佐藤正午さんの、生まれ変わりを題材にしたラブ・ストーリィ=「月の満ち欠け」の映画化。
原作を始めて読んだ時、登場人物の関係が入り乱れてかなり混乱し、理解するのに苦労した覚えがあるのですが、映画で見るととても判りやすくなっており、すっきりとしたストーリィになっていると感じたのが第一。
実際の人物が演じているので人物像を捉え易いというところがあったのかなと思いましたが、原作ストーリィを振り返ってみると、人間関係はもっと複雑に入り組んでいました。
映画ではあっさりとした登場に過ぎませんでしたが、原作では小山内堅と女性介護士の母娘との関係ももっと密ですし。
いずれにせよ単純化された分、判りやすいストーリィになっていましたので、出演者たち(大泉洋、柴咲コウ、有村架純、伊藤沙莉)の好演もあり、十分楽しめました。
一方、何に帰着するストーリィだったのかという点は、生まれ変わりということに惑わされた観があって、むしろ分かり難くなっている気がします。
まぁそれは、配役に左右される映画という制約から、致し方のないことだと諦めるしかありません。
最後の感動を味わいたい方には、是非原作を読んでみることをお勧めします。
2022.12.07
|