重松清の感動的な父娘ストーリィ、「ステップ」の映画化。
妻が1歳半の娘を遺して急逝。主人公の武田健一は、会社の仕事を変更してもらいながら、懸命に男手一つで幼い娘の美紀を育てていく。
美樹、1歳半から小学校卒業までの10年間を描くストーリィ。
幼い娘にも父親の奮闘ぶりが分かるのでしょう。年齢以上にしっかりして育つ美紀の姿が印象的です。
また、男手一つ、というのは正確ではありません。
健一と美紀の様子を心配して度々支えてくれる祖父母、美紀が成長する過程で出会う様々な人たちが、健一と美紀を支え、助けてくれたのですから。
映画という時間の制約から、原作に比較するとカットされた部分、設定が少し変えられている部分もありますが、間道という点において原作と少しも引けをとりません。むしろ、美紀という女の子(年齢に応じて3人で演じています)の健気ぶりを感じるのは、原作以上かもしれません。
原作を読んだ時も感じたことですが、もし自分が同様の状況に置かれたら、主人公のように頑張れたか、というととても自信はありません。
気持ちの良い、感動的な家族ストーリィ。お薦めです。
2020.07.20
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