「下町ロケット」の連続TVドラマ化で人気を集めている池井戸潤による企業小説の映画化。
大手企業ゼノックスの関連会社である中堅メーカーの東京建電が舞台。
冒頭から、定例の営業会議で列席する営業部員たちに対し、営業部長=北川のまさにパワハラそのものの叱責、激が飛びます。
その中で一人平然と居眠りをしていたのが、ぐうたら社員と悪評の高い万年係長=八角民夫。
さすがに堪忍袋が切れた坂戸課長による怒りの言葉に、八角はパワハラだ、と騒ぐ。しかし、まさか坂戸課長がパワハラ?で左遷されてしまうとは。
さらに、営業部の失点を狙う経理部の新田が目をつけたのは八角。下請け先との癒着ではないかと社長・役員の前で告発したところ、なんとその新田までも地方部署に左遷。
一体、八角の周りにどんな秘密があるのか。
それを探り始めたのが、坂戸の後任課長となった原島と、女性社員の浜本優衣。
やがて2人の目の前に明らかになった事実は・・・。
企業小説ではありますが、展開はまるでミステリ、いやサスペンス、といった様相です。
ひとつの事実が明らかになると、次のどんな事実があるのか、どんな展開になるのか。ひとつひとつ進むごとに驚愕させられる、というストーリィ。その点ではスリル満点、実に観応えある作品になっていました。
ただし、野村萬斎演じる八角、いくらなんでも大袈裟にいやらしい感じを出し過ぎ、と感じた次第。
サラリーマンって、所詮、挫折すれば虚しいことばかりではないか、と思うばかり。骨身を削り、良心を削ってまで出世競争に勝ち進んでも、あっという間に挫折することもあれば別の出来事でけ躓いてしまうこともあります。
良心に従い、嫌なことは嫌といい、冷遇されても開き直ってしまえば給料はちゃんと貰えると言いたいところですが、それもある程度の規模合っての会社だからこそかもしれません。
それにしても、シネコンの上映室、ほぼ満席といった人気ぶりでした。
2019.02.05
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