベストセラー「幸せなひとりぼっち」を映画化した、スウェーデン映画のリメイクだそうです。 主人公のオットー(トム・ハンクス)は郊外の住宅街で一人暮らしする男性。 実はオットー、愛妻ソーニャに死なれ、仕事も定年退職して孤独な身。 マリソル(マリアナ・トレビーニョ)という身重のメキシコ人女性、その一家が愉快。 しかし、そのことによってオットーは、妻以外の人間と関わることを思い出し、次第に生きる意味を見出していく、という展開。 でもこのオットー、不機嫌そうにしていても無愛想な態度をとっても、マリソルやその娘たち、隣人、そしてソーニャのかつての教え子らから頼りにされる風なのは、どこか信頼できるところがあると見抜かれているからなのでしょう。 トム・ハンクスの僅かな表情変化によって見せる演技がお見事。 という訳で、演技とストーリィと両方が楽しめる佳作。 ※本ストーリィには、ディケンズ「クリスマス・キャロル」や、クリント・イーストウッド「グラン・トリノ」を思い出させられます。 2023.03.10 |