新進気鋭の劇団・ヨーロッパ企画のヒット舞台を映画化した作品だそうです。
青春+SF+コメディ。
上野樹里出演作であることが私の観た理由のひとつ。
夏休みのうだるような暑い最中でのSF研究会部室+その片隅に暗室がある写真部が舞台。
SF研究会の男子学生5人と写真部の女子学生2人が騒いでいるうちに、エアコンのリモコンにコーラをかけて壊してしまう。そこへ何故か突然出現したタイムマシン。タイムマシンで前日に遡りリモコンをとってくれば万時無事解決と単純発想した男子3人が前日に飛んだことから、大騒ぎとなります。
何がって、そりゃ過去の事実を変えたら現在がどう変わるか判らない。全員が消えてしまうかもしれないと大学の万年助手から脅かされて青くなったメンバー。さっそく残りの2人が前日へ飛び、3人を連れ戻してこようとします。
そこから始まるドタバタ劇。
何しろ前日へのタイムスリップですからねー、前日の自分と今日の自分が同時に存在したりして、前日のメンバーと翌日のメンバーが入り乱れて接触、会話などのやりとりも行うことからドタバタ度合いが深まって行きます。
さしづめ、シェイクスピア「間違いの喜劇」の双生児型騒動を時間型騒動に置き換えたようなものか。
冒頭、アレレ?と思った部分が、後になってここはこうだからそうだったのかと初めて判る、といった仕掛けがあちこちに張り巡らされています。
何やら後からミステリの謎解きをされているようなものですが、うっかり気を許すと何が何だかこんがらがってしまいそうです。そんな面白さあり。
そんなドタバタ騒ぎもいかにも夏休み、学生時代だからこそ味わい得る楽しさかなと思えてきます。
メンバーに加えて、30年後のSF研究会からタイムマシンでやってきたという学生の存在が絶妙ですよ。
上野樹里は今回主役というより、7人のメンバーのひとりに過ぎません。「パッチギ」に出演していた真木よう子も含めて、その分自然な感じが好ましい。
本作品を観たのが、梶尾真治さんのタイムトラベルものを読んでいる途中であるという偶然もまた楽しい。
タイムマシンは夏向きの題材かも。
2006.08.13
|