“空飛ぶタイヤ” ★★ 監督:本木克英 |
走行中のトラックから外れたタイヤが通行中の母子を襲い、若い主婦は事故死してしまう。 メーカーであるホープ自動車が提出した報告書の内容は、簡単に「整備不良」。 しかし、本当にそうなのか。疑問を抱いた運送会社の社長=赤松は、必死でホープ自動車に食い下がりますが、相手は財閥系の名門大企業。ちっぽけな中小企業などまともに相手にする必要はないと、端から問答無用という態度。 しかし、当事者である赤松運送は、警察の捜索を受け、大口取引先から取引を切られ、さらに取引銀行であるホープ銀行から融資回収を迫られたうえに、被害者遺族から制裁的損害賠償を請求されるといった状況に置かれ、会社存続の危機に瀕します。 そんな四面楚歌の中、被害者のためにも真実を明らかにせずにはおかないと、大企業相手に中小運送会社の社長が戦い続けるという企業ストーリィ。 これまで幾つもの作品がTVドラマになっているものの、映画化はこれが初めてとのこと。 ただ、この作品、私にとっては思い出深いものでもあります。 初めて池井戸潤作品を読んだのがこの「空飛ぶタイヤ」、そして読むに至ったのは本サイトのゲストから勧められたからでした。 原作は読み応えたっぷりの企業サスペンス。 それをどう2時間という短い映画時間枠にまとめるのかと、そこが興味処でしたが、うまくコンパクトにまとめられていました。 ただし、その分、感動もコンパクト、という印象です。 せっかく映画を観られたなら、続いて原作を読み、もっと深い企業サスペンスを味わってもらえたら、是非お勧めします。 2018.06.15 |
※原作 → 「空飛ぶタイヤ」